この4人は大食漢だ!

チェミもメイド達も、次々と料理を

運んだ。


「全く!皇帝陛下も大公殿下も、

職務は、ないのですか?」


「いや、これを食べたら、執務室に

戻る!」


「それにしても、4ヶ月ともなれば、

そんなに目立つようになるのかな?」


「兄上!俺の子です!育つのも早い

のです!」


「うんうん!お義兄様!エルナは、

もうすぐ3ヶ月でしょ?4ヶ月に

なったら、大きくなりますわ。」


ほとんど食べると、

「今から執務室に戻る!帰りは、

夕方だが、ちゃんと昼寝もするんだぞ?」


「うん。妊婦は、食べたら眠くなるから

大丈夫よ!」


ヨンとビンは、過保護さを発揮して

仕事に戻って行った。


「ヨン…その…夜は、いつ頃から

良いのだ?」


「えっ?俺達は気づかなかったので

ずっとしてました。」


「しかし、アレクが控えるようにと…

一緒のベッドで寝ていると、その…

私の我慢も大変なんだ!」


「一緒に寝ていて、何もできない等、

拷問ですね?アレク侍医に聞いて

みれば良いのでは?」


「やはり、聞いてみるべきだな…」


ウンスとエルナはお腹もいっぱいになり、

ウンスの部屋のベッドで仲良く昼寝した。


執務室で2週間分の書類を見て、

2人になった時にアレク侍医を呼んだ。


「皇帝陛下!何かありましたか?」


「いや、兄上が聞きたい事があるそうだ。」


「ビン…いや大公殿下!何か問題でも?」


「ああ…アレク…その…皇后陛下とエルナの

子を取り上げるのは、お前なのか?」


「兄上!それは、俺も聞きたかったです!」


「まさか。それは、皇宮専門の皇室医院の

産科の者が取り上げます!私にも

知識はありますが、実際に女性の身体に

触れたりは、しません!それに7ヶ月程に

なると、中を見ると聞いてます!」


「ならぬぞ!絶対に駄目だ!」


「私もそんな事はできません!

皇帝陛下に殺されます!次の検診から

腕の良いクリスティナ・マイヤー

夫人が担当になります!」


「マイヤー夫人?」



「あっ、結婚して変わりましたが、

陛下と殿下を取り上げたルチェア夫人の

娘さんです!」


「なる程、腕は良さそうだな?」


「アレク!その…友として聞くが…」


「あっ!夜の事ですか?」


「まあ…触れたりしても駄目なのか?」


「激しくなければ、普通にして

大丈夫です!ただ、産後は、1ヶ月は、

駄目です!」


「なぜだ?」


「暫く出血します!子宮が元に戻ろう

とする回復期間です!出血が止まれば

問題ないです。」


「1ヶ月も出血したら、死んでしまう

のではないか?」


「いえ、子供を産むという事は、

大変な事です!子宮が戻る為に、

其れ位の期間が必要ですし、出血も

少しです!」


「そうか…ところでアレク侍医。

皇后陛下は4ヶ月と少しだが、

最近はお腹も大きくなってきている!

他に気をつける事は?」


「皇帝陛下?そんなに目立つのですか?」


「ああ、もう立派な妊婦だ!」


「明日、マイヤー夫人を連れて来ます!

異国より取り寄せた器械が

あるそうです!それは、赤子の心臓の

音が聞こえるそうです!」


「ああ、頼む!それは、楽しみだ!」


昼寝から目覚め、まだまだ話が尽きない

2人。


「ウンス様?お茶会の招待状は、

来ましたか?」


「ああ、沢山来てるけど、

あんなお茶会に行っても疲れるだけでしょ?

誰それの夫人だ、令嬢だ、婚約者だ!

なんて、覚えるのも面倒だと思わない?」


「そうなんです!私も全く興味がないの

ですが、沢山来るんです。」


「だけど、気を使うお茶会なんて、

楽しくないじゃない?それにお茶会

なら、私達2人で充分じゃない?

私達は妊婦よ?余計な気を使う必要は

ないと思うわ!自慢と羨望と身分が

どうだとか?でしょ?」


「それなんです!ビン様も皇帝陛下も

憧れの的だったと思うのです!

何だか悔しくて…」


「うふふ、エルナ!私達の推しよ!

ヲタクを甘くみて貰っては困るわ!」


「ああ、やはりウンス様とこうやって

話していると落ち着きますわ。」


「あら?私達の推しが帰ってきた

みたいよ?」


「えーっ!もうそんな時間なのですか?」



「ただいま!」

「おかえりなさい!」チュッ


「推しとか聞こえたぞ?」

「私の推しはヨンで、エルナの推しは

お義兄様だって、話していたの。

結婚前は、さぞかしモテたんだろうって!」


「は?モテたのは、兄上だぞ?」


「ヨン!お前は騎士団にばかりいて

知らないだろうが、縁談の申し込みは

私以上だったぞ?室長のジェイが

燃やしていたがな。」


「お茶会の招待状がエルナにも私にも

沢山来てるの。行かなくていいでしょ?」


「ああ、余計な気を遣う事はない!

それより、検診が明日になった。」


ビン大公殿下は、エルナを抱いて、

帰っていった。


「どうして検診が早まったの?」


「ああ、産科の女医が俺と兄上を

取り上げてくれた夫人の娘さんだ。

何やら新しい器械を手に入れたらしい。」


「女医さん?良かった〜。アレクさんが

取り上げるのかと思ってた。それは…

ちょっとね…」


翌日、クリスティナ・マイヤー医師が来た。




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久々のエルナとの会話も弾みます。

エルナは、ビンが職務中は、

ウンスの所に居る事になるでしょう。