冬に戻りました❄
2人は何度も愛し合った。
明け方まで愛し合い、ヨンとウンスは
久々にグッスリと眠った。
日が傾き始めた頃、痺れを切らした
メイド長チェミが扉を叩いた。
「皇帝陛下!お食事を摂って下さい!
皇后陛下は、食べるのも忘れる位、
願っておりました!それと、大公殿下と
ジークフリード公爵様が来ております!」
「ん…ああ…チェミか?今、起きる!」
ウンスはまだ寝ていた。
頬にチュッとすると、
「えっ?今、何時?すっごい寝た!」
「ああ、俺もだ。もう日が傾きかけて
いる。所で、食べてなかったのか?」
「ううん。忘れてただけ。お腹
空いちゃった。」
身体に赤い印を沢山付け、着替えて、
2人で麒麟の間へ(食事をする部屋)行った。
大公殿下と公爵に挨拶した。
「ゆっくり眠れたか?」
「はい!兄上!久々に3日分寝た
感じです。」
「随分と熱い夜だったようだな?」
とウンスの首筋を指差す公爵。
「当たり前だ!叔父上!愛しい妻に
やっと会えたのだ!足りない位だ!」
「さあ!早く、お食べ下さい!」
ご馳走を沢山食べた。
「ワインは?」
「水でいいわ…」
「まあ、そう言わずに凱旋を祝して
乾杯しようでは、ありませんか!」
「あっ!そうよね!」
「カンパーイ!」
グラスを鳴らした。
「ウッ…」
「どうしたウンス?毒か?」
「毒ならわかるわ…。何だかお酒の匂いが
気持ち悪くて…。」
「はっ!皇后陛下!この前お倒れに
なったのも…もしかして…」
「な、何だ?チェミ!」
「ご懐妊かもしれません!」
「えっ?」
「月のモノは?」
「う〜ん…此処に来てからないわ。」
「はい?二ヶ月近く経つのに、
変だと思いませんでしたか?」
「えっ?直ぐに子供ができる訳ないし…」
「姫?脈を!私は、少しは医学の
心得があるんだよ。ヨン?いいか?」
「あっ、ああ」
ビン大公殿下に腕を取られて、
脈を診られた。
「あれ?お義兄様?前にも…」
「夢の中でね。静かに。」
目を瞑って静かに脈を診た。
「チェミ!侍医…アレクを呼んで参れ!
姫が懐妊したと!」
手をパンと叩いたチェミ。
「まあ、直ぐに呼んで参ります!」
エルナが遅れてやって来た。
「どうかしたのですか?」
「エルナ!姫が懐妊しているようだ!」
「えっ!マジ?」
「でしょ?懐妊なんて、直ぐにできる
のは、側室とかだよね?大抵は、皇后は
なかなか妊娠しないものよね?」
「ウンス様!ロマンス小説の
読みすぎです!」
「えーっ!だったら、エルナも、
もしかしたら、妊娠したかも
しれないでしょ?」
「は?兄上?そうなのか?」
顔を抑えたビンだった。
「一度じゃ妊娠しないです!確かに
あの日は3回しましたが、あの日以来
していないです!」
墓穴を掘るエルナ。
「わからないわよ?叔父様?
結婚式は、急いだ方がいいですわ!
なんだかエルナのオーラが、柔らかく
なったみたい。私より、エルナよ!」
「あっ、ああ…ビ、ビン?ひと晩で
3回もか?今まで女には、全く興味を
示さなかったから…たまげた。」
「フッ…俺は5回でも足りない!兄上、
まだまだだな?」
「ちょっと!何の自慢よ!」
バタバタとチェミと侍医らしき
若い男が入ってきた。
「姫、この侍医は私とアカデミーで
一緒だったアレク・デフォルトと言う
友であり優秀な医者だよ。アレクは
少し魔法が使えるんだよ。」
「魔法?魔族の方ですか?」
「皇后陛下!アレクとお呼び下さい。
私の母が絶滅したと言われる魔族の血を
少し受け継いでいました。隣国は、
そう言う者達が数える程しかいません
でしたが、皇帝陛下が属国にした際に
魔力を失ったようです。私は少しだけ
研究したんです。」
「どうやって、調べるの?」
透明な液体をガラスの器に少し入れた。
「皇后陛下!少しチクッとしますが
宜しいですか?」
「アレク!ウンスに痛い思いをさせる
のか?」
「皇帝陛下!申し訳ございません。
この針で少しだけ刺して、血をこの液に
入れると妊娠してるか?わかります。」
「ヨン!大丈夫だ!アレクは腕がいいのを
知ってるだろう?痛くないはずだ!」
ウンスの指に針を刺すと少し血が出た。
それをガラスの板に付けた。
「痛くなかったわ!」
「いいですか?この血を液にいれて、
青っぽくなれば、妊娠しております。
普通なら、少し赤くなるだけです。」
アレク侍医が液に血を混ぜると、
光るような薄い青に変った!
「おめでとうございます!皇帝陛下!
皇后陛下!ご懐妊されています!
しかし…このような輝きは初めてです!
何か特別な力が?」
「ああ、姫は魔法を使えるんだ!
ヨン!姫!おめでとう!」
「お話を伺いましたが、もう少しで
安定期に入るでしょう。今は三月半
くらいだと思います。」
「えっ?じゃあ、結婚して直ぐに
授かったの?」
「そのようです!」
「なんと!めでたい!あっ!エルナも
診てもらいなさい!」
「お父様!私は、その…ビン様と
愛し合ったのは、ひと月程前です!」
「ほお、勉学にしか興味がなかった
ビンが?いえ、ビン大公が?」
「アレク!!」
エルナの血も検査すると、少し青っぽく
なった。
「二重の喜びです!おめでとうございます
大公殿下!しかし、まだ初期のようなので
安静にするように。」
「ほらね?オーラが変わったと
言ったでしょ?」
チェミは、両手でガッツポーズをした!
「ウンス!寝ていなければ!安静だ!」
「今更?朝まで寝かせてくれなかったのに?」
「クク、皇帝陛下!皇后陛下は、
転ばないように、走らないように、
重たい物を持たないように気をつけて
下さい!大公殿下は、早く式を挙げて…
あっ、それも負担になる頃なので…」
「大神官を此処に呼び、
負担がかからぬように結婚式を行う!
ビン!エルナと離宮に住むんだ!」
「えっ?は、はい!叔父上!」
「誠にめでたき事です!お世継ぎが
こんなに早くできるとは。」
チェミは、離宮のメイドを増やし、
皇后陛下には、騎士団もつけた!
「皇后陛下!昨日は、全力で走って
皇帝陛下に飛び付きました。もしも
階段から落ちたり、転んだりしたらと
考えるとゾッとします!いいですか?
皇帝陛下も夜は少し自重して下さい!」
「自重?どの程度だ?アレク?」
「プッ、皇帝陛下…激しくなければ
大丈夫です。もう少ししたら、お腹も
目立ってきます。」
ウンスとエレナは、他人事のように
聞いていた。
「ねえ?エルナ?私達、本当に妊娠
してるの?私、お酒の匂いだけが
駄目だけど、モリモリ食べれるわよ?」
「ウンス様、私もです。子供って、
直ぐに授かるものなのでしょうか?」
「周期が合えば、妊娠するわ!」
「エルナ様は、これから、悪阻が
始まるかもしれません。食べれる物
だけを食べて下さい!皇后陛下は、
これから、お腹が大きくなってきます!
転ばぬように気をつけて下さい!」
「ウンス!でかしたぞ!俺が父親か…」
「こうしちゃおれん!直ぐに婚儀の
準備をしなければ!ビン!エルナを
頼んだぞ!」
「あっ、はい!」
2人の兄弟の過保護が始まった。
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んまっ!2名様ご懐妊〜です
個人的にこのお話は
何気に気に入ってるのですが、
皆様はどうでしょうか?