それから2日後の夜。

馬を飛ばせば夜中には、サンダー大帝国

に着くと言う所で、ヨンは馬をとめた。


「今宵は此処で陣幕を張る!」


「しかし、団長!早く皇后陛下に?」


「いや、まずはお前達に礼を言わねば

ならぬ!ありがとう!」


「団長…いえ、皇帝陛下!我々は、

何もしておりません!陛下が

ソンゲールを無くしたのです!

どうか、頭を上げて下さい!」


「いや、魔獣討伐だけなら、直ぐに

帰れたものを、わざわざ俺とウンスの

事を思って、ソンゲールと戦おうと

した黒の騎士団は、俺の誇りだ!」


「しかし、ソンゲールが、あんな状態

だったとは、思いもしませんでした!

やはり、皇后陛下は、聖女様なの

でしょうか?」


「その事だが…皇后陛下は、幼い時より

色々な魔法を研究し、魔法陣を完成

させた!物凄い努力をしたのだ!

願った事が叶うと言うのは本当だ!

しかし、聖女となれば、皇后に

危険が及ぶ!」


「其れ位、わかっております!

皇后陛下をお守りする為に、

研究の甲斐があり

多少の魔法を使えると国中に伝えます!

聖女となると皇帝陛下も心休まる日が

ないと、我々も心得ております!」


「そうか。さあ、保存食を食い尽くし

そこの湖で、身体を洗うとするか?」


「はい!!」


騎士団は、ご馳走を食べる様に

盛り上がり、少し冷たい湖で

身体を清めた。

騎士団の精鋭達は、団長と苦楽を

共にしてきた。いかなる戦いも

見事に勝ってしまう団長を師として

心底憧れ、深い絆があった。


ヨンは、青白い大きな月を見上げ、

ウンスの顔を思い浮かべた。


「ウンス…明日には会える…

泣いては、いないか?遅くなって

すまない…」 



翌日、サンダー大帝国は大騒ぎだった!

皇帝陛下と騎士団がソンゲールを

壊滅させた!と言う話が伝わっていた!

皇后陛下が来てから良い事ばかりの国は

美しい皇后陛下を天女様と

呼ぶようになっていた。

この国にまつわる伝説で、飢餓に

苦しみ国が衰退した時に天女様が

現れ、見ているだけで、心が豊かに

なり、小競り合いもなくなり

そして、国も豊かになっていった

と言う大昔の

言い伝えを皇后陛下にあてはめたのだった。



「何が天女よ!お父様が上手く

やってくれなかったから、社交界の

事も何も知らない貧乏王女が、

皇后になっただけだわ!何度もお茶会

の招待状を無視するなんて、許せない!

絶対に今度のパーティーでは、

殺してやるわ!皇后が死ねば、

私が皇后の座になるに決まってるわ!

だって、私はこんなに美しいですもの」


かなりの勘違い女…ムンゲイツ・チフロン

侯爵の娘、メヒル・チフロンは、

皇后暗殺を企み始めた。


その時、

「どけろ!黒の騎士団の凱旋だ!」

人だかりに押され、突き飛ばされて、

顔面を強打したのだった。



皇帝陛下と黒の騎士団が皇宮に

入った!


「皇后陛下!皇帝陛下がお戻りです!」


「えっ?マジ?」


ウンスは、急いで走った。


ヨンが居た!


「ヨン!」


「ウンス!」


ポロポロと泣きながら、ヨンに

飛び付いた。


「すまない…早く戻ると約束したのに…」


「いいの!無事ならいいの…」


「皇帝陛下?皇后陛下は、お倒れに

なりました。毎日、皇帝陛下の無事を

祈り、食事もままなら程でした。

約束は守るのが国の主でございます!」


「あの…メイド長?」


「なんですか?ソクチュ副団長!」


「私が悪いのです!ソンゲールを…」


「では、皇后陛下に謝って下さい!

お倒れになるまで、陛下の無事と

ソンゲールの衰退を願ったのです!」


「申し訳ございません!皇后陛下!」


「皇帝陛下もまずは身体を綺麗に

して下さい!皇后陛下のドレスが

汚れてしまいました!髭も剃って

から…お話は、それからです!」


「全く!チェミには、敵わんな!」


「自覚をお持ち下さい!皇帝陛下は

今は独り身ではないのです!

皇后陛下というお美しい奥様が

いらっしゃるのです!

勝手な行いは、誤解を招きます!」


「は?誤解とは?」


「浮気でございます!国法で、禁じ

られていても、陛下ならば、許される

でしょう!」


「まさか!そんな事をするはずが

ないだろ?」


「男はみな、そう言います!」


「待て!チェミ!久しぶりの再開なのに

ウンスを惑わすな!」


「うふふ、チェミさん?皇帝陛下が

浮気心を持ったら、直ぐにオーラで

わかるわ!」


「チェミでございます。オーラの色が

変わるのですか?」


「そう!」


「団長!これは、浮気は絶対に

できませんね?」


「ソクチュ?帝国法は、皇帝にも

当てはまっている!浮気したら、斬首

に相当する!皇室の者達には

より厳しくしたのだ。」


残って国や皇宮を護った者達も

集まった!


「皆、ご苦労であった!討伐に行った

者達は1週間の休暇だ!他の者達も

交代で休め!俺は2週間の休暇だ!」


「はいっ!!」


皇帝は、風呂に入り、髭を剃り、

綺麗にしてから、寝室に行った。


「ウンス?恋しかった…」


「私の方が恋しかったわ…」


2人は引き寄せられるように、抱き合い、

口づけを繰り返し、ベッドで、

お互いの温もりを感じ合った。





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やっと帰って来ました💗


いや〜、時間調整の為の休みが続いて

いたのですが、超久々にゲームのイベに

挑戦!寝る間もなく引きこもりゲーマー

でした。

今日から、普通に仕事。

お話の更新もサボってしまったm(_ _)m

コメ返もしてなくて、申し訳ないです。