それから、毎日忙しかった。


メイド長のチェミは、こうなる事が

わかっていたように、エルナに

社交界の心得を教え、皇后の専属に

した。


ビン大公とエルナは、毎日皇宮の周りを

散歩しながら、仲を深めていった。

そして、婚約者の誓約書にサインして

二人は婚約した。


皇帝と騎士団を担うヨンは、

騎士団を総動員して、護りを固める部隊

と、披露パーティーの間に、

ユソーウル王国を落とす部隊に

分けて、綿密な計画を立てた。


ウンスは攻撃魔法も完成させた。


ジークフリード公爵は、他国の王に

連絡を取り、兵士も連れて来るように

頼んだ。それほど、このマボルは、

力があったのだ。

サンダー大帝国は、大国であり強国だ。

敵に回したら、自国が滅亡すると

思った要人達だ。


夜は、相変わらず、甘い夜を過ごした。


「ウンス?俺も力が漲っているんだが?」


「えっ?ヨンも何か魔法を使えるの?」


「あっ、言ってなかったか?俺には

内攻と言う物がある!」


「内攻?気を集めて、水を操るとか?」


「まあ、そんな感じだが、騎士団で

先陣をきる時は、そこにある

ドラゴンソードマスターから、雷攻を

放つ事ができる!今なら小国の一つは

吹き飛ばせそうだ。」


「雷攻?雷みたいな感じ?凄いわ!

二人居れば最強ね?これで、

お祖父様とお祖母様とお母様、

ヨンのお父様とお母様の仇を取れるわ!」


「前王は毒殺と聞いたが?」


「そうなの。厄介な男、クングル侯爵

って言う人が居て、毒を使って人を

殺めてるって、聞いた事があるの。

今の王の側近みたいな男よ。」


「毒か…叔父上が詳しいはずだ!

あらゆる解毒薬もあるはずだ。」


「心強いわ!でも、無闇矢鱈に

握手とかしちゃ駄目よ!エルナがね、

使用人達の話を聞いた事があって、

指輪にも毒を仕込んでいる恐ろしい人

だって。私の癒しの魔法でも、解毒が

できるわ!」


「フッ…心強いな?」

ワインをひと口含むと、ウンスに飲ませる。


「ウフッ、甘くて美味しい〜」

そして、続きが始まる。



その頃、招待状を握りしめ、

ワナワナと震えるユソーウル王。


「あのウンスにひれ伏すと言うのか?」


「お父様!いっときだけの事ですわ!

私が大公殿下を誘惑して、一夜を

共にしますわ!」


「お姉様!ズルいですわ!確か…

サンダー大帝国の皇帝は恐ろしい顔を

していて、容赦なく人を殺める鬼の

様だと聞きましたが、兄は、物静かで

その美しい風貌は、令嬢達の憧れだとか?

ワタクシもその座を狙います!」


「いいわ!どちらを選んでも恨み事は

無しにしましょう!どうせウンスは、

皇妃や側室、そして皇帝にも

蔑ろにされて、此処に居た時と同じ

暮らしをしているわ!ただ、皇后に

なったと、オドオドと顔を出すだけよ!」


「そうだ!我が国には、まだ美しい

王女が二人も居るのだ!必ずものにせよ!」


ビアンには、秘策があった。


そして、ルミンも同じ手を考えていた。


そして、王はクングル侯爵を呼び、

飲み物に毒を入れて、皇帝ヨンと、

ウンスを探し出し

毒殺する計画を立てた。



夜の散歩をしていたビンとエルナ。


「エルナ?明後日だが、緊張するだろ?」


「はい!ビン様…皇帝と皇后の披露

パーティーの後で、婚約発表だなんて、

国の女性達の恨みを買いそうです…」


「ハハハッ、ヨンもな…かなりの令嬢達

の憧れだったようだ。しかし、姫の

ような美しい女性を見ると諦めるだろ?

エルナも、私には女神に見える!」


「ビン様は、目が悪いのですわ!」


「いや、叔父上の事だ!これ以上ない

と言う程、着飾るだろう。叔父上の屋敷は

どうだった?」


「はい。お父様とお母様は、とても、

気さくで、薬草も豊富で、皆さんも

とても良くしてくれました。」


「結婚したら、この皇宮の裏にある、

離宮に住む事になるが、行ってみるか?」


「はい…」


皇宮内には、湖をあって、

青い月が輝き照らし、とても綺麗だった。

ビンは、ソッと手を握り、歩いた。


離宮は、大きく、調度品は、ビンが

新しくしたのであろうと、わかった。


「私は皇帝の補佐官をするが、エルナは

好きにしていいぞ?姫の侍女を続けたい

と言うなら、それで良い!ただ、何処に

居るか?だけは、知らせてくれ!」


「はい。」


うつむくエルナの頬を包み、

ソッと口づけた。

初めての口づけだった。

ビンは優しく微笑み、エルナは、

頬を赤く染めた。




翌日、サンダー大帝国は、一夫一妻制に

する法律が決まった。


元々、不満等ない国だったが、

敢えて、側室や愛人を持つ者は、

身分も無くし、国から出て行って

貰うという皇帝からの初の新しい法案が

通った。



エルナは、公爵夫人に家に連れて

行かれた。


「いいかい?エルナに似合うドレスと

宝石が出来上がったから、明日まで

楽しみに待っていなさい!」と、

ビン大公に言って、連れて行った。


遠い国から来た王や王子に

兄弟は、挨拶し、

客室へと案内させた。


メイドや執事達は、大忙しだ。


警備は万全だ!



ユソーウル王国では、

王宮と手を組んでいた、商団が、

交易が止まり、お金が入ってこなかった。


兵士達の食事も日毎質素になり、

辞めて行く者が半数以上超えた。


明日の披露パーティーに持って行く

物も簡素な木箱を偽の宝石で飾り

中の宝石も不純物が混ざった物だった。


気付かないと思ったようだ。


王女達のドレスだけは、

新しくあつらえた。


王宮は火の車だった。


そして、披露パーティー当日は、

馬車2台、王と王子、王女達と

数少ない護衛をつけ、

クングル侯爵を乗せて出発したのだった。




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ビンもエルナと少しずつ、

えっ?大接近?

さあ、いよいよ反撃開始です。


いや〜、アメブロのログイン期間が過ぎたから

一度ログアウトして、ログインし直しても、

ん?変?自分のブログがない?やっと入れ  

ましたが、色々不具合です。

コメ返、もう少しお待ち下さいm(_ _)m