メイド達がゾロゾロ入って来た。


メイド長のチェミがウンスを椅子に

座らせる。

「皇后陛下?大丈夫ですよ。」と言った。


手際よく、部屋を片付けた。


「ウンス様?初夜って、どうでしたか?

朝までなんて、キャーッ!」


「エルナ?あのね、何だか力が

漲ってきたの。今なら、あの魔法も

完成できるわ!」


扉の外に居る護衛に聞いた。

「私の研究室って、どこですか?」


「皇后陛下!敬語はお辞めください。

皇立騎士団のベトルとチモルです!

皇后陛下の研究室は、団長、いえ、

皇帝陛下の執務室がある塔の地下です!

今からご案内します!」


ウンスの部屋から、大きなバッグを

引き摺って持ってきたエルナ。


「お持ちします!いったい、何が

入ってるのですか?」


「ああ、本とか資料とか色々。」


執務室では、大公になった兄が

来ていた。


「初夜の儀は、上手くいったようだな?」


「兄上!男と女では、あんなに体の

柔らかさが違うのですね。兄上も

早く良い方を見つけて、知るべきです!」


「ハハハッ、お前の口から、まさか、

女体について二人で語る日が来るとは…

それで?復讐については?」


「話しました。泣きながら怒って

ました。」


「どうだろう?1週間後に二人の

結婚披露パーティーを開くと言うのは?」


「俺も考えていました。ウンスの力が

本当であれば、ユソーウル国に災いが

降りかかり、窮地に追い込まれている

かと思います!ユソーウル国を落とし

我が国の物にする機会かと。」


「ところで、あの娘の名は?」


「はい?」


「皇帝が溺愛する皇后のメイドだったか?

何やら、こちらに向かってるぞ?」


「えっ?」

窓の外を見ると、護衛が大荷物を持ち、

ウンスとメイドのエルナが塔の側まで

来ていた。


「エルナですか?まさか…兄上の見た夢

の?あっ、恐らく、塔の地下へ」


「あの娘に身分を作らねばと、思ってる。」


「早く結婚して、皇帝になって下さい!

俺は、こういう面倒な事が嫌いだと

知っているでしょう?エルナが、

兄上の待ち人ならば、確かめるべきです!」


「いや、皇帝と皇后に相応しいのは、

お前達だ!ただ、あの娘の動向を

もう少し見てみたい。何度も夢を見たが

あの娘はひと言も話さず、ただ、

私の側にいたんだ。」


「全く!もうすぐ30だと言うのに、

のんびりしてたら、また、どこぞの

侯爵やら、貴族の令嬢が、群がりますよ?」


「それだ!恐らくユソーウル王国には

まだ二人の王女がいる!皇后の目の前で

潰す!お前も気をつけろ!髪の毛一本

でも、触れさせるな!」


「俺には皇后だけです!その日は、

黒い騎士になりますよ!では、皇后の

様子を見て来ます。」


ヨンが地下室へと行った。


「陛下!あっ、ごめんなさい。

ちゃんと知らせるべきでしたわ。」


眼鏡をかけて、髪の毛をボサボサに

していた。


「ウンス?身体は?」


「ええ、何だか力が漲って、今なら、

攻撃魔法も完成できそうなの。

あっ、ごめんなさい。こんな恰好、

引くわよね?」


「先程まで、立てなかっただろう?

あまり根を詰めるなよ?それと、

どんなウンスも俺は愛おしい!」


「立てなかった?だ、団長!いえ、

皇帝!そんなに激しく…」


「うるさい!お前達!素振り千回だ!」


「は、はい!」


「こ、皇帝陛下!この薬湯は、お疲れを

癒す薬湯でございます。」


ゴクゴクと飲み干すと、


「すまないが、執務室に大公殿下がいる!

大公、兄上にも持っていってくれないか?」


「はい。かしこまりました」


エルナは、薬湯を作り、執務室に向かった。


「これは、魔法陣か?」


「うん。これをね、頭に刻み込むと

その魔法が使えるの。防御魔法と

癒しの魔法は、既に完成しているの。

今、攻撃魔法の魔法陣の形の

最終段階よ。私の魔法陣は、複雑な

数式でできてるの。」


「攻撃魔法とは?どの程度なのだ?」


「そんな、大した事ないわよ。自分の

身を守れる程度よ。」


「俺のウンスは凄いな?」


抱き寄せて、キスをした。


その頃、ユソーウル王国では、

災いが降り掛かっていた。


元々王家の血筋をひいていたのは、

王妃だったが、中々跡継ぎに恵まれず

王は側室を迎え、産まれたのが、

王子と王女達だ。

王妃は、野心ばかりの王が嫌いだった。

昔から好きだった公爵との間にできた

のがウンスだった。

先王も先王妃も知っていた。

勿論、夜を共にしていない王も、

誰の子だ!と怒り、心労がたたり、

王妃は、亡くなった。

公爵も後を追うように病で亡くなった。

唯一、王家の血筋を引くウンスを

大切に育てよ!と先王に言われ、

仕方なく、自分の子として認めた。

先王と先王妃を毒殺してから、

ウンス王女を離れの塔に追いやったのだ。


先王の弟がウンス王女を除名したと

聞き、王に詰め寄ったのだ。


「王よ!この王室に、王家の血を引く

者を除名したとは、どういう事だ?

もはや、乗っ取ると、受け取って

良いのか?」


「そ、そんなつもりは…」


「天罰が下ったようだ!雨も降らず

国民は飢えておる!しかも、交易船が

沈んだそうだ。」


「え?交易船が?」


「そんな事もしらないのか?

海流が変わり、他国の船も入って

来れないようだ。今、貴族院と爵位を

持つ者達が王の廃位を望んでいる!」


「無礼な口は塞ぐが良い!私は

国王だ!」


「ウンス王女を追い出してから、災いが

たえないとか?王子は、今度は、

女遊びに走ったと聞いた。第一王女は、

贅を極め、王室の財も危うくなり、

第二王女は、覚醒しておらず、

願いが叶わぬ王女だと言われておる!

そのせいで、町のバーで毎日、

酒を浴びているとか?

さらなる災いが降りかかるであろう。」


「ふんっ!そんな戯言は、信じぬ!

血筋等、最早関係ない!出ていけ!」


戯言ではなかったのだった。





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やはりウンスは凄いですね。

お気づきの方も居るかと思いますが、

ウダルチ、チェ尚宮さん登場しています。


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