このお話は異世界のお話です。
今迄とは、全く違う流れなので、
興味がない方はスルーして下さい。
短編だと思います。




ユソーウル国は、農業が盛んで

平和な国だった。

しかし、大陸一の強国サンダー国に

狙われ、国の安寧を保つ為に第三王女に

サンダー国の第二王子からの、

結婚の申込みを断る事ができなかった。


ユソーウル国の王族は、代々有能な

力を覚醒させていた。

長男の王子チョルスは、勤勉で

その賢い頭で国の為にと王の片腕となり、

第一王女のビアンは、華やかで美しく、

誰をも魅了する社交界の薔薇と

呼ばれていた。

第二王女のルミンは、産まれてから、

数年経った頃、雨が振らず、国も

危うくなった時に、雨をもたらした。

それから王国は一層豊かになった。

それは、第二王女が漏らしたひと言

で王女が王家を救ったと言う事だ。

ただ、ポツリと

雨が降ればいいのに…と言っただけだ。

王家に幸せをもたらす力を覚醒させたと

ユソーウル王は確信していた。


しかし…第三王女のウンスは、

何も覚醒させていなかった。


王家の恥とも言われ、一人離れの塔で

暮らし、使用人はエルナ一人で、

良き話し相手でも、あった。


実はウンスは、既に覚醒させていたのだ。

離れの塔にいるおかげで、幼い頃から

本を読み、医学の知識が染み付いていた。

しかし、それだけではなかった。

時空間移動もできる魔法も習得していた。

そして、願った事が叶うという物凄い力が

ある事を本人も気付いていなかった。

そうだ!雨を降らせたのは、ウンス

だったのだ。

王宮での晩餐会や舞踏会にも、

覚醒していない王女は、除外された。


しかし、ウンスには、無駄な時間を

使わず、研究に没頭できる事の方が

喜ばしい事だった。

三月に一度の王との謁見。


「まだ、覚醒しないのか?」


ボサボサの赤毛と分厚い眼鏡をかけた

第三王女に半ば呆れながら、聞く。


「申し訳ございません。お父様。」


それが毎回の事だが、兄妹達も、

同じ血が流れている事を疎ましく

思っていた。


覚醒もしていない、こんな妹に

何故、婚姻の話が来るのか?

不思議だったが、厄介者が、噂で聞く

あの恐ろしい黒の騎士団の団長で

第二王子に嫁ぐと言う事は、

ユソーウル王家にとっては、

厄介払いの口実ともなった。


「ウンス王女!お前は、サンダー王国の

第二王子に嫁ぐ事になった!

名ばかりの婚約者アン侯爵家の

ジェウク殿との婚約は解消して、

ビアンとの婚約が正式に決まり、

来月には、婚約式を行う!

お前は、この城を出た瞬間、

除名する!」


「ウフフ。ジェウクは、私に釘づけよ。

あんたみたいな女が婚約者だったなんて

一生の恥だといってたわ。」


「そうですか。良かったですわ。」


ウンスは時空間移動で、とある国に

行き、アニメと言う物に出会い、

ヲタクと化した。

ウンスの推しは、ゼロと言う

アニメ主人公だった。皆んなから

信頼される主人公が実は悪だったと

言う話だ。良い人の時は、ルリーシュ

と名乗っていた。

なので、今更、幼い頃に一度会っただけの

アン・ジェウク等、どうでもよかった。


「サンダー王国の第二王子、

ヨン・サンダーとの結婚式は、

お前が着き次第行うそうだ!」



サンダー王国の第二王子?

昔会った事あるような…


「わかりました!」

こうして、ウンス王女は、何も知らず

嫁ぐ事になった。





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今日は久々の休みで、お話も中休み。

ちょっと変わったお話です。