まずは…

これをあげるわ!



これは、注射器と抗生剤ですか?


そうよ。

無五毒は、解毒できたでしょ?


はい。


あの男は、飛虫の毒を持ってるわ!

油断した隙に刺されたの。

飛虫の毒は、解毒薬がないの。

だから、もしもの時には、

これを打つのよ。

注射器は、何本もあるから、

渡しておくわ。抗生剤も、沢山あるの。

この前、皆んなで集まった時に

貰ったのよ。

私はね、綠蛛毒を千倍に薄めて

解毒したのよ。


はい?綠蛛毒は、少量で死に

至ります!


そうよ。似たような毒を飲んで

解毒に成功したけど、高熱が出て

大変だったわ。


ああ、大変だった。


何よ!目覚めた時に居なかったから

超寂しかったのよ?


い、いや、呼ばれしまったから、

あのアスピリンなる物を二錠

噛み砕き、口移しで飲ませてから

行ったんだ。


そうだったの?



それから、チュソクの事、トルベの事、

チャン侍医の事を話し、

キチョルの最期の事も話した。


負けたのですか?


ああ、勝てると思ったのに、

最期の氷攻は凄まじく、身体が

凍りついてしもうてな。

今なら、楽に勝てるがな。

此処に来て気付いた事は?


あっ、はい、活気に満ちて

国境付近も悪い奴等はいません

でした。



国境は、吹き飛ばした。

元も明もだ!


倭寇は、チュオンがいるから、

何とかなる。


チュオンですか?彼奴、生きて

たんですか?


ん?水軍の隊長ではないのか?


水軍は…忘れられた軍です。


恐らく水軍に居るだろうけど、

枝が違うから、漁師でもやってるかもしれぬ。


チュオンさんって?


禁軍のアン・ジェとチュオンは、

幼馴染みだったんだ。

赤月隊に入ると決めた時に、

怒りおって、その後の事は、

わからないんだ。


国境と鴨緑江、双城総管府は

俺が吹き飛ばしてやるが、

厄介なのは、徳興君だな。

あいつは、己が大事だといいながら、

玉座を狙っておる。

今、王は玄高村か?


はい…。


こちらの王は、良い話を聞きません

でしたが?


それぞれの枝の世界で、王は聖君

だったり、落ちる所まで落ちておる。


そちらの王は?


まだわかりませぬが、イムジャを

賭けに使いました。

イムジャを助ける為に玉璽を  
  
盗みに行った時は…
  
たかが女人一人の為に?と

信じられるぬ事を言いました。

たかが女人一人を助けたと思って
  
いた俺のイムジャに。

イムジャは、王妃だとわからぬまま

目の前の命を助けただけです。


でも…テジャンはもっと辛い思いを

したでしょ?慶昌君を…


ああ、あれは、私も勘違いしたわ。

でもね、中には助けた二人もいるのよ?

その話は、後でするわ。



ああ、恐らくキチョルは私兵を

使って、探しておるであろう。

禁軍は、まだどっち付かずだ。

まずは、ヨン殿ももっと力をつけろ!


それからも綿密に策を練ったのだった。






ーーーーーーーーー

先の事を知っているから

策も練る事ができます。