とおしゃま!かあしゃま!こっち!


レンちゃん!

頼む!ウンスを…ウンスを…


レンウンスが聴診器をあてた。


まずいわ。心音が弱まってるし、

子供達の心音も遅くなってるわ!

何があったかは、後で聞くわ!

一刻を争うわ!


レン?できる?


あい!レンがたしゅけます。



こ、これは…いったいどういう事だ?


同じ顔をしているが少し年をとった

ヨンとウンスと可愛い男の子…


チェ尚宮さん!説明は後でします!


涙でグシャグシャのヨンに向かって

ウンスが言った。


ちょっとヨンさん!何があったの?

まさか、またあの女が来たの?


メヒが来たのか?


メヒって、言わないで!!


あっ、すまん!つい…


つい?こっちは、それで何度も

心を痛めたのよ!


ごめんってば!俺が悪い!悪かった!


名前だけでも、こうなるのか?と

ヨンは愕然とした。



それで?泣いても解決しないわよ?

何があったの?


こうなる迄の経緯を話した。


バカなの?

此処の枝は、大変だ!って、

話していたのよ?

あの人が生きてる世界よ?

私達の世界は、ムン・チフさんが

彼女を庇って亡くなって、

それを自分の責任だと、許嫁の

ヨンさんの事も考えずに後追い自殺して、

ヨンが七年も心を凍らせたのよ?

その話を思い出すだけで、

何度も胸が痛くなったわ!

だって、死んだ人には、勝てないと

思ったもの。

だけど、此処は、生きてるんでしょ?

何で、もっと気遣ってあげないの?

もしかして、生きていて、また来たら

どうしよう!って、ウンスさんは、

何度も思ったはずよ!

妾にしてくれ!とまで言われたら、

私なら、キレて、レンと子供達を

連れて、天門を潜るわよ!

何処に行くか?わからないけど、

そっちの方がマシだわ!


おいおい、また俺を六年も待てせる

つもりか?


其れ位の覚悟って事よ!


かあしゃま!怒らないで!

とおしゃまにあえなかったときは、

いちゅも、めしょめしょしてたのに、

はぁーっ、レンたいへん。

かあしゃまはおかかてんかでしゅ。


あっ、ごめんね。レン。

おかかてんか?


かかあ天下の事だろ?


しょです。とおしゃまがかてないのが

わかりましゅ。


そんな言葉を教えたのヨン?

後でゆっくり聞こうじゃない!

今は、こっちのウンスさんよ!

切迫早産になったら、天界へ

連れて行くわ!

あなた達は、二人で門を開くから、

事情を知ってる九人目を産んだ

ウンスさんの所の知り合いの

クリニックに連れて行くわ。

今は、七ヶ月くらい?

ギリね…




しょです。こっちにもどらないと、

いっぱいとおしゃまもしんじゃいます。


淡い光りに包まれて眠っている

ウンスのお腹に手をあてて話すレン。


いっぱいかあしゃまも、ちゅらいときは

ちゅらいといわないとだめでしゅ。

じーたん、ばーたんにおこられます。

かくれんぼは、もうおわりでしゅ。

もーいいかい?


レン?


もーいいよ!って、いいました。

おむねがね、とってもいたいいたい

で、かあしゃまは、いじっぱり

だから…。でもね、もう、だいじょぶ

です。


流石、我が息子だ!母さまの事を

良くわかっておるな?


ちょっと待ってて!


ウンスは聴診器で音を聞いた。


うん!もう大丈夫よ!

子供達も元気に動いてるわ!


ありがとうございます…。

何度も救ってくれて…。


テジャン?これは…?どういう?


あっ!チャン先生だわ!生きてる!


はい?


ウンスや。死んだ人には勝てないと

言ったな?俺はウンスには、一生

勝てない!


うん。知ってる!でもね、此処の

ウンスさんは、出会いも違うし、

一緒になったのも、成り行き?とか

思ってしまったのかもしれないわ。

妊婦は、気鬱が激しいのよ?


あのぉ…



あっ、驚きましたよね?

私達は、別の世界のヨンとウンス

なんです。


それから、どうして違う枝が

できたかを話した。


か、鏡の裏の別世界と言う事ですか?


流石、チャン先生ね。

そんな感じかな?

兎に角たくさんあって、その世界は

それぞれ違うんです。

チャン先生は、笛男と火女に

殺されてしまうパターンが多いの。


ぱ、たーん?


あっ、そういう型の世界?


だからですか?テジャン達が

先手を打ったのは?


ああ、まあ…チュソクとトルベも

キチョルに殺されたそうだ。


う…うん…


ウンス!ウンス!


ヨンさん…ごめんなさい。


他人行儀に、言うな!


ヨンって、呼んでもいいの?


いいに決まってる!

ウンスは、死ぬ所だったんだぞ?


しょです。だめだめでしゅ。


レンちゃんが助けてくれたの?


あい!


ウンス?一生、俺と生きるのは、

嫌か?


嫌なのは、ヨンでしょ?

仕方なく、責任を取ったんでしょ?


違う!


全く!私よりも、頑固ね?


あっ、レンちゃんウンスさん?


そうよ。私達も名前を聞くだけで、

憂鬱になるの。

まして、この世界は、生きてる

って言うから、不安で仕方ないんでしょ?

だから、プロポーズされてないから、

比べちゃったの?


はい…。


チェ・ヨンという男は、言葉が

足りない男なの。

良く言えば、口下手!悪く言えば、

自己中!自分だけわかっていれば、

それでいい!って言う男なの。

それを変えられるのは、ウンスだけなの。

あなた達は、まだ出会ってから、

日も浅いのに子供もできちゃったから

不安で仕方なかったんでしょ?

私達みたく、二年と六年、離れたい?


いえ…。


だったら、負けのフラグを立てたら

駄目じゃない!


ごめんね。ごめんねヨン…。

身から出た錆だったわ。

子供達を駄目にする所だった…。


いや、悪いのは俺だ!

言葉が足りないと自覚はしてたが

その…慣れていないから、

次の言葉が出てこなくて…。

一緒になるのが当たり前で、

婚姻の申し込みも、泣くときは、

俺の胸で泣いてくれ…愛してるで

通じたかと思ってたんだ…。

あの女が来た時、斬るべきだった…


ウンスや…すまなかったね。

此奴の育て方を間違えてしもうた。

赤月隊に等、行かせてしまった私を

恨んでおくれ。


叔母様…ごめんなさい。

気付いたら、叔母様の所に来て

しまいました。


私は、嬉しいよ。ウンスが頼って

来てくれたんだから。

どうだい?ヨンと少し離れて、

都の屋敷で過ごすかい?


それは、駄目だ!叔母上!

俺はウンスにもっともっと

愛を伝えないといけない!


お前には、聞いておらん!

ウンスに聞いておるんだ!


叔母様…うちの家族も待っていると

思います。家に帰ります。


そうかい。それでも、辛くなったら、

いつでも、来るんだよ。


はい。


もお〜、ビックリしたわよ?

レンがね、死んじゃう!死んじゃう!

って、大変だったのよ?


すいませんでした。


レンちゃん?ありがとう。


あい。さんにんは、たいへんでしたけど

レンも、しゅこしだけちからが
 
ついたみたいでしゅ。


いい!ヨンさん!今度泣かしたら、

アン・ジェウクに渡すわよ!

アイツは、今はウンスに夢中だから、

喜んで大切にするはずだわ!


ウンス!!


アン・ジェウク、言うな!


あっ、ごめん。

チェ・ヨンもモテモテだけど、

今は、ユ・ウンスも凄いって事よ!


すいません…そのアン・ジェウクって

どんな男なんですか?


気になる?


俺も気になって仕方なかったが

聞けなかった!


そうね…私をテマンくんみたいに

使い走りにして、金持ちの女が

できたら、あっさり捨てた男!

でも、皆んなの話を聞くと、

その金持ちの女に捨てられて、

有名でお金もちで少し綺麗になった

ユ・ウンスに付き纏ったみたいよ?

まだ諦めていないみたい。


はっ?貴族のバカ息子みたいな?


そんな感じかな。でも一応医者だし、

分別はあったわ。



あの〜、一つ詫びなければなりません。


チャン侍医?


一刻を争うので、薬湯を口移しで

飲ませました。他意はありません。



なんだと!ウンスさんの唇に触れたのか?


だから、他意はないと…。


いや、チャン侍医は、信用できぬ!

昔もそうだった!

何かとウンスを気遣っておった!


なんですか!私は、そのような、

邪な気持ちは…。


あとで、俺が清めます!


見てたの?


丁度、入って来たら、

一刻を争うと…

鬼剣を抜いてしまった。

他の男と口づけ等…

しかし、ウンスもこんな思いを

していたのか?と思い知らされた。


あのねヨンさん?口づけじゃないわ!

一刻を争う応急処置よ!


私もね、高麗に連れて来られた時、

ヨンが治療を拒んで、敗血症という

命取りになった時に、まだ良く

知らないヨンに口移しで空気を

送り込んで、生き返らせたわ。

早く彼女の所に逝きたかったみたい

だけど、助けても、お礼の一つも

なかったのよ?

今でも、思い出したらムカつくわ!


いや、あれ?そうだったか?


そうよ!

お互いの事をもっと気楽に

話し合える日が必ず来るわ。


外が賑やかになった。


では、我々は帰ります。


ありがとうございました。

レンちゃん!ありがとう!


どういたまして。紅葉のような手を

振った。


三人が消えると同時に、

王と王妃がやって来た。





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此処はレンの出番でした💗

皆様の予想通りですが、

レンにしか救えません。

ヨンも、叱られるましたね。

そうです!此処は、赤月隊が

生きている枝なのです。