土曜日のパーティーの前の日に


チュンソク夫婦とチュソク、

トクマン、テマンがやって来た。



テジャン?チョモだったら、

何かきっかけがあれば、思い出す

かもしれません。

私は、中学の頃、剣道を始めて、

竹刀を叩き落とされた時に、記憶が

戻りました。



私は…医者になって直ぐに、

末期ガンの患者さんに、西洋医学

ではない何かがないかと、漢方医学

の本を何気なく見て、薬草を

見ている時に思い出したの。


俺は…水車小屋でした。

リゾート開発で水車小屋を作って

足湯のような物を造ればという意見

が出たのです。それで思い出しました。


俺は、饅頭です!医仙様がくれた

饅頭を思い出しました。

とても嬉しかったので。


そっか…チョモ君の思い出す

きっかけって何だろ?


皆んなで色々な意見が出たが、

やはり会ってみるのが一番かという

結論に至った。



翌日の夜、チュンソク夫婦、

チュソク、護衛にトクマンを

付けてパーティー会場に入った。


いかにも富裕層だと言う

パーティーだ。

人脈作りには、かかせないのであろう。

子息や令嬢を伴っていた。


チェグループの副社長が

初めて顔を出した事に驚いた。


美しく、物怖じしない夫人にも

釘付けになった。


ゾロゾロと副社長夫妻を

囲むように入ってきた者達にも

驚いた。

其処だけが、光輝いていたが、

近寄りがたいオーラを感じた。



コン建設が傘下に入ったとは、

本当だったのか?


あちらは、副社長の右腕とも

言われる人だ!

護衛も付けてきたのか?


知らないのか?

Dr.ジェニーと言ったら…

個人資産では、この国一と聞いている。



挨拶をしようと思うが、

近寄れない。


チュソクの前を囲んだ。



コン社長!この度は、チェグループの

一員になったと聞きました。



そうですね。副社長と奥様とは、

旧知の仲なんです。


チュソクが目で合図した。


居た!チョモだ!


何かに怯えている様なチョモが居た!


ウンスとトギがご馳走を食べに

行こうとした。


テジャン!プジャン!

行かないの?

と、トギが言った。



テジャン?プジャン?

チョモは、何かを考えてる様だった。



その時、ホテルの支配人が、

出て来て言った。


本日は、有名なフルート奏者

カリン様が皆様の為に演奏致します。


演奏が始まると、チョモが

耳を押さえた。



痛い!耳が痛い!

チャン侍医が…

チョモは、意識を失った。


ウンスとトギがかけつけた。


耳から血を流していた。


医務室はありますか?


は、はい!こちらへ!


トクマンが肩に担いで、

医務室へと皆んなでゾロゾロと行った。


トギは脈を診た。


ウンスは治療をした。


大丈夫よ!


チョヌムジャとファスインか?


チャン侍医と聞こえました。


あっ!あの時?


トギ?


大丈夫!プジャンには話してるから!


チャン侍医が襲われた時ですか?

俺とチョモが二人に見せませんでした。



そうだと思うわ!チョモ君が、

トギと私を入れてくれなかった…。


いったい、何の話でしょうか?

息子は?


大丈夫です!

貴方がペク社長?

息子さんは、愛人の子なの?


えっ?何故…ち、違います!


PEN機器等、潰すのは簡単だ!




一夜の過ちだったのです…

接待で…行ったクラブで…一杯だけで…

気が付いたら、今の妻が隣りで

寝ていました…。

私は全く覚えていませんでした。

暫く経つとあの時の子だと…。

妻は、離婚届を置いて

出て行きました。

あの女が追い出したも同然です。

お腹の大きな女が二人も居ると

私も家に帰りにくくて…

過ちの事が頭をよぎり、結局、

あの女を籍に入れました。


あの女は、長男を産むと、

会社の事にまで口を出してきましたが

私は妻を探しました。

見つけた時には、私に似ている

子供が居ました。

妻は、心労がたたり、チョモが

3才の時に亡くなりました。

私は、あの女を説得して、チョモを

家に入れました…。

DNA鑑定までして…。



で?長男のDNA鑑定は、したの?


い、いえ、していません。

チョモの面倒をみると

言うので、気性の荒い女ですが、

任せました。

ただ…どうしても愛情が湧かず、

あの一夜以来、関係は持っていません。



薬を盛られた可能性があるわね?

長男のDNA鑑定をするべきだわ!

で、愛犬を殺したって話は?


長男が…見ていたと…。


それで、病院に入れたの?


いえ…地下室に監禁していました。


は?監禁だと?長男はどうした?


車の事故を起こし、足の骨を

折りました…


相手はいるのか?


わかりませんが、大丈夫だと

言ってました…。



取り敢えず、DNA鑑定をして!

あなたの子供じゃないかもしれないわ!

できる?


は、はい…やってみます。


やってみますじゃなくて、

やるのよ!


ああ、しなければ、チョモは、

引き取る!


は?何故ですか?


知ってるからだ!

会社を潰して、チョモは、

うちの会社で働いて貰う!


す、直ぐにやります!

父親は、走って行った。



チョモが目を覚ました。


医仙様…トギ…。


思い出したか?


テホグン!


テジャンでいい!


プジャン?トクマンさん?

チュ、チュソクさん?


そうだ!皆んな昔の記憶を持っている!


チョモ?怖いか?


いえ、テジャン達が居るなら、

怖くないです。


何があった?

飼い犬を殺したのか?


いえ…兄さんが…俺の大事なテンを…

何か食べさせた後に…

他にも…兄さんが野良猫を殺すのを

みました。

これは…お前がやった事だと…。

学校でも愛人の子として、

兄さんと仲間たちに苛めにあいました。

愛人の子は兄さんなのに…


酷い…



事故は?

継母との話をこっそり聞いたのですが

財閥の息子連中と酒を飲んで、

女性をはねて、壁にぶつかった

ようです。



その女性は?


意識不明だと聞きました。

金で片を付けると言ってました…。


地下室に閉じ込められたと?


はい…自分のせいだ!と言われ続け、

そうなのか?と思いました。

食事も…一日一食で粗末な物でした。

だから…何故、父がこういう場に

連れてくるのか?わからなくて…。


まるで昔の私だわ!

復讐しようとは、思わなかったの?


兄は、いつも、話したら殺すぞ!

と脅してきました。





チョモ!


は、はい!


お前はウダルチだった!


はい!


チョモの顔つきが変わった。




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そうです!チョモはウダルチだったんだよ〜