その夜はミヨンはウンスの

部屋で寝た。


翌日、ソン・ジユンとその女人の

所へ向かった。


遠いの?


いや、隣町だ!


いつもは、三ヶ月毎に薬剤を

買い付けに来ていたが、

今回は、ひと月前に子供の顔を

見てきたばかりだ。


見てきたばかり?

ばっかじゃない?

自分の子なら毎日でも見てて

飽きないわよ?


その女人の家は、ソン・ジユンが

買い与えたのか?

良い家に住んでいた。


ちょっと待って!少し陰から

様子をみましょう。


何故だ?


今にわかるわ。


男が我が物顔で、家に入っていく。


ヘインだ!


知り合い?


俺とジーニャとヘインは

三人でよく遊んでいた。


そろそろ行くわよ!

二人で家に入ると、ヘインは

娘を抱いていた。よく見ると似ている。


どういう事だ!


あっ!ジユン!何でもないのよ?

ヘインが遊びに来ただけよ。


あら?そうかしら?

娘さんとそのヘインさん?

よく似てるじゃない!

あなたも大した女ね?

お金目当てで近付いたの?

だいたいお腹に子がいるのに

ソン・ジユンさんの子が

できるわけないでしょ?


こ、この人が勝手に勘違いしたのよ!


だったら否定すれば良いだけの

話じゃないの?そちらのヘインさん?

の子供だって。


そ、それは、ヘインが黙ってれば、

ジユンの事だから、援助して

貰えると…。


腐った男ね!他の男に抱かせて、

勘違いさせるなんて。


此奴の家は金持ちだ!

どうせ親のいいなりだ!

ジーニャの事は俺も好きだった。

だから、先に俺のものにしただけだ!


この家だってソン・ジユンさんが

買い与えたのでしょ?

この人は本当に自分の娘だと

思っていたのよ?


ソニャは、俺の娘だ!


そうかしら?

身ごもっているのに他の男に抱かせる

なんて、彼女をいいように

利用しただけじゃない!

子供が大人になった時、

そんな最低な父親の話を聞いたら、

どう思うかしら? 


そ、それは…


だったら、この家から出て行く事ね!

あなた達の親だって、知っている

のでしょう?

親の所へかえりなさい!!

そうしなければ、キム・ジュンに

斬られるわよ?


慌てて荷造りして、三人で出て行った。


これで、わかった?


あ、ああ。俺は…ほんとに…


馬鹿だわ!救いようのない馬鹿だわ!


あんな女とミヨンさんを

比べるの?医学の勉強も足りないわ!

帰りましょう!私に剣術を教えて!


わかりました。


あら?随分と低姿勢ね。


恩人です。

別邸に帰ると、ミヨンが

ソワソワと待っていた。


部屋で話した。


やっぱり、あの女は、同じ幼馴染みの

子を身ごもっているのに、

ソン・ジユンさんを誘惑したみたいよ。

全部白状したわ。子供もそのヘイン

だかの子供だって。

全く、威張り腐るくせに、

本当にだらし無い男だわ!


す、すいません。


謝るのは私じゃなくて、

ミヨンさんによ!


キファさん!ありがとうございます。

私は、やはり旦那様が居ないと

駄目みたいです。


ミヨン!すまない!


じゃあ、後はちゃんと仲直りしてね。

その後、鍛錬して!


は、はい。

ミヨン…キファ殿には、返せぬ恩が

できた。何と言っていいのだろう。

あれ程凛として、奥する事なく

ズケズケと物言いをできる女人は

見た事がない。恩人だ。


旦那様!恩を返す事ができますわ!

いつも書いている日誌です。

それに、殺せ!と書いてあったと

キファさんは、言ってました。

私達の恩人にそんな事を書けますか?


前のおごり高ぶった俺なら、

あの医術をやっかみ、書いたやも

知れぬ。しかし、今は違う。

本当の天の助け人だ!

それを記そう!

そして、許しを請う。

ミヨンとの子が欲しいと。


旦那様。お待ちしている間、

キファさんの言った事がわかりました。

愛してます…


ミヨン!

二人は抱き合った。



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ソン・ジユン…世間知らずだったのね。