二人が出て行った後、ウンスは

怖くてできなかった天門が

開く日の計算をした。


二ヶ月後?あと二ヶ月で開くの?

あの人は?生きている?

また、泣きながら布団に入った。


ソン・ジユンと妻のミヨンは

寝室で話をしていた。


旦那様が私を抱いて下さるのは

婚姻してから、数える程しか

ありません。その昔の方を

今でも忘れられないからですか?


ミヨン…落ち着いて聞いてくれ!

その女人ジーニャは、幼き頃から

一緒に遊び、学び、いつも側に居た。

身分もそれなりだった。

いつしか俺は一緒になるものだと

思っておった。

しかし、父上には逆らえなかった。

ジーニャもわかっておったようだ。

俺は拾われた子だ。

縁談が決まったと言った時に、

私は大丈夫よ!と背を向けた。

お前と婚姻して、たまたま見かけた時…

お腹が大きくなっていた。

駆け寄り、聞いた。


俺の子か?と。


貴方は気にしなくていいから、

奥様を大事にしてあげてと言った。

気にならない訳にはいかなく、

度々会いに行った。

そして、オナゴを産んだのだ。

放っておけなかった。


ひどい…

ミヨンは部屋を飛び出し、

ウンスの所へ行った。

泣きながら布団を被っていたら、


キ、キファさん…

奥様?どうしたのですか?


キファさんも泣いていたのですね。


ミヨンは泣きながら事情を

話した。


はっ、そういう事なのね。

あのよそよそしさは。


正直に言うわ。

あなた達二人を見ていても、

夫婦らしく見えなかったの。

どっちも選べないのよ?

過去の事でも子供ができたと言う

責任と、奥様を大切にしなければ

という義務よ?

責任と義務は愛とは違うわ!


もし…キファさんの想い人が、

戻った時に婚姻して子供も

居たら、どうしますか?


そうね…知らない所で暮らして、

また天門が開く日を計算して、

天界に帰るわ。

本当に愛していたら、誰かと

あの人を分け合う事なんて

できないもの。


私は、旦那様が憎くて仕方ありません。


それは、奥様も本当に旦那様を思っていないわ。

執着よ?奥様は、お父さんに

言い付ける気なの?


そんな事、言えません!


ほんとっ!これだから、昔の男って

厄介なのよね。

私が居た時代は一夫一妻制なの。

夫が浮気してよそに子供が居るなんて

わかったら、多額の慰謝料を二人に

請求して、サッサと離縁するわ。


それでは父の体面が…。


体面?久々に聞く言葉だわ。

じゃあ、抱いても貰えず、

夫婦のふりを一生する?

その妾の子を引き取って苛める?

奥様は、今までに好きになった

男の人は居なかったの?


いましたが、どうせ父が決める

お相手の所へ行くのだと思うと、

ただの憧れだと言い聞かせました。

旦那様とは、婚姻前に一度会った

だけでした。


その男は誰だ?


もお〜っ!此処はお悩み相談室なの?

髪の毛をぐしゃぐしゃとかきむしる。


あのね、ソン・ジユンさん?

悪さした男が威張って聞けるの?

その女の人とはずっと続いてるって

事でしょ?


情を交わしたのは婚儀の二日前だけで

その三月後に見かけたら、

腹が大きくなっていた。


えっ?ちょっと待って!

産まれたのは?


その三月後だ。


あなた、ほんとに医者なの?


は?


奥様には辛い話だけど、医者として

聞くわ!

初めて抱いた時、彼女は痛がった?


いや…



出血した?


いや…


ミヨンは痛がったし、出血した。

何故なのか?わからなかった。


ソン・ジユンさんの子供じゃないわ!


なっ?そんな訳なかろう!



こっちのセリフよ!


せりふ?


ああ、聞き流して天界語よ、


あのねぇ。女は、子供を十月お腹の

中で育てるのよ?

ソン・ジユンさんの話が本当なら、

その女の人は、あなたと情を交わして

から、七ヶ月か八ヶ月で子供を

産んだ事になるわ。

この時代にその月数じゃ、

生きていけないわよ?産まれた時は

小さ過ぎなかった?


いや…元気によう泣いておった。


女はね、初めての時は、痛くて

叫ぶ程で出血もするわ。

その女の人は誰か他の男の子供を

産んだのよ。

それを黙ってる女の人も大した

度胸ね。


まさか…


という事よ。奥様。

この馬鹿な男は自分の子だと

思い込んだのよ。どうする?

実家に帰る?


まずはその女人に確かめて下さい!

旦那様のお子かどうか!


私が一緒に行くわ!

それでいい?


キファさん?いいのですか?


これでも産科の研修もしたのよ。

いい?ソン・ジユンさん!明日、

私をその女人の所へ連れて行って!


あ、ああ…

またも、

呆然と立ち尽くすソン・ジユンだった。




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隠し子?