翌日二人は屋敷に行った。
馬も乗せられないので、
馬車を用意した。
外が見えないので、
着いた先の重厚な門に驚いた。
此処？
そうです。
何か凄そう。
そうですか？俺も10年以上ぶりに
来ました。
門を開けるとその広さにも驚いた。
庭には綺麗な花が咲いていた。
坊ちゃま！！
まあ、何てご立派になられて。
ナルか？息災であったか？
この通り、まだまだ若い者には
負けません。
坊ちゃま！！
ああ、リョン！その坊ちゃまは、
止めてくれぬか？
笑いを堪えるウンスを見て言った。
妻のウンスだ！
はじめまして。宜しくお願いします。
手を差し伸べ、ナルの手を取り
ブンブンと握手した。
お、奥様！お止め下さい。
好きにさせてやってくれないか？
知っての通り、妻は天界から来た。
其処では年上は敬うそうだ。
他の使用人達も出てきた。
スリバンか？
はい！旦那様。
フウガと申します。妻のカリンです。
ソウザと申します。妻のミジャです。
屋敷の護りは頼む！
妻は知っての通り王も一目置く存在だ。
それに…双子を身ごもっておる。
坊ちゃま！奥様は双子なのですか？
あ、ああ。だから、坊ちゃまは…
あら？いいじゃない？新鮮だわ。
ナルさんから昔のヨンの事を
たくさん聞けそうで楽しみだわ。
ええ、ええ、奥様？何でも
お聞き下さい。
本当に美しい奥様ですね？
まあ、俺が惚れたんだ！
ただ、突拍子もない事をやったり
言ったりするが、慣れてくれ！
はい！
屋敷の中を案内する。
すっごーい！向こうの建物は？
使用人部屋です。
マジ？私が買った家より大きいわ！
向こうの空いてる部屋も沢山
あります。
あっちの建物はイムジャが
薬草やら、研究とやらに
使うといい。
此処が閨です。
ねえ？閨って、なんかエッチよね？
大きな寝台が置いてあった。
こっちを子供部屋にしようと
思ってます。
それから、イムジャの好きな
湯殿も大きくしたと、叔母上が
言ってました。
湯殿に行くとお湯が溢れていた。
えっ？温泉？
裏の畑を掘ってたら出たようで
いつでも入れます。
畑もあるの？
行って見ますか？
うんうん！
物凄く広大な敷地だった。
うわぁ〜何でも植えれそうね？
あっ！これはナス？
キュウリもあるわ。
ジャガイモがあれば、最高ね？
じゃがいも？
この時代にはないのね。
アッパの農園では沢山あったの。
そうですか。では、ご両親に
挨拶に行った時に聞いてみましょう。
ウンスを庇い歩く二人の姿が
とても輝いて見えて、使用人達も
目を細めた。
なんて、お似合いのご夫婦でしょう。
カジャが言った。
旦那様に思いを寄せる女人は
多くとも、奥様に敵う方は
いません。
そりゃそうだ。国を救ったとも
言われているぞ？
国医大使様だ！だけど、全然
そんな感じを見せないなんて、
旦那様も良い縁に恵まれて
こっちまで嬉しくなる。
居間に行くとナルがお茶を
持ってきた。
気に入りましたか？
うん。もう、サイコーよ！
子供が産まれたら、此処で
伸び伸びとできそうよ？
やっと二人の家に住めます。
俺も自分の家なのに久しぶり
なので、二人で慣れて行きましょう。
ウンスや？
なあに？
温泉に入りたいんだろ？
バレた？
着替えも沢山用意してあります。
どうぞユルリとお入り下さい。
二人は風呂に行った。
仲が宜しくて…。
いいかい？お閨や、湯殿には、
近付いては、いけないよ。
はい。
湯殿で、お互いの背中を流して
温泉に入る。
はあ〜。広くてお肌もスベスベに
なってサイコーだわ。
そうか？しかし、また大きくなったか？
お腹でしょ？双子だから？
日毎大きくなる感じよ。
んっ！胸も大きくなった！
そうかな？
少しずつ色も変わってくるわ。
ウンスはウンスだ！
と胸に吸い付いた。
あん…駄目よ…
みんな心得ておる。
其処で好きにされて、
クタッとなったウンスを綺麗に
拭いて、閨に連れて行った。
広い寝台で存分に愛しあった。
今、子供達は、どれ位なのだ？
どうだろ？双子だから、少し
小さいけど、もう少ししたら動くわ。
安定期やらに入ったのか？
うん。そろそろ。
何よ？そんなのお構いなしだった
癖に。
いや、まあ、俺の子だから、
強い子だと思って…。
明日はやはり、ご両親に居てほしい！
今から、ご挨拶に行って良いか？
えっ？いいけど…殴られるかも？
それくらい覚悟しておる！
二人は着替えると門を開き、
ウンスの実家の畑に着いたのだった。
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殴られるかな？