一週間経ち、叔母も慣れてきた。

時間も覚え、毎日ビデオ三昧だ!


やはり、風呂やシャワー、そして

トイレには感動したようだ。

ジンは崔 美卿(チェ・ミギョン)の

戸籍と住民登録証明証とスマホも

用意してくれた。


ジン殿は、何故?このように

良くしてくれるんだい?


それは、ユ先生に、

命を助けられたからです!

死ぬ所でした。返しても

返しきれない恩があります。

生きる道も正してくれました。


高麗の人間より信が厚いです!

此処に来て、テレビと言う

ものに、よく映ったりしていると

言う事は、とても有名なのですね?


いえいえ!ユ先生や将軍に

比べたら、大した事ないです!


嫁御はそんなに有名なのかい?


言っただろ?

ウンスはこの国一の医者だって!


して、お前の宿屋は何処にある?


将軍?宿屋って…


説明するのにわかり易いだろ?

宿屋の主だって。


確かにそうですが。


行ってみるか?


ああ。この暮らしぶりから

すると、金には困ってないようだが、

どんな仕事をしてるか心配だ!


ジオン、ヘギョン、ミョンジャ!


子供達を頼む!


かしこまりました。


ウンスも行くだろ?


うん!帰りに病院に寄ってくれる?


首相の奥さんが人間ドックで

肺に小さな腫瘍が見つかった

らしいんだけど、全内臓逆位なの。

内臓がね、全部逆って事よ。
  
とても珍しいんだけど、

前に同じような人を手術した

事があるわ。首相夫人だから、
 
みんなビビッちゃって。


ユ先生?急がなくていいんですか?


そうね。さっき電話来たばかり

なのよ。それに毎年受けてる

ようだから、重篤ではないわ!

あとで、カルテをみたいの。


テマナ!病院の警備員に

連絡しろ!


イエー、テジャン!


俺も行きます!


首相とは偉いのかい?


この国で二番目に偉いですが、

大した事はしてないです。

ユ先生の方が有名だと思います。


そんなに偉い嫁を高麗へと

連れて行ってしまったのだから、

ご両親に謝りたい。

ヨンの言った通り、この子達が

同じ目にあったら、地の果てまで

探し回って、殺めるだろう…



クスッ、やっぱり叔母様も

ヨンと同じ事を言うのね?


そうだ!叔母上!ウンスのご両親が

テマナを養子にしてくれたんだ。

だから、本当の義弟になった。


何と有り難い。お詫びとお礼に

伺わねばならぬ。


支度して車に乗ろうとすると、


こ、これは、馬のない馬車なのかい?


叔母上、確かにそうだが、

かなり違う!

乗り心地も速さも格段上だぞ?


お前が操るのかい?


ああ、免許という物を俺も

テマナも取ったんだ。

ウンスも持ってるけど…


何よ?


操作技術が凄すぎて、

俺達にはついていけないんだ!

ナイスフォローだ。


なるほど…今度は個人的に、

乗せてもらうとしよう。

さぞかし上手いのであろうな。



いや、あっ、そのうちな!


車に乗せるとシートベルトを

付けてあげて、


ホテルへと行った。


おお!これは?空まで届きそうだ!

なんと!車ばかりではないか!

オナゴがみんな素足が

見えておる!


叔母は濃紺のスーツだ。


しかし、此処は重ね着も少なく

身も心も軽くなる!

ホテル前に車が三台横付けされると、

警備員達が出てきて、囲む。


叔母上?堂々としてろ!


社員がズラーッと並ぶ。

ヨンはウンスの手を取ると、

ぞろぞろと歩きだす。

テマナが警備員の位置を

指示する。


何だか王より凄いな?


叔母様!当たり前ですよ!

チェ社長と有名な医師のユ先生です。


それに、ジン殿も居るからであろう?

何となくわかってきました。

ここが宿屋と言うのですか?


ホテルです!韓国一のホテルです!


あっ!お義姉さん!どうですか?

統括マネージャーになったとか?


ええ。やりがいがあります。

今度の休みにソンウンに

会いに行きますね。



誰ですか?

あっ、リジンの姉です。

子供の心臓が悪かったのですが、

ユ先生が手術して治してくれました。

まあ、それが縁でリジンと

一緒になる事ができました。

一生困らないようにと、

したのですが、本人が此処の

仕事は遣り甲斐があると、

頑張ってます。姪っ子は

ヘジンちゃんと言うのですが、

ジョン君と仲がいいんです。

入院してた期間に何か

通じるものがあったのかと思います。


社長室まで行くと、

チ・ジョンソクを筆頭に

秘書達が出迎える。


ジョンソク!俺の叔母だ!

そのうち、ここの役職にも

付くと思うが宜しく頼む!



はい!社長!お任せ下さい!


ヨンは書類に判を押すと、

叔母を客室に案内した。


此処が宿屋だ!


なるほど、此処の宿屋はホテルと

言う事だな?


常に満室だが、一室だけは、

空けてある。


隠れ家と言う事か?


まあ、そんな感じだ。

では、病院に行くか?


あっ!ウンスや…その…

最近、目が変なのだ。

近くの文字がたまにボヤケてしまう。

何か悪い病なのかい?


叔母様。老眼よ!

眼科で診て貰って、

眼鏡を作りましょう。

40過ぎたらなる人が多いんですよ。


そうなのかい?遠くは良く見えるよ。


文字も離すと見えるでしょ?


ああ、その通りだよ。


何も心配する事はありませんよ。


病院へ行くと、やはりスタッフ総出で

ウンスを出迎える。

理事長室に行くとカルテを見る。

胸部外科医達も勢ぞろいだ。


早期発見で良かったわ。

小さくて、良性か悪性か

わからないけど、取った方が

いいわね?


ユ先生がやってくれますか?


逆位はやった事ないの?


はい…それに首相夫人なので…。


わかりました。日程が決まったら

連絡して下さい。


は、はい!お願いします。


それから、眼科で診て貰い

たいんだけど?


何かありましたか?


眼鏡を作るのに処方箋を

書いて欲しいの。


わかりました。直ぐに眼科の方へ。


皆んなで眼科に行き、

叔母様の目を診てもらう。


軽い老眼ですね。

病院の隣りの眼鏡店にこれを

出して、作ってもらって下さい。


ありがとうございます。


ミギョンは驚いた。

高麗では、突拍子もない事ばかり

だったのに、此処では、

威厳があり、礼儀もわきまえてる

ウンスを誇らしく思った。


眼鏡店で、眼鏡を合わせると、


夕方にはできます!


では、病院の警備の者に、

家に届けるように言ってくれ!


はい!かしこまりました。


首相からジンに電話が来た。


ユ・ウンス先生が執刀してくれるとは

本当か?


今、病院を出た所ですよ。

内臓が全部逆とは、珍しいですね?

ユ先生と代わります。


はい!ユ・ウンスです。


妻の手術をしてくれるそうで、

ありがとうございます。


ナム首相!大丈夫ですよ?

他に転移も見られないようです。


そうですか。宜しくお願いします。


電話を切った後…


なあに?ジンさんって、首相とも

知り合いなの?


まあ、それなりに顔はききます。

首相はユ先生が執刀してくれると

喜んでましたよ。


ふ〜ん。病気を治すだけで、

大袈裟ね。


ユ先生にかかれば、首相も大統領も

ただの患者ですね。


何処かで聞いたな?

王も王妃も俺も、ただの人だ!

と言われたな。


やだ〜!ヨンったら!バシッ

今は違うわよ?私の大事な旦那様よ? 


そうか?

チュッとキスする。


いつも、こうなのか?


ああ、もう見慣れました。

所構わず抱いて歩くし、口付けるし

この二人の仲の良さは有名ですよ。


変われば変わるもんだ!


悪いか?

うどんでも食べて帰るか?


えっ?うどん?食べる!食べる!


うどんとは、なんぞや?


美味いぞ!


皆んなでウドンを食べた。

叔母は、美味しいと大満足だ。

爆食夫婦は、二杯ペロリと

平らげる。


この時代は、美味しい物ばかりだと

ミギョンは思った。


家に着く途中で、ジョンとヘジンが

仲良く手を繋いで歩いてるのを

見かけた。


あら?青春してるわね?

ヨンは車を止めると、窓を開け


ジョン!悪さするなよ!

ヒョンみたいな事はしないよ!

と言って、家に帰った。


ヒョンみたいな?とは?


ああ、毎晩…


ウンスに口を塞がれたヨンだった。


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現代に慣れて行く叔母様です✌️


今日は二度寝、三度寝した後、

4キロ程、ウォーキングしました。

ウォーキングのコツはサクサク歩く事。

一人ランチは、シャワーを浴びてから、

お蕎麦屋さんで天ざる食べました。

何気に満喫してます😊✌️