夕方晴れた空



ソン・ユを連れて、2年ぶりに

帰って来たトルベ。


空港には、チュンソクが

部下を大勢連れて待っていた。


プジャン…


トルベ…目に涙を浮かべながらも

まずは、ソン・ユの護送だ!


トルベも一緒に車に乗り込み、

警察書へ連れて行った。



私は何も知らない!

弁護士を!


ああ、国選でいいですか?

あなたの弁護士は降りたようです。


はあ?なぜだ?私は何もしていない!


証拠は、全て上がってる!

息子は、三人の殺人未遂で、

既に検察庁に送られた!


あの人妻に何かしたのか?

あの人妻とは?


コーヒー農園の妻だ!


ほお、そこまで調べたと言う事か?


残念だが、狙ったお方は、

もっと大物だ!

お前も、色々と苦労したようだな?

南米経由で偽名を使い、

セイロンに雲隠れか?


南米の男も全て吐いた。

ユソンギで、息子の口座に送り、

セイロンの銀行か?



息子が言ったのか?


いや、直ぐに調べがついて、

お前は、国際指名手配になった!


ワン・へか?キ・ウォンか?


ほお?何でも吐いてくれるな?


はっ!私としたことが…


テトロドトキシンも手に入れたのか?


知らない!


そうか?では、試してみるか?

と注射器を出す。



止めてくれーーっ!

ヤ、ヤンサだ!

キ・ウォンの弟だ!



キ・チョルと言う兄は?



知らない!彼奴は弟と二人だ!

日本に居ると聞いた事がある!


キ・ウォンの戸籍を取り寄せると

確かに弟は、キ・ヤンサだった。

両親は既に他界していた。


キチョルは生まれ変われなかった

と言う事か?ならば、ワン・へは

何故だ?



家宅捜索で見つかった金や、

セイロンの家からたくさんの

通帳と貸金庫のカギが見つかり、

全て押収された。

しかし、白い物体が見つからない。

ヨンに電話すると、


頻繁に出入りしてた紅茶店や

工場ではないか?と言われ、

探したところ、ある工場の地下で

白い粉を製造するための研究者や

精製者達が続々と捕まった。

ソン・ユは検察に送られたのであった。


やっとトルベとの再会を

喜んだ。


プジャン…こんな近くに居たなんて…


ああ、全くだ!なぜ?セイロンへ?


それが…わからないんです。

大使館警護に誰か行く奴はいないか?

と言われ、無意識に自分が行くと

言ってました。でも…無駄な時は

なかったです!ゆっくりと、

昔の事を思い出し、記憶を

繫げていきました。

テジャンに…テジャンに会いたいです。



そう言うと思ったぞ?

今から行こう!


ヨンの家に着いたのは、夕方だった。


奥様?坊ちゃまにお客様です!


あら?誰かしら?


あの刑事さんです。


あっ!チュンソクさんね。通して。


凄い家ですね?


あっ?お前は知らないか…


テジャンの昔の屋敷も凄かった!


ヨン!ヨン!お客様よ!


ヨンが降りて来ると、

チュンソクとトルベが居た!


トルベ…


テジャン!テジャン!

あの時は言う事を聞かず、

すいませんでした!でも、悔いは

ありませんでした。

俺はテジャンの為なら命だって

惜しくなかったんです!


トルベ…こうして会えて嬉しくて

堪らない!ありがとう。

涙の再会だったが、


チュソクとテマナも何事か?と

出てくる。


トルベ?トルベか?

トルベさん?


チュソク!テマン!

なぜ?此処に?


ああ、テジャンが危険だから、

此処に匿ってくれているんだ。



階段を降りようとするウンス。


待て!ウンス!


ヨンが走って抱き上げて

降りてきた。


うそ?トルベさん?


医仙!

テジャン?医仙は若いようですが?


ああ、もうすぐ17だ!


えっと…お腹が大きいようですが?


ああ、1月に結婚した!

俺の子だ!


マジっすか?犯罪じゃないですか?

医仙がそんなに若いなんて、

どういう事ですか?未成年に

手を出すなんて、昔のテジャンから

考えられません!


チュンソクに頭をこづかれた!


母親同士が仲が良くて、

ウンスの方が7年遅く生まれたんだ。

まだ幼かったけど、生まれたばかり

なのに、俺の嫁さんにする!と

決めていて、昨年、ウンスの両親が

事件に巻き込まれて亡くなった。

それで、少し早かったが、年が

明けて16になったので、嫁にした!

その頃、二人共記憶が戻った。

トルベは知らないだろうが、

昔も長い時を待って婚姻したんだ。


もう、待つのはやめたんだ!

キチョルのせいで四年も離れ離れ

になったからな。


えっ?俺が居なくなった後の

話を教えて下さい。


チュソクと同じく、同じ事を

話さなければならないな?

まずは、皆んなで、夕食を

食べてからにしよう!

母さん?二人分追加してと

言ってくれ!


はいはい!わかってるわよ。


坊ちゃま!直ぐに用意致します。


あのさ…その坊ちゃまって、

何とかならないのかな?


えっ?何とお呼びすれば…?


あら?いいのよ?どうみたって

まだまだ坊ちゃまだわ!

クスクス笑うウンスにつられ、

皆んなが笑いだした。


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坊ちゃま…