モモが直ぐに脈を診る。

薬湯が効いたようでございまする。

ですが、まだ少し血虚がありまする。

眠り続けるなど、

色々あって、疲れていたのでしょう。



閨に行くと、

あのね、とても長い夢を見たの。


どんな?全部聞くから、話してごらん。


時の枝の夢だったわ。

私とヨンが暮らしてる夢。


ジンジュ様が言ってた事か?


うん!私ね、あの薬と注射を

何故、自分が思いつかなかったのか?

って、ちょっと自分を責めたの。


夢の中の私は、ヨンの為に色々な

研究をしているの。

屋敷から出ないで、書斎に籠もり

史実を詳しく書いたり、大砲の

研究までしていたわ。

倭寇が攻めてきたり、

紅巾の乱の夢もみたわ。

王宮を明け渡す事なく、

ヨンが一人で6万の紅巾をやっつけたの。

私は、立派な地下室でみんなと

楽しく暮らしていたわ。

現代にも二人で行って、

親子で楽しんでいたわ。


何故か?その時の枝の夢を見たの。

子供達もたくさんいたわ!

それで、王宮が王様と王妃様の間に

亀裂が入って、王様が別人に

なってしまうの。王妃様を裏切ったの。


その事で、みんなで、高麗を捨てて

現代へ行って楽しく暮らしていたの。


話せば切りがないから、

そんな感じの長い夢を見ていたのよ。


そうか。別の時のウンスも

俺の力になっているのだな?


私?ヨンの役に立ってる?

迷惑ばかりかけてない?


俺を助けてくれただろ?

王宮の力にもなってる!

何よりも俺がウンスに釘付けに

なるくらい好きにさせただろ?


そうかな?私の方が好きだと思うけど?


お互いにそう思ってるなんて、

俺達、かなり重症だろ?


ウンスが不安なら漁師をやっても

かまわないぞ?

働かなくても、使っていない俺の禄で

一生困らぬ生活もできるし、

チェ家の財で末代まで困らぬ!


すっごーい!ヨンって、そんなに

お金持ちなの?


禄の使い道もなかったからな!

だから、ウンスに贅沢させる!


今のままで充分贅沢よ?


ウンスの禄は叔母上が預かってる。

かなりのものだぞ?

国医大使となれば、凄いであろう。




そうなの?この時代のお金の価値が

イマイチわからないのよね。

あっ!でも、其処の青磁の壺で、

私の時代では、大きな家が建つわよ?


はあ?この壺がか?


だって、650年前の高麗青磁なんて

値段がつけられない程、価値が

あるのよ?


クククッそれで、あの時、王から貰った

壺を大事そうに抱えていたのか?


そうよ?誰かさんが言う事聞かないで

倒れたから、割ってしまったけどね。


蔵にいくらでもあるから案ずるな。



夕方近くにチュンソクが訪れた。


テジャン!いえ、大護軍!

大事ないですか?

  
ああ、この通り二人共元気だ。


あの者達は斬首となりました。

医仙様を狙ったらしいです。


わかっておる!だから俺が行った!

戦の度に恨まれては、今後行かぬぞ?

今、漁師になろうかと話しておった

所だ!王にも伝えてくれ!


ウダルチは?どうなるのですか?


お前が居るであろう?

倭寇が攻めて来るだろう。

鍛錬しておけ!


えっ!倭寇ですか?

何処に?


恐らく南の海岸だ!

軍議を開き、用意しておけ!


俺は暇中だ!このままずっと暇でも

良いと思ってるのでな。


チュンソクは慌てて帰った。


漁師のヨンと暮らすのも

悪くないわね?

ジンジュ様が言ってたでしょう?

漁師をやってたヨンも居たって。

二人は幸せだったでしょうね。


今は不幸か?


そうじゃなくて、真っ黒に日焼けして

「今日も大漁だぞー!」って笑う

ヨンが、目に浮かんだだけ。


俺はウンスが好きな道を選ぶぞ?

漁師だって最高だろうな?

果てしない海が相手だ!強敵だ!


どんなヨンでもいい!

と抱きつく。


モモが来て、

すみませぬ!脈診の時でございまする。

とウンスの脈を診る。


奥様?やはり血虚がまだ少しあるでする。

少し、薬湯を変えてみまする。


血虚が酷いとどうなる?


心の臓も速くなり、歩くのも

大変になりまする!倒れたりも

します!奥様は双子なので、

二人分の負担がかかっていまする。

走り回ったりしたせいでする。


旦那様とゆっくりして、

薬湯もちゃんとお飲みください!

お子様達は、元気でする。


ウンスが眠ってる間もちゃんと

飲ませておったのに、血虚とは

厄介なものだな?


あ…私、元々そういう体質だったの。

月のモノがあると、必ず、頭痛や

フラフラとなったりしてたの。


月のモノがないなぁ?と

思ったら妊娠してた。

計算したら、あの時かな?って。


そんな試算ができるのか?

そうよ?予定日もわかるのよ?

いつなのだ?

六月十五日頃かな?

私の誕生日と近いのよ。

そう言えば、ヨンの誕生日っていつ?


生まれし日か?六月十日だ。

暫く忘れておった!


マジ?ウソ?同じだわ!

マジか?

ほらな?やっぱり運命なんだ!

でも…私の方が年上だわ…

まあ、俺は落ち着いておるからな!

俺の方が年上に見える!


なによ〜!私が落ち着きがないって

言いたいでしょ?

知らない所へ来たんだ!

驚くだろうし、不安にもなるだろ?

だから一緒に居てあげたいし、

何でも買ってあげたいんだ。

戦が長引いて一緒に年も越せなかった。

ウンスが教えてくれた通りなら、

まもなく倭寇が攻めてくるだろう。


本当はもっと後のはずなんだけど、

鴨緑江を取り戻したのなら、

二月頃には来ると思う。

ヨンも行くの?


いや、俺は此処におるが、

長引くようなら、ジンジュ様の

言ったようにこの指輪で門を開き

一気に片付けすぐ戻る。

それではダメか?


ううん。私の事を考えての事でしょ?

許す!


そうか?ウンスのおかげで戦の

準備ができるんだ。高麗はウンスの

おかげで強くなるぞ?

今、無性にウンスが抱きたい!

いいか?


うん…優しくしてね?

お望み通りに…


二人は甘い夜を過ごした。


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コンビニで炭酸かったら、

レシートがヨンヨンで喜んだ私。

重症ですか?