疲れたでしょう?

あっ!疲れたであろう?


クスッ言いづらいなら今まで通りで

いいわよ。


いや、それではダメなんだ!

この時代は武人政権で蒙古が

何度も襲ってきている。

漁村で静かに夫婦として暮らすには

自然にしないと。


うん。私も何か変だと思ったの。

バッグの中からプロジェクターを

出した。

これは、形見の箱に入っていた

プロジェクターと言うものよ。

新しいでしょ?そして、これ!

バッグの中からフィルムケースと

日記帳を出した。


これは?まさか?あの時見たものか?


そうなのよ。借りたバッグに

入っていたのよ。

そして…あの苔もついてて古びてた

フィルムケースと手紙…あの宿屋から

天門を目指してる

途中に元の場所に置いて来たのよ。

貴方が少し離れた時に。

何故か?そうしなきゃいけないと思って。



今思うとそうして良かったわ。

だって私が夢でみた状況と違うの。

テジャンならわかると思うけど、

天門は私達がいた高麗と現代が

繋がってるはずなの。

何か歪みが生じて100年前に来てしまった

としか思えないの。

あの古いフィルムケースは

別の私が書いた物。

戻して置かなかったら

100年後に体験した事が変わって

しまうわ。王宮に帰らず王様の

心を壊してしまうわ。


複雑な話だが理解できる!

俺達は何度も会ってる?

それは違う時の中でと言う事であろう?


そうよ!だからあの手紙は

あの場所に置いて来て良かったんだわ。

100年後は別の時間で動いてる筈。

その100年後の二人はどうなるか?

わからないけど…。


という事は、別の俺達は離れ離れに

なると言う事か?


そうね。恐らく。

でも、必ず幸せになるはずよ!

手紙を書いた別の私も戻ろうと

天門が開く日を計算するはずよ。


そして私達が帰りたいと思う高麗は

あなたを待ってるはずよ!


だからこのプロジェクターと

ペンダントは、天門が開く前に

バッグ事、何処かに埋めてね。

あっ!その前に。とバッグの中から

針の付いた物を取り出した。


注射よ!テジャンにも打ったのよ。

たぶんこれで大丈夫だと思うけど…

ウンスは自分の腕に打った。


検査はしていないけど、

たぶんこれで毒が完全に消えるはず。


そうか?良かった…と抱き締める。

そして…二人は布団に雪崩込んだ。







一方、高麗ではテマンとトクマンが

天門まで来ていた。

キチョルが凍って死んでいた。


この跡は?馬の足跡ではないか?

テジャンを引き摺って行ったのか?


チュホンだ!チュホンと一緒に

行ってしまったんだ。テマンが泣く。


トクマンが周辺を見て歩く。


これは?剣が刺さった跡だ。

人が倒れていた跡もある!

濡れているぞ!まさか?

キチョルを刺した後、テジャンは

氷攻にやられたのか?

だとしたら、後からチュホンに

引き摺られ天門を潜ったのか?

天門はキチョルを拒んだのか…


キチョルの亡骸を持ち帰り、

子細を王様に話した。


生きておるのであろうか?

医仙殿に会えたのであろうか?

いや!必ず戻ってくる!

テジャンはそういう男だ!

余は何年でも待とう…


チェ尚宮は思った。

七年間の功績なんていらない程

医仙を慕っておったのか。

後を追う程、好いておったのか。

王宮を空ける意味を知ってて

天門を潜ったのか。

会えただろうか?

気長に待っててやるから

帰ってくるんだぞ。

チェ尚宮の目に涙が光った。


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元に戻したフィルムケースを見るのは

本篇のウンスです。
ここで繋げてみました。
お解り頂けたでしょうか?

凄いゆき❄です。
今日は仕事です。
行ってきまーす。

sa