慌ただしくなる病室。

「ユ先生?陣痛は?」 

「いえ、全然痛くないんです。」

「えっ?ちょっと診ますね」 
カーテンで仕切られた。  

「嘘でしょ?もう全開に近いです!」
「先生?妻を着替えさせていいですか? 
濡れてますよね?」

「あっ、はい!着替えたら直ぐに
分娩室に運びます。」
  
「俺が運びます。」
「バンも!」
「プンも!」
ヨンは手際よく着替えさせると
ウンスを抱き上げた。

「ご主人こちらへ!」

分娩室に連れて行き、
「先生?立ち会わせて下さい。」
「わかっていますよ。」

両親は子供達と分娩室の外にいた。

準備が整い、ウンスに痛みが
来ない事から、看護士がお腹に
手をあてた。
パキパキと張ってきた!
「イキんで下さい!」

「うーん、うーん」
「頭が見えて来ましたよ!」
もう一度お腹が固くなった!
「イキんで!」

「うーん、うーん」
ヨンが椅子型の分娩台のウンスの
後ろに座ると後ろから
抱きしめた。
「ウンス?俺がいるから!」

「うーん、うーん、うーん」

スルっと出てきた。
臍の緒を切ると
「フンギィーフンギィー」
直ぐに助産師に私、体重を測る。
「先生!2044gです」
「少しだけ小さいけど大丈夫ね。」
洗ってウンスの胸に乗せた。
「男の子です!」ウンスとヨンの
目に涙が光る。

「さあ、まだ二人いますよ。」

お腹が固くなるとヨンがギュッと
抱きしめる。

「うーん、うーん。先生?ハッハッ
イキミ方がわからないわ!」
「ご主人!お腹が固くなったら
踏ん張るように合図してあげて
下さい!」
「ウンス?木にぶら下がった事は?」
「うん!ある!」
「登る時、腕と腹に力がかかるだろ?
その感じだ!」
「あっ!懸垂ね!やってみる!」
ヨンは腹が固くなったのを感じると
「今だ!」
ウンスはヨンの首に手を回しイキんだ

「ううーん!うーん!うーん!」

「頭が見えてきましたよ。
その調子です!」

もう一度「うーーーん、うーん」
ズルっと出た!
臍の緒を切ると
「フギーフギー」と泣いた。
体重を測ると
「先生!同じです!2044gです。」
直ぐに綺麗にしてウンスの胸に。
「男の子ですよ。」
「またヨンに似てる…」
「先生、ウンスの呼吸が速くなってます」
「酸素をお願い!子供の心音が遅く
なってるわ」
口に酸素を供給する物があてられた。
「ゆっくり吸って!ゆっくりはいて。
繰り返して下さい!酸欠になってます」

ウンスは言われた通りに
大きく吸って大きくはいてを繰り返す。
自分も医師だ!心得てる。
落ち着いてくると
「大丈夫ですよ。さあ、あと一人」

ところがそこで陣痛が止まった。

「促進剤を!分割で打って!」

ウンスの腕に注射が打たれた。
すると、パキパキと張った。

「ウンス!今だ!」

「うーーん!うーん!」

また、注射が打たれた。
腹が張ったと思うと
「先生!足を固定しているのを
外して下さい!」とヨンが言う。

「えっ!」言われた通りにすると、
ヨンはウンスを自分の方に向かせた。
「抱きついて力をいれてみろ?」
「うん…」
ウンスはヨンの首に抱きつき
おもいきりイキんだ。
「うーーん!ぐーー!」
「頭が見えてきました。」

ヨンはタオルでウンスの額の汗を
拭くと、手櫛で髪を撫で
「もう少しだ!頑張れるな!」
「うん…」
「ご主人!仰向けにして、次の
波でお腹を押して下さい!」

ウンスの腕にまた注射が打たれた。
お腹が固くなった。
「ウンス!頑張れ!」
「うーーん!うーーん!」ヨンが
お腹を押した。
スルンと出てきた。

臍の緒を切ると
「ウギウギウンギャ」

すぐに体重を測る
「先生1990gです。」
すぐに綺麗にするとウンスの胸に乗せた

「女の子です!頑張りましたね。
小さいけど大丈夫です!」

三人共、保育器に入れた。

ウンスが泣いた。
ヨンも泣いた。
本当に今まで大変だった。

12月12日…午後4時過ぎ
 
三つ子が誕生した。



後処理をすると言うので
ヨンは子供達と両親の所へ行った。

「男の子二人と女の子です。」声が詰まる
「ウンスは?」
「少し疲れたようです。」
「あの子頑張ったわね。」涙が光る

バンとプンがすり抜けて、
分娩室へ入って行った。
酸素マスクをしてる母親をみると

「ははさまー!」と走り寄ると
胸に手をあてて、気を送る。
薄い黄色の光に包まれた。

暖かく身体がスーッとすると
「バン、プンありがとう」
両親もヨンもスンとルンも
入ってきた。

「頑張ったわね。どれどれ孫の
顔をみましょうか。」
すぐそばにある保育器に行く。
「あら?またヨンさんに似てるわ
ヘジンさん?一卵性?」
「そのようです。赤ちゃんも、
一週間もしたら、保育器から
出られるでしょう」

子供達四人が生まれた弟と妹の所へ
行くと。保育器が薄い橙色に
包まれた。
ヘジンは不思議な温かい空間に
包まれたように感じた。

そして、またウンスの所へ行くと、
四人でお腹に手をあてた。
身体が癒やされていくのがわかる。
ヨンが手を添えると更に
スーッと軽くなった。

暫く其処に居て、
病室に戻った。

子供達はウンスの横で眠りについた。
ヘジンが来たので、
「先生?お願いがあるんですけど、
主人と子供達の血液型を調べて 
もらえますか?」

「いいですよ。寝てるから、
痛くないように採血しますね。
ご主人も腕を出して下さい。」
三人がかりで血を採った。
「何故?俺の血を?」
「知っておいた方が便利な事も
あるのよ。」

「ウンスさんも採血しますよ。
異常がないか調べます」

ヘジンは不思議な空間を
体験した事は口にださなかった。

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男の子二人と女の子でした。

子供達、ヨンのおかげで
安産でしたが、高麗にいたら
難産だったでしょう。
設備が整い清潔で安全である事と
薬剤や保育器がある現代での
出産にして良かったです。
皆さんの意見を参考に現代出産でした。
皆様に感謝ですm(_ _)m


おめでとう❤ヨン&ウンス❤