翌日、国境に敵がゾロゾロとやって来た。

思ったより数が多い。

元国内で不満を持て余し

内乱を起こしていた連中を

連れて来たのだ。

アン・ジェが激を飛ばす!

「我々は大将軍に鍛えられた!
さっさと片付けて帰る!」

集まって来た頃合いを見定め、

アン・ジェが仕掛ける!

「撃てーーーっ!」

一斉に大砲が馬を狙う!
威力を増した大砲に次々と
吹き飛ばされて行く。

後方に居たトゴン・テムルは

「何だ?この強さは?」

大砲の他に
竹筒に入った爆弾を狙い
火矢が放たれる。
遠心力を使い遠くまで狙える。

アユルシリダラも、後ずさる。

2000はいただろう敵は
あっという間に100人程しか
残っていなかった!

チュンソクが斬り込んで行く!
ウダルチも後に続く。

アン・ジェも斬り込む!

「俺はアユルシリダラだ!」

そんな言葉など関係ない!
一気に矢と剣で倒す!

残すのは、トゴン・テムル!

「ま、待て!話し合おうではないか?」

「お前に話等ない!」

チュンソクは、トゴン・テムルの
首をはねる!

逃げようとする敵は、
ウダルチが仕留めた!

アン・ジェが
「終わったな!」と言うと、

足を掴まれた。

「アユルシリダラだといったはず!」

最期の力を振り絞り、
アン・ジェに斬りかかる!

「お前等、ただの駄々をこねる
子供だ!」とアン・ジェが
剣を振り下ろす!

アユルシリダラの首が飛んだ!

高麗軍の強さを見せつけた。

国境を護る者達に亡き骸を
葬るよう言うと、

「開京に帰る!みな、ご苦労であった」

圧勝だった。

「フッ結局ヨンが言った通りだった」
とポツリとアン・ジェが言う。

チュンソクが
「大将軍が何と?」

「ジェイミー殿の大砲を信じよ!
高麗軍は1000で良い!それだけの
力はある!」とな。

「何故でしょうか?いくら頑張っても
大将軍に追い付けません。」

「アイツと比べる事はやめよ!
俺も散々言われてきた。
アイツは神童と言われる程賢い奴だった。
16才で赤月隊に入り、雷功の存在を知り
自分に少しあった雷功を磨き、
自在に操れるまで相当の鍛錬を
積んだ。ムン・チフ師匠の鍛錬は
ウダルチの比ではない!
天性の才能を存分に引き出すには
血反吐を吐く程の鍛錬をしたそうだ。
俺達が遊んでいた間に彼奴は
どんどん強くなったのだ。
7年間無気力であったが、
守れなかった仲間や許嫁。
その怒りを影でぶつけていたのであろう」

「ウダルチ隊長になったのは22才の
時でした。何もせず、こんな小僧が
何故隊長なのか?と思いましたが、
寝てばかりいても、見ているところは
しっかり見ていました。」

「彼奴は国の為でも王様の為でも
なく、あの4年間は、医仙様の為に
戦ったのだ。戻った時に憂いが
無きようにと。今もそうだ!
彼奴は医仙様を護る為に戦っておる。
不忠義者だと王にも言ったそうだ。
だから代わりの者を側に置けと。
だが、この国があの二人に
どれだけ助けられた?
離せぬであろう?
下手な事を言えば、彼奴は簡単に
官職も捨てる。充分働いたからな。
ウダルチも禁軍、官軍も鍛えられた。
だが、今回のウダルチ新兵の事で
より厳しい鍛錬が待ってる事を
忘れるな!」

「鍛錬してくれるでしょうか?
見限るのでは?」

「チュンソク護軍?何年彼奴の
側にいたのだ!彼奴は見限るより
見直して鍛え直す奴だ!
わかっておるだろう?」

王宮に勝ち戦という早馬が来た。

「早かったのお。やはり
大将軍の言った通りであった。」
王は高麗軍の強さを知る。

凱旋には沿道に多くの民が集まった。

「高麗軍ばんざーい」

あちこちから聞こえてくるが、
今回の戦の前に開京に敵が
入り込んだ事を思えば、諸手を挙げて
喜べない。
アン・ジェとチュンソクであった。