王様が王宮に戻ると、

アン・ジェが現れた。
「チェ家の屋敷を狙い、
右腕を斬り落とされた朱元璋だけが、
生き残っていました。何故生かしたのか?
大将軍に聞かねばなりませぬ。」

「なんと!大将軍がやったのか?
いつの間に来たのだ?」
「はい!屋敷を狙った敵、100人程を
斬り、朱元璋だけを生残しました。
何か、思惑があるかと?直ぐに
国境に戻ると、行きました。」

「では、帰って来るまで待とう!」

屋敷は、綺麗に直されたので、
みんな、地下室から屋敷へ
移動した。

ウンスは、
「朱元璋…どうしてくれよう?
屋敷に乗り込んでヨンの手を
煩わせるなんて…でも、私のせいよね?
まだまだ政の駒にされるなんて…
あったまくる〜!」と
言うと、
サジュナが、
「きっと奥様の医術と類稀なる才能が 
欲しいのでございましょう。しかし、
旦那様がいる限り大丈夫でございます。」

ウンスは屋敷の男衆に
「大変だったでしょう?
綺麗にしてくれてありがとう」と
礼を言う。

スホンが
「奥様、当たり前の事です!
ここは、高麗の宝が二人います。
我々が少しでも役に立つ事を
嬉しく思ってます。」

「そう言って貰えると、少し怒りが
おさまるわ。」

ヨンは、開京に向かっていた!
朱元璋には、死ぬより辛い思いを
させてやるが、どうにかして、
奇皇后かアユルシリダラを
高麗に連れてくるか?策を練る!


野営地で、休みをとる。
ヨンは、皆が寝た頃を見計らい、
天門を開いた!
着いた先は、元の皇宮。
未だしがみついている奇皇后の所だった!
気配も消さず、何食わぬ顔で、歩き周り、
奇皇后の部屋に入る!
寝ているところに、手刀で、
更に気絶させ!薄い布団に包みかつぎ、
気配を消して、青白い光の中に消えた!
兵がいないのだ!残り少ない兵を
国境へ出し、勝つ!と思っていた女の
隙を付いた!
戻った先は、野営地だ!
猿ぐつわして、縄をかけた!
朝、皆が目覚めると見知らぬ女人がいた!
高価な寝衣を着ていた美しい女人!
ヨンには、美しさの基準がわからない!

「大将軍、この女人は?」
「罰を受けるべき女だ!」と
言うと、猿ぐつわ外してやる!

「お前達!私を誰と思っている!」
ヨンは、
「あん?知らぬ!」というと、
「元の奇皇后と知っての事か?」と言う!
「寝ぼけた事を申すな!お前は、
ただのイカれた罪人だ!」
奇皇后も訳がわからない!
寝ていたはずなのに、此処は何処なのか?

チュンソクに
「猿ぐつわをはめよ!」と命じ、
開京に、向う!
王宮に着くと皆が出迎えた!
王様が、
「ご苦労!大義であった!」と
労う。
ヨンは、イカれた女を連れて、
王様の所へ行き、耳打ちした。
「朱元璋を後で連れて来て下さい」
「あいわかった!」

ヨンは、謁見の場に豪華な寝衣姿の
女人を連れて行く!

重臣達も興味津々だ!

アン・ジェが朱元璋を連れて来る。
女人の猿ぐつわを外すと、
「何故、捕まっておる!」と女が言った!
朱元璋は、奇皇后が居る事に驚き
「皇后様は、どうして?」
と言った!
そこに、テマンが連れて来た
ウンスが扉を開けた。
天女ではないか?と思う程の美しさに、
腕の痛みも、忘れ朱元璋は見惚れた。
奇皇后も、この美しさは見た事がないと 
思った!自分よりも遥かに人を魅了する。

すると、ウンスは

「ヨン!お帰りなさい!怪我は?」と
いつもの如く首にぶら下がる。
ヨンは、抱きしめて、口づけると、
「大人しゅうしておったか?」と
優しい笑顔で言う。

何なのだ!この二人は?
朱元璋も奇皇后も思った!

王様が
「毎度の事だが仲睦まじいのお、目の 
やり場に困る!」
ウンスが
「あら?王様?これでも控え目ですよ」
と天女の微笑み。
アン・ジェもひと言
「某も嫁がほしい!」とポツリ。

奇皇后が完全無視の状態に
「何の茶番だ?」と怒りがちに言った!
ウンスが
「てか、豪華な寝衣で何してるの?
この人?
あっ!もしかして、
キ・ヤンだったりして?」

「流石ウンス!鋭いな!」
「なあに?ヨン?夜這いでも
かけられたの?」
「俺はウンス一筋故、美しさの基準は
ウンスだ!」
「もしかして、攫ってきたの?」
「まあ、連れて参った!」
「ふーん。ねえ?キ・ヤン!何で
私に執着するの?もしかして、
そっち系?」
「そっち系とは?」
「女にしか興味がない女人の事よ!」
「ほら?男でも女じゃなくて男に
欲情する人いるでしょ?」
「あん?そんな男もいるのか?
アン・ジェ気をつけろ!」
ウンスとヨンの会話が面白すぎて、
吹き出す王様と重臣。

「無礼な!何者?」

「へ?私?あんたが、欲しがってる
崔瑩の妻よ!で、そっちの
いやらしそうなのが、朱元璋?
変な顔!うちの庭を荒すし!
ヨン?懲らしめてね。あら?腕、
斬られたの?敗血症になったら、
助けてあげてもいいわ!」
ヨンは、吹き出した。
「助けるのか?」
「う~~ん、アミダクジで決めるわ」
「アミダクジとは?」
王様が
「余はしっている!」と楽しげな顔。
ヨンは
「また、ゲームとやらか?」
「ちょっと違うかな?
後で教えてあげる。」
「ウンスや、奇皇后に
言う事はないか?」
ウンスは奇皇后の前に立つと

「高麗人のくせに器の狭い女ね!
影で何やってんだか?空回りね。」
全員吹き出した。
奇皇后にこのような事を言えるのは
ウンスだけだ!
そして「ちょっと朱元璋!
今度何かしたら
男の役目を果たせなくしてあげるわ!」

王様が、
「医仙殿、今やってくれ!」
と言うと、重臣達は、後ずさる。

ウンスは、朱元璋の前に行くと
素早く鍼を刺した!
朱元璋が
「何をした?」
「だから言ったでしょ?
一生立たないわよ!」
クスッ
「ウンス、俺には刺すなよ?」
「ヨンに刺したら私が困るもの」と
頬を包んで口づけた。

奇皇后も朱元璋も呆気に取られて、
医仙の行動を見たのだった!

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★この物語は、個人の妄想で
書いており、

史実とは、全く関係ありません。

ご理解下さいm(_ _)m