随分、若いお嬢さんね。

何才かしら?

「わたくしは、ホン・デジュの孫娘
ジュリと申します。
大護軍様を一目見て、
嫁ぐなら大護軍様しかいない!
と思っております。」

ウンスは美しい笑顔で

「大護軍のどこが好きなの?」と聞いた。

ジュリは

「それは…とても美丈夫で家柄も良く
申し分ないので。」

ウンスが
「それだけ?」と言うと、

「私は16才で、たくさん子供を産めます!
失礼ですが、
貴女は少しお年をめしております。」

ウンス火山は、まだ静かだ。

こんなことくらいは、屁の河童だ。

「ふーん。貴女は、子供を産めないかも
しれないから、私の質問に答えて!」

ジュリは

「質問なら何でもどうぞ」と息巻いた。


ウンスが攻めに入る!

「あなた、ご飯は、ちゃんと食べてる?

お小水の回数は?

大便もでてる?

これは、医者として聞く基本的な

健康に対する質問よ。」


するとジュリが

「わたくし、大便など、生まれてから
一度もした事、ありませんわ!!」
と大声で言った。

その時、パサッと音がした。

ヨンが見廻り途中で、ウンスに
買って来た饅頭を落とした…

「イムジャ、この娘、病ではあるまいか?」

ウンスは
「そうねぇ、それが本当なら深刻だわ」

そして、
あの奇妙な人形を手に取ると。

「いい?これが人間の体として、その中身は…」

真ん中の糸を切る!


「人間は皆、物を食べるとこの器官を通って、

胃に溜まるのよ。

そして、それが血肉になって、

排泄するものが、この白い大腸を通って

便を出すのよ。」

と言って、白い布で作った
大腸を取り出す。

「この大腸は、5尺位あるのよ。

あなたが、一度も大便をした事ないなら、

この白い布が3倍以上に膨れあがってるから、

子宮で子供の育つ場所がないわね」


「イムジャ、わかり易い説明だ!

為になるのぉ!

人の体のからくりが解る人形とは、

誠に凄い!
今度ウダルチにも説明してくれるか?」

医者の顔をしている時、何故か?

イムジャと呼ぶヨン。

更にウンスは、

「本当に便は出てないの?」

ジュリは、ムキになってるのと恥ずかしさで

「出ていない!ってさっき言ったでしょ?」

といきんで立ち上がると…「ブッ」…



ヨンが

「屁は出るのだな」とひと言。


使用人達も堪えきれず笑う。

ウンスは、

「取り敢えず下剤でも買って飲んで」と言うと。


「わたくしに無礼を働いた事、

お祖父様言って、あなたを潰してあげるわ!!」

ジュリは、鼻息荒く捲し立てる。 



ウンスは

「ヨン?この娘、あのタヌキジジィの

ホン・デジュさんのお孫さんなんだって。

どうする?」

「タヌキジジィですって!無礼な!」ブッ!



ヨンは

「ホン・デジュは、医仙に無礼を

働いた咎、悪事を働いた咎で先程流刑になった

一族諸共、奴婢となった故、

偉そうに我が妻を捲し立てるでない!

人様の家で屁を二回もするとは、

無礼なのは、お前の方だ!

今すぐ出て行け!」と凄むと、

お祖父様は、何をなさったの?
医仙様ってそんなに偉い方なの?
わたくしが奴婢?

「奴婢…奴婢…」と言いながら
帰って行った。



ウンスは

「あら?流刑になったの?」

と呑気に聞く。 


ヨンは

「ああ、しかし、人前で屁をこく女子を

初めてみたな」

二人、顔を見合わせ大笑いする。

使用人達は、この奥様は、

只者ではない!と敬意を抱くのであった。



☆☆☆☆☆☆☆

5尺…1.5m位です。

大腸は以外に長いです。

現代語混じりですが、
理解して下さいm(_ _)m