「トギーーー!会いたかったわ!」と
抱きつくウンス。

トギも、ウンスと会えて感無量で、
抱き合う。

「毒は?大丈夫か?
何処に行ってた?
大護軍と婚儀をあげたのか?」
矢継ぎ早に身振り手振りで。

テマンが訳す。

ウンスは
「毒は大丈夫よ。天門で飛ばされて
100年前に1年間いたわ。
こっちに戻ったら4年も経ってた。ヨンとは、婚儀あげたわ。」ヒック

涙声でゆっくりと答えた。

「トギは、なんで、典医寺を辞めたの?」
と聞くと…

「あの侍医は、まともに診察もしない!
私の話も聞かない。
話せないなら、
黙ってろと言われた!だから、辞めた!」

テマンの説明に
ウンス火山は爆発寸前だ!

「あの侍医気持ち悪くて、
私も近付きたくないし、やりたい事もあるので、典医寺には、行かないで、
王妃様の診察にだけ伺う事にしたの。
それで、これから、薬草園を作ろうと
思ってるんだけど、トギのチカラを
貸してくれないかしら?」

トギは嬉しかった。
まだ、自分を必要としてくれる人がいる事!
それが、ウンスである事!

「わかった!明日から来る!」と

力強い相棒にウンスは、手を握り

「ありがとう!ありがとう!」と何度も言った。



それを聞いていた、チソ、リン、アロナ、スホン、タンセ。

チソは
「奥様、毒とは?どう言う事ですか?」

ウンスは、忌まわしい過去を話した。

使用人達全員、辛く過酷な思いをし

ご主人との想いの深さを知り

奥様を絶対守る!と

心に誓うのであった。

そして、ヨンのウンスへの想い、

ウンスのヨンへの想いも理解した。



この屋敷に奉公できて良かったと、
思うのであった。




一方、王様と話していたヨンは、

「王様、あの侍医は、どの様に選んだのですか?」

「ああ…試験を受けさせた中で、一番良かったらしい。だが、ちと、王妃も毛嫌いしててのぉ」

「少し調べましたが、落ちぶれたといえ、
両班の嫡男でしたが、やましい事は、ありませんでした。
ですが、どうやら、女人に執着しており、
男の怪我など診ようともしないようで、
昨日、医仙にも近付こうと必要に問いかけてました。」

「して医仙殿は?」

ヨンは、笑いを堪え、
「キモい!と」

「キモいとは?」

「気持ち悪くて鳥肌が立ったと。」


王様は、大声で笑い

「誠に医仙らしい!だが、高官の奥には、慕われておるみたいだが、どうしたもんかのぉ」

「ここは、暫く某に。ちと考えがあります故」

「相わかった!それと、ドチ、あれを大護軍に。」

すると、ドチ内官が持ってきたものに驚いた。

「王様…これは?」

「あの折、ここに隠しておったものだが、
錆びていたので、磨き保管しておった!
医仙に必要であろう。渡してくれ。」

「はっ!」
ヨンは、有り難く受け取った。
これと、同じものを腕の良い職人に
つくらせれば、ウンスも喜ぶであろう!



兵舎に戻り、溜まった書簡を
猛烈な勢いで片付けていく。

チュンソクは、驚いた!
俺がやったら何日かかるだろう。

全て終わると
「役目は、終わった!俺は、帰る故」
と言うとあっという間に居なくなった。

ヨンは、鍛冶屋に行き、

「これと同じ物を急ぎ頼む!」

「はっ!大護軍様。明日の夕方までには」






ヨンは、まだ日が落ちる前に屋敷に
帰った!

一同、「お帰りなさいませ旦那様」
と礼を尽くす。

ウンスは、走って来て抱きつくと
「ヨン!ヨン!おかえりなさい!」

くうぅぅーっ!愛しくてならん!
「ただいま。良い子にしてたか?」

「うん!してた!あのね…」
と手を繋ぎ閨へ着替えに行った。