ここは?

「この部屋は数人しか知らぬ。密談の場」

そして、そこから、地下道を通って
スリバンの隠れ家と王宮へ行く道があった。

ウンスは、少し考えてから
「ヨン…この隠し部屋のどこからか、奥深く掘って、もう一つ隠し部屋を造れる?」

「何故?」
「もう少し時がたったら教えるわ。とにかく、もっともっと深い地下室が欲しいの。」

「合いわかった。この部屋を造らせた者に聞いてみよう。ウンスの事だ、訳があるのだな?」

「ありがとう。ちゃんと話すからね。」

その部屋を出ると庭に出て二人仲睦まじく歩く。

使用人達は、そこだけ輝く美しい二人を
ボーッと見ていた。
奥の広大な敷地には、畑も作れそうだ。

「あっ、ここら辺に薬草を植えても良い?
あと、畑も作りたいなぁ。」

「畑か?タンセにまかすとしよう!人手が足りなければ、使用人を増やすとするか。」

それから屋敷の外れの建物へ連れて行く。

「此処は、ウンスの医院として使うのも良し、薬草の研究とやらをするのも良し!好きに使うが良い。」

この人は、いつ戻るかわからない私の為にこんなに考えていてくれたの?
ウンスはヨンの首にしがみつき口づけた。

やる事がたくさんできたわ!
ウンスは、頭の中で考えをまとめていた。

「ウンス?夕餉は、マンボの処でとらぬか?歩いてもそんなにかからない故」

「ほんと?わぁー、嬉しい。だったら皆んなでいきましょう。これから、たくさんお世話になるんだし、家族みたいなものよ。」

ヨンは、天界の何もかも全て捨てて俺の元へ戻ってきてくれた。ウンスに少しでも寂しい思いをさせたくない。と思った。

「そうだな!皆と行くとしよう。」

居間に戻り、チソに
「今日は、皆んなで外に食べにいきましょう!」
と言うと、

チソが
「とんでもございません。使用人が主と一緒に食す等、あり得ません。」

「あら?チソさん、私達一緒に生活しているわ。私の育った所では当たり前の事よ。さあ!行くからみんなに声かけて!全員参加よ!」

ヨンは
「妻には、敵わぬだろ?今日は皆と食す。」

チソは恐縮しまくり
「わかりました。ですが、奥様、私の事は、チソとお呼び下さい。」

「わかったわ!努力する!」

そうして、ゾロゾロとマンボの店に着いた。

「マンボ姐さん〜〜わぁーん会いたかったよ〜」
と抱きつく。

「医仙は、相変わらずだね〜少し痩せたのかい?どれ?顔をよくみせてごらん。
うん!ヨンに余程可愛がってもらってるんだねー。前より綺麗になった」とヨンを見る。

ヨンは、頭をかいて、
「クッパを頼む!家の者達の分も一緒に」

マンボは、使用人達に
「あんたらは、こんな良い屋敷に奉公できて、幸せ者だ。」と言った。

クッパを一口食べると
「やっぱ、これよね〜ハフハフ美味しい〜ハフハフ」
ヨンは、クッパを冷ましながら、せっせといつも通りウンスの口へ運ぶ。

「全くヨンは昔も今も医仙の事になると別人になるね〜高麗の鬼神も型なしだね〜」

ヨンは
「痩せた故、戻している。悪いか?」

「ヨンもしっかり食べてね」と最強の笑顔を向かえる。

「あんた達も大変だねー。いつもこんな感じかい?」

チソは
「はぁ~まぁ〜目のやり場に困ります」

ハッハッハと豪快に笑うマンボ姐であった。

師叔のところにヨンが行くと何やら
話していた。

暫くして、お腹も満たされ、またゾロゾロと皆んなで屋敷にもどった。

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