ここに飛ばされたのは必然か…


天門前で座り込む私に声をかけてくれた隠しきれない気品に満ちた両親くらいの年のご夫婦。

「大丈夫ですか?顔色が悪いようですが?家で少しお休み下さい。」御婦人が言ってくれた。


ここは、何処なのだろうか?この人達は、何故やさしくしてくれるのだろうか?と色々な事が駆け巡りながらも、今は、為す術もなく、ふらつきながらも畑の中にある家へとついて行った。


出されたお茶をひと口飲んで

「命よりも大切な人とはぐれてしまって…」

溢れる涙も拭かずに答えた。

そして、旦那様であろう方が

「辛い思いをされたのですね。必ず会えると信じて時を待ちなさい。行く宛がないのなら、ここで、身体を癒やしなさい。」と、静かだが暖かい声で、言ってくれた。

そして、ここはどこなのか?話を色々聞いているうちにわかった。

私は、あの人に会えると言う夢を追いここに身を寄せる事にした。

どうやら、彼の地より100前に今、私は居るらしい…何故?どうして?と狼狽えるが、あの人の元へどうしたら戻れるか?この日から必死に生きる決意を刻んだ。


夢追い人よ…諦めるなかれ