友ケ島 | 暇老身辺雑記

友ケ島

 昨日(913日)の毎日新聞夕刊の一面に、「地下の秘密基地 和歌山・友ケ島」と言う記事が載っていた。見た途端タイムスリップし、約40年前の事を思い出した。当時は海釣りに凝っていて、主に和歌山の串本周辺や高知の甲浦で磯釣りをしていた。しかし友ケ島も何度か訪れた事があった。大物は望めないが小物は良く釣れたように記憶している。

 友ケ島は紀淡海峡に浮かぶ無人島群の総称で、明治時代から終戦まで紀淡海峡を北上して大阪湾に入ろうとする敵艦を阻止するために築かれた砲台や弾薬庫が現在も残っている。

 友ケ島へは観光客や釣り人を運ぶための船が加太港から出ている。

 年月は忘れてしまったが台風が近づいていたある日、友ケ島に渡った。着いた際には晴れていたように思うが、やがて雨が降り出し海も荒れて来て釣りをしている気分ではなくなり、雨具を身に付けて帰りの定期船の到着を待った。待ち兼ねた船に乗り込みホッとしたのも束の間、海が大荒れとなり、船は文字通り木の葉のように揺れた。船が海中に没する事さえ何度かあり、無事に帰港出来るのか本気で心配した位であった。しかし窓や扉をピッタリ閉めた船には水は少しも入ってこなかったのに感心した覚えがある。余りの揺れに、それまで経験した事がなかった船酔いを初めて味わった。

 加太港に着いた時には、緊張がとけて暫し呆然としていた。

 それ以来、私は船に乗る度に酔うようになってしまった。凪いだ湾内でゴムボートに乗っていても酔う始末である。