ショーメ展
先日訪れた三菱一号館美術館で開催しているショーメ展でとても気になるティアラを二つみつけました。
一つ目はこちら。
「野ばらとジャスミンのティアラ」
フォサン1830年頃の作品です。
こちらのティアラの所蔵がイギリスのウォーバン・アビーです。
ウォーバン・アビーと言う言葉には、紅茶好きのほとんどの方が反応することでしょう。
そうです。
アフタヌーンティー発祥の地とされるマナーハウスです。
ベッドフォードシャーにあるベッドフォード公爵のお屋敷です。
このティアラを発注したのが、第7代ベッドフォード公爵フランシス・ラッセルです。
もちろん奥様であるベッドフォード公爵夫人アンナ・マリアのためです。
アフタヌーンティーの習慣を始めたとされるアンナマリアは、KIRIN午後の紅茶のラベルにもデザインされています。
↑この肖像画がラベルの絵に一番近いかな?
ちょっと男装の麗人風でもありますが…
ビクトリア女王のお部屋付きの侍女(1837-1841)であったことから、ウォ―バンアビーにビクトリア女王がお忍びで遊びにいらしたこともありました。
その際に使われたビクトリア女王のベッドルームです。
公爵家においてもダントツ光るお部屋です。
少し若い頃のアンナマリアです。
ビクトリア女王のお母さま(ケント公爵夫人)からの侍女であった古株のアンナマリアは、女王の信頼も厚かったのですが、レディーフローラ妊娠疑惑事件?の噂を流した元とされ、宮廷を去ったともいわれています。
宮廷を去ってウォーバンアビーで沢山のお客様をもてなす社交的なLadyだったそうです。
このティアラを被っているのは、第11代ベッドフォード公爵夫人メアリーです。
まぎれもなく「野ばらとジャスミンのティアラ」ですね。
アンナマリアから受け継がれたものです。
11代公爵夫妻は犬、猫、鹿、鳥類などを収集し、サファリパークを開園します。
メアリーは肖像画のイメージとは違い、活動的な女性で、晩年にはパイロットとして自家用飛行機を運転して空を飛んでいたため、フライング・ダッチェスと呼ばれていました。
後に13代公爵夫人が公爵家の財政立て直しのために、サファリパークや邸宅の一般公開やティールームの開設をいたします。
そのティールームの名前が「Frying duchess」です。
アフタヌーンティー発祥の地のティールームですが、実際はなかなかカジュアルなティールームです。
ウォーバンアビーからショーメ展への出展はもう一つ。
「アメシストのティアラ」
上記のティアラ同様に、フォサンによる1830年頃の作ですが、こちらはアンナマリアのためのものではなさそうです。
第7代公爵の時代の物ではあるのですが、 それ以上のことが見つけられませんでした。
ご存知の方、ぜひ教えてください。