「顔色が悪いから、血流を良くしよう」
「冷えているから、血行を良くしよう」
「肩がこるから、血流が悪いんだ」
僕たちは、身体の不調があると何でもかんでも、
「血流が悪いから」
と考えがちです。
僕も以前は、普通にそう思っていました。
でも、さとう式リンパケアを学んでいると、この「血流」という言葉に対する見方が少しずつ変わってきます。
今回の「さとう式リンパケア・サイエンス」のテーマは、
「血色と血流」
でした。
そして、話を聞けば聞くほど、
「血流を良くすることより、その先の“現場”のほうが大切なんじゃない?」
という話になっていきます。
これ、なかなか面白いんです。
血液が流れていても、細胞に届くとは限らない
血液は血管の中を流れています。
では、細胞は血管の中にいるのか?
もちろん違います。
細胞は、
血管の外側
にあります。
血液によって運ばれてきた酸素や栄養は、血管から外へ出て、細胞のまわりの水分環境を経て、ようやく細胞へ届けられます。
つまり、
「血液がたくさん流れている」ことと、
「細胞に酸素や栄養がきちんと届いている」ことは同じではない。
ここが今回の大きなポイントです。
道路で例えるなら、
高速道路にトラックがたくさん走っていても、
配送センターから先の道が大渋滞していたら、
荷物は家まで届きません。
高速道路の交通量だけ増やしてもダメなんですね。
大切なのは、
最後の現場まで届けられること。
水道よりも「排水口」が大事?
今回、僕が一番分かりやすいと思ったのが、
水道と排水口の話
でした。
例えば台所のシンク。
蛇口から水が十分出ているとします。
ところが排水口が詰まっていたらどうなるでしょう?
水はどんどん溜まっていきます。
そして、
「これ以上水を出したら溢れる!」
となります。
その時に、
「もっと蛇口から水を出しましょう!」
と言っても、
いやいやいや(笑)
ですよね。
まずやることは、
排水口を整えること。
髪の毛やゴミを取り除いて、流れる状態にする。
そうすれば、蛇口から水をたくさん出しても、ちゃんと流れていきます。
身体でも似たようなことが起きているのではないか。
というのが、今回の話です。
「供給」ばかり見て、「排泄」を忘れている
僕たちは、どうしても「入れること」が好きです。
栄養を入れる。
酸素を入れる。
サプリを飲む。
美容液を塗る。
良いものを食べる。
もちろん、それも大切です。
でも、
入れる前に、出せる状態になっているだろうか?
ここが重要なのかもしれません。
部屋だって同じですよね。
新しい家具を買う。
新しい洋服を買う。
新しいものをどんどん入れる。
でも部屋が物でいっぱいだったら、
まず断捨離しようよ(笑)
となります。
身体も同じ。
入れることと、出すこと。
この両方があって初めて「循環」になります。
赤いから「血色がいい」とは限らない
これも面白い話でした。
一般的には、
顔が赤いと、
「血色がいいですね」
と思います。
でも、赤くなっている理由はいろいろあります。
炎症が起きているところ。
腫れているところ。
目が充血しているところ。
ケガをしたところ。
こうした場所も、
血流は増えています。
つまり、
血流が多い=健康
とは単純に言えないわけです。
身体が酸素不足などを感じ、
「もっと血液を送れ!」
と一生懸命頑張った結果として、赤くなっている場合もある。
だとすると、
赤いことそのものを見るのではなく、
「なぜそこに血液が集まっているのか?」
を見る必要があります。
リンパケアをすると白くなる?
さとう式リンパケアをしたあと、
赤みのある皮膚が白っぽく変化することがあります。
一般的には、
「白くなったなら血流が悪くなったのでは?」
と思ってしまいます。
でも今回の話では、
血管の外側の循環環境が整うことで、
過剰に血液を送る必要がなくなり、
結果として赤みが落ち着く場合がある、
という考え方が紹介されていました。
逆に、
ケアのあとにほんのりピンク色になる人もいます。
身体が温まったことで血管が広がり、血流が増えることもある。
つまり、
白くなるのが正解でも、赤くなるのが正解でもない。
大切なのは、
その人の身体が必要な状態へ戻っていくこと。
僕はここが、さとう式らしいなと思います。
「流す」と「流れる」は全然違う
さとう式リンパケアでは、
「リンパを流す」
という言い方をあまりしません。
ここ、最初はかなり不思議でした。
リンパマッサージと聞けば、
普通は、
「リンパを流すもの」
と思いますよね。
でも、
「流す」と「流れる」は違う。
外から力を加えて、
ギューッと押して移動させる。
これは「流す」。
一方、
身体そのものが循環できる環境を作って、
自然に動き始める。
これは「流れる」。
さとう式が目指しているのは、
後者なんですね。
排水口のフタを開ける
トイレの水を思い浮かべてみてください。
水を手で押して排水管まで運ぶ人はいません(笑)
レバーを回せば、
フタが開いて、
自然に水が流れていきます。
重要なのは、
水そのものを押すことではなく、流れる仕組みを働かせること。
身体の循環も同じように考える。
だから、
強く揉む。
押しつぶす。
グイグイ流す。
という発想ではなく、
身体が本来持っている循環の仕組みを邪魔しない。
むしろ、
その仕組みが働きやすい状態に戻してあげる。
僕はこの考え方がとても好きです。
心臓は血液のポンプ、肺は空気のポンプ
今回もう一つ面白かったのが、
「ポンプ」の話です。
心臓は、
血液のポンプ。
肺は、
空気のポンプ。
では、
血液以外の身体の水分はどうやって動くのでしょう?
今回の動画では、
筋肉や筋膜に起こる圧力変化も、
体液循環に関わる「ポンプ」のような役割を持つのではないか、
という佐藤先生の考えが紹介されていました。
このあたりは、先生が現在研究・論文化を進めている独自の理論も含まれています。
僕としては、
この考え方がとても興味深いんです。
身体は「袋」であり、ポンプでもある
筋肉というと、
僕たちは、
「縮んで身体を動かすもの」
と考えます。
でも、筋肉は膜に包まれています。
身体が動くたびに、
その中の圧力も変化します。
立つ。
歩く。
呼吸する。
身体をゆるめる。
重力がかかる。
こうした変化によって、
身体の中の水分も絶えず動いている。
だとすると、
身体というものは、
血液だけが循環しているのではなく、
身体全体がポンプの集合体
みたいなものなのかもしれません。
「現場で何が起きているのか?」
今回の動画の話を聞いていて、
僕の中で一番残った言葉があります。
それは、
「現場」
です。
血液をたくさん送る。
栄養をたくさん摂る。
酸素をたくさん運ぶ。
それは全部、
供給側の話です。
でも、
実際に酸素や栄養を必要としているのは、
一つひとつの細胞。
つまり、
現場です。
災害の時に、
支援物資が県の集積場所までは大量に届いている。
でも、
本当に必要としている避難所まで届いていない。
そんな状態では、
「支援物資はたくさんあります!」
と言われても、
現場の人にとっては、
「いや、届いてないんですけど……」
となります。
身体も同じかもしれません。
大切なのは、
入口にどれだけあるかではなく、必要な場所まで届いているか。
「血流を良くする」から「循環を整える」へ
今回の話を聞いて、
僕の中では、
「血流を良くする」
という言葉より、
「循環を整える」
という表現のほうがしっくりきました。
入ってくる。
届ける。
使う。
出す。
そしてまた入ってくる。
この一連の流れが、
滞りなく続いている。
それが本当の循環なんでしょうね。
血管だけを見るのではなく、
その外側を見る。
供給だけではなく、
排泄を見る。
「流す」のではなく、
「流れる状態」をつくる。
この視点になると、
身体の見え方がずいぶん変わってきます。
身体も、部屋も、人生も同じ?
最後に動画の中で、
断捨離の話が出てきました。
これも面白かったです。
部屋を整える時、
新しい物を入れる前に、
まず余計な物を出す。
身体も、
新しい栄養をどんどん入れるだけではなく、
出せる身体にする。
そして、これって、
人生も同じなのかもしれません。
新しいものを求める前に、
不要なものを手放す。
過去の思い込み。
「こうしなければならない」
という固定観念。
余計な力み。
不必要な執着。
それらが少し抜けると、
新しいものが自然に入ってくる。
なんだか最近、
身体の話をしていても、
結局全部同じところにつながっていく気がします(笑)
身体は「流してもらう」のを待っているわけではない
僕たちの身体には、
もともと循環する仕組みがあります。
心臓は動いている。
肺は呼吸している。
筋肉も動いている。
体液も動いている。
身体は、
誰かに毎日「流してもらわない」と生きていけないようにはできていません。
本来は、
自分で循環できる身体。
だからこそ、
外から何かをするより、
本来の仕組みが働けるように、
邪魔しているものを取り除く。
力を抜く。
身体の空間を保つ。
ゆるめる。
すると、
身体は自分で動き始める。
流すのではなく、流れる身体へ
血流だけを見るのではなく、
血管の外側を見る。
供給だけではなく、
排泄を見る。
押して流すのではなく、
流れる仕組みを見る。
今回の「血色と血流」の話は、
単なる美容の話ではありませんでした。
むしろ、
身体というものをどう見るのか?
という話だったように思います。
僕たちは、つい外から何かを加えようとします。
もっと栄養。
もっと運動。
もっと刺激。
もっとケア。
でも実は、
足すことより、
邪魔しないこと。
それだけで身体は、
想像以上に賢く働いてくれるのかもしれません。
流す身体から、
流れる身体へ。
そして、
頑張って変える身体から、
本来の働きを取り戻す身体へ。
今回も、
さとう式を学べば学ぶほど、
「身体って本当によくできているな」
と思わされるお話でした。
そしてやっぱり最後は、
身体も部屋も人生も、
まずはお掃除からなのかもしれませんね(笑)
動画はコチラ!

