「年齢を重ねても、できるだけ元気でいたい」
これは、多くの人が願っていることだと思います。
では、同じ年齢なのに、若々しく元気な人と、体の不調が増えていく人がいるのはなぜなのでしょうか。
その違いを考えるうえで、近年よく耳にするキーワードのひとつが、
「慢性炎症」
です。
炎症というと、ケガをしたところが赤く腫れたり、熱をもったりするイメージがあります。
しかし怖いのは、はっきりと痛みを感じる炎症だけではありません。
自分ではほとんど気づかないような小さな炎症が、身体の中で長期間続くことがあります。
それが「慢性炎症」です。
今回は、そんな炎症と毎日の食生活について考えながら、比較的手軽に取り入れられる4つの飲み物をご紹介します。
病気や老化の背景にある「慢性炎症」
炎症の程度を調べる指標のひとつに**CRP(C反応性タンパク)**があります。
炎症そのものは本来、身体を守るために必要な反応です。
問題になるのは、その炎症が必要以上に続いてしまうこと。
食生活、ストレス、睡眠不足、運動不足、喫煙、飲酒など、さまざまな要素が複雑に重なり合い、身体の中に炎症が起こりやすい環境をつくってしまうことがあります。
一方で、健康長寿との関連で研究されている物質のひとつにアディポネクチンがあります。
アディポネクチンは脂肪細胞から分泌される物質で、糖や脂質の代謝など、さまざまな働きとの関係が研究されています。
つまり、これからの健康を考えるとき、
「病気になってから何をするか」だけではなく、普段から炎症を起こしにくい生活をどうつくるか
という視点も大切なのだと思います。
手軽に取り入れたい4つの飲み物
毎日の生活の中で、無理なく取り入れられるものから始めてみるのもいいでしょう。
① 甘酒
まず一つ目は、
甘酒です。
「甘酒って甘いから、身体に悪いんじゃないの?」
と思う人もいるかもしれません。
甘酒には大きく分けて、
- 酒粕に砂糖を加えてつくるもの
- 米麹と米を発酵させてつくるもの
があります。
選ぶのであれば、原材料を確認して、砂糖を加えていない米麹由来の甘酒を選ぶのも一つの方法です。
米麹甘酒には、発酵によって生まれるさまざまな成分が含まれています。
さらに、米由来のフェルラ酸なども知られています。
また、発酵食品を取り入れるという意味では、腸内環境を意識するきっかけにもなります。
ただし、米麹甘酒にも糖質は含まれています。
「身体に良さそうだから」と大量に飲むのではなく、
少量を楽しむ
くらいがちょうどいいのかもしれません。
② ルイボスティー
二つ目は、
ルイボスティー。
南アフリカ原産の植物からつくられるお茶で、カフェインを含まないものが一般的なので、日常的に飲んでいる方も多いと思います。
ルイボスには、
アスパラチン
という特徴的なポリフェノールが含まれています。
植物が自分自身を紫外線などから守るためにつくり出すポリフェノール。
私たちが野菜や果物、お茶などを摂ることの意味を考えると、とても興味深いですね。
そして何より、
無理なく続けられること。
これが健康習慣ではとても大切です。
水分補給の選択肢として、甘いジュースの代わりにルイボスティーを飲む。
そんな小さな置き換えなら、今日からでも始められます。
③ 麦茶
三つ目は、日本人にはとても馴染み深い
麦茶です。
夏になると冷蔵庫に麦茶が入っている家庭も多いですよね。
麦茶の魅力は、
砂糖を加えなくてもおいしく飲めること。
そして、カフェインを含まないものが一般的なので、時間帯をあまり気にせず飲みやすいところです。
麦を焙煎するときに生まれる香ばしい香りには、ピラジン類と呼ばれる成分が関係しています。
健康というと、珍しいものや高価なものを探したくなります。
しかし実際には、
昔から当たり前のように飲んできたものの中に、身体にやさしい選択肢がある。
そう考えると面白いですね。
④ トマトジュース
そして四つ目は、
トマトジュースです。
トマトといえば有名なのが、
リコピン。
トマトの鮮やかな赤色をつくっている色素成分です。
リコピンはカロテノイドの一種で、抗酸化作用との関係について多く研究されています。
ここで大切なのは、商品選び。
「野菜ジュースだから全部健康的」と考えるのではなく、原材料や糖質量などを確認することも大切です。
できれば、
砂糖や甘味料が加えられていないトマトジュース
を選びたいところです。
意外とおいしい「甘酒+トマトジュース」
ちょっと変わった組み合わせですが、
甘酒とトマトジュースを混ぜる
という飲み方もあります。
「えっ、おいしいの?」
と思いますよね(笑)
ところが、甘酒の自然な甘みとトマトの酸味が合わさることで、意外とまろやかな味になります。
甘酒だけでは甘すぎると感じる人にも飲みやすくなります。
目安としては、
甘酒1:トマトジュース1
くらいから試して、自分の好みで調整してみてもいいでしょう。
健康のためだからと我慢して飲むのではなく、
「おいしいから続けられる」
ということも、とても大事だと思います。
「これを飲めば健康」ではない
ここが一番大切です。
甘酒を飲めば健康になる。
ルイボスティーを飲めば病気にならない。
トマトジュースを飲めば炎症が消える。
そんな単純な話ではありません。
身体はもっと複雑です。
食事だけではなく、
睡眠、運動、呼吸、ストレス、人間関係、生活環境など、たくさんのものが影響し合っています。
だからこそ、
何か一つに頼るのではなく、身体が本来持っている力を邪魔しない生活を積み重ねていく。
そんな考え方が大切なのではないでしょうか。
健康とは「毎日の小さな選択」の積み重ね
「何を食べればいい?」
「何を飲めばいい?」
と、ついつい特別な答えを探したくなります。
しかし本当は、
今日ジュースではなく麦茶にしてみる。
コーヒーばかりだったところを、ルイボスティーに変えてみる。
朝に少量の甘酒を取り入れてみる。
トマトジュースを一本飲んでみる。
そんな小さな選択の積み重ねなのかもしれません。
身体の中では、私たちが意識していない瞬間にも、何兆個もの細胞が働き続けています。
その身体に対して、
「もっと頑張れ!」
と無理をさせるのではなく、
身体が働きやすい環境をつくってあげる。
それが、頑張らない健康法の基本なのだと思います。
100歳まで生きることだけが目的ではありません。
大切なのは、
何歳になっても、自分の足で歩き、笑い、食べ、好きな人と話し、自分らしく生きられること。
今日飲む「一杯」。
そんな何気ないところから、未来の身体はつくられていくのかもしれません。

