大学時代、アイドル研究の第一人者である稲増龍夫教授の講義、「メディア文化論」を受講して大変感銘を受けました。
いわゆる「大きな物語の終焉」以後の“ポストモダン”を論じる内容でした。
山口百恵さんのように苦難を乗り越えて成長していくサクセスストーリーを「大きな物語」と捉えると、ふつうの家庭で何不自由なく育った松田聖子さんのようなアイドルを“ポストモダン的”と対照するわけです。
広告で言えば、商品の機能や品質を訴求するのが「大きな物語」であったのに対し、ナンセンスなコピーで人気を博した糸井重里さんは“ポストモダン的”です。
大晦日は紅白歌合戦という「大きな物語」が解体して、見る番組が多様化しました。「国民的流行」から「マイブーム」へ、個人主義化という“ポストモダン”の特徴ですね。
『Gメン75』や『西部警察』といった刑事ドラマから、コメディタッチに描いた『踊る大捜査線』へ。警察への信頼という「大きな物語」を解体した作品です。
正義のヒーローとして描かれてきた『鉄腕アトム』、『仮面ライダー』、『美少女戦士セーラームーン』などを「大きな物語」とすると、正義と悪という対立軸が曖昧な『新世紀エヴァンゲリオン』は“ポストモダン”です。
『TIGER & BUNNY』を考えてみたとき、視聴率重視でヒーローを中継するという画は“ポストモダン”ですね。キャラクターで見ると、ワイルドタイガーはモダン的、初期のバーナビーはポストモダン的な気がします。
私はカリーナ・ライル目当てで「タイバニ」に入っていったわけですが、「物語消費」から「データベース消費」(東浩紀『動物化するポストモダン』)というポストモダニストだといえますね。