最近の株の高騰で思い出しました。

カイシャにいた変な人。ある部署で同僚だったのですが、ある日外線にその人あて、明らかにセールスらしい電話がかかってきました。いないと言いましょうか、と聞いたのですが、おもしろそうだから出てみる、と言って、15分後には、いやあ、電話でこんなうまい話があるんだなあ、などと言っています。これ、ダメなやつでは、と思ったのですが、やっぱりそうでした。

それはワンルームマンション投資の勧誘電話で、ローンでお金を借りてマンションを買い、そこを貸し出すと、返済額と家賃の差額で、月に2万円はポケットに入る、などと言います。あのね、そんな話をわざわざ電話で勧誘してくるはずがない、本当にそうならその会社が事業としてやるでしょう、と言ったのですが、聞き入れません。

 



結局表参道だかのワンルームを買ってしまいましたが、その後もカイシャの電話に何度もかかってきて、エアコンが壊れただの、洗面台をイマドキのにしないと、などと次々にお金をむしられ、儲かるどころではなかったようです。それでも本人は不動産所得の赤字で確定申告すれば所得税が戻るので損はしていない、などと意味のわからないことを言っていました。

さらにこの人、この悪い会社に取り込まれて、カイシャの人を同じワンルームマンション投資に勧誘するようになっていました。私の知るだけで被害者が2人。1人紹介するごとに10万円もらっていたようです。そういうことも全部電話で大声で話しているので、はたからもまるわかりでした。

被害者の一人がカイシャに相談して、それなりの懲罰も受けたようで、さすがに居づらくなったのか、50歳で優遇退職金制度を使って辞めてしまいました。辞めてどうするのか、と聞くと、退職金で株を買って生活する、そのために数十万円払って「株の学校」に行くから、絶対に損はしない、とまた、意味のわからないことを言っていました。

自分がどんなにだまされやすいか、すでにカモられているか、ということにまったく気づいていないようでした。

さて、あの人は今の株高で大儲けしているでしょうか。おそらく、それ以前に退職金をすってしまっている、というほうに賭けますが、だれか逆に賭ける人はいますか。