ダイハツの検査不正が問題となりまして。

その際に話題になったのが、「で?」上司というような存在ですね。何か問題が生じたり、部下が困ったりして相談しても「で?」という反応しかしない、何もしてくれないどころか、だからどうしたんだ、的な態度を取る人。

これに対する世の中の反応は、そんな人がどうしてダイハツともあろう大会社で役職についているのだ、というものが多かったのですが、ウチの企業グループの人はみんな困惑していたのではないでしょうか。なぜなら、上司というのはそれが普通だからです。

 



ウチのカイシャだと、何か問題が生じる→当面の対策をする→対策できたことを確認する→再発防止策を講じる、と、ここまでやってから上司のところに持って行き、このような問題がありましたが、このように対策しました。再発防止策はこれです、と報告して、ようやく、そんなことがあったのか、あるいは、何をやっているんだ、と言われる、というところです。

そんなことをやっているから、問題が起こっても上に上がるのは長い時間が経ってからになりますし、その過程で、当然これは伝えたくない、伝えてもムダだからなかったことにしよう、という意識は発生します。実際それでお客さまから営業部署にクレームになるまで、技術的な齟齬が報告されなかった、という事例はいくつもあります。

「で?」上司が働いていないわけではないのですが、どうも上級管理職になってしまうと、部下のほうを向いた仕事というのができなくなって、その職位なりの仕事で忙殺されてしまうようで、ウチのカイシャでは、係長級の人が課長級に昇進するのは、かならずしもおめでたいことではありません。

あんなによくできる、親切な人だったのに、課長になっちゃうのか、というように受け止められます。ああ、「で?」しか言わない人が増える、という感じですね。

腹が立つでも、情けないでもなく、ひたすら困ります。なので、検査データを偽造したり、検査を受ける車両にだけ特殊な加工をした、というダイハツの人たちの気持ちはよくわかります。他にどうしようもない、問題が出て新車の発売が遅れます、ということが許されない環境で、「で?」上司しかいなかったのですものね。

あれが報じられてさえ、ウチのカイシャにはいっぱいいますけどね。その日の朝に、何かあったら何でも自分に言うように、という指示を出した人に、午後から、こういう問題が、と持って行くと「で?」と言われることもめずらしくありません。それで普通です。

よその会社さんって、違うんですか?