なんと読むのかわからないんですけどね。

レザーなりレーザーなりで読ませてしまうのかな。謎に包まれたままの、NASAが実験した補助推力装置です。高速偵察機SR-71専用で、同機の実用最高速度マッハ3.3を3.4まで加速させるという意図で試作されました。

 



試作・実験にはロッキードマーティンの高難度設計・試作チームである「スカンクワークス」があたり、何回かの実験飛行が行われました。推進器としてはそれなりの性能を出せたようなのですが、この装置とその基部による空気抵抗の増大によって推力の増加は相殺されてしまい、実際に速度が増すことはありませんでした。失敗だ。

というわけで、ウチのクラブの来年静岡ホビーショーのお題の一機です。もちろん売り物はこの「LASRE装置」です。こんなものを自作しようとは思わないので、まあ、結果的には自作したほうが楽だったかもしれないのですが、イギリスから3Dプリンター製の部品を個人輸入しました。

 



この部品がまた、とんでもないクセモノで、まず、表面が硬化していない樹脂でねとついており、それをなんとか洗浄して落としても、基本的に模型用の塗料では塗れません。一応塗料が貼りついてはいますが、強くこするとはがれます。

後知恵ですが、自動車用の下地塗料を使っておけばなんとかなったかもしれないのですが、そんなことを言ってみても仕方がないし、これのために自動車用のサーフェーサースプレーを一缶買っても持て余すし、さすがにそれをマンションで使うのはダメだろうし。

 



さらに、部品全体が「逆への字」に反ってしまっており、これはなんとかゴマ化せないかと思ったのですが、どうにもならず、ほぼ完成の状態から基部の途中にカミソリノコで切り込みを入れて曲げよう、としたところ、曲がる材質ではなかったために見事にへし折れ、それを再接合して下塗り上塗りともにやり直しています。

よく見ると、そうそう複雑な形のものでものなく、ここまでするくらいならプラ板で組んだものを裏打ちして削り出してしまうこともできたかもしてないですね。

機体そのものの塗装は、今回のクラブ内ルールである、黒単色塗り禁止、という今思えば無意味に高い自己ハードルとなってしまったものです。チャコールグレイの下塗りの上に、薄い黒を何色か重ねて、陰影を強調し、さらに機体外縁部の劣化部分にはエナメル系塗料の明るいグレイをドライブラシしていますが、特にドライブラシ部分については、上からトップコートをしてしまうと、サブリミナル効果くらいにしか見えなくなってしまいました。

今回の私のタスクとしてはあと一機で、これは塗装そのものでツートンの塗り分けとなります。まだまだ、楽な道ではありません。