しばらく前に、mixiのつぶやきのお題で。

「最高の上司にめぐりあったことがありますか」というのがありました。ふっと鼻で笑って、最悪の上司ならあったけどね、と思ったのでした。しかも複数。どれが本当に最悪やら、順位がつけられないほど。

なかでもあれはひどかったなあ、というのが、人勤部門から本社御殿時代の上司になったI氏ですね。人勤からきたのに、そちらのほうの仕事にもとりたてて明るいというわけでもなく、当時私のやっていた法務についてはまったくのシロウト以下でした。そして、そういう人にはよくあるのですが、何の根拠もなく自分は法務がわかる、と思い込んでいたようです。

この人の下で私はある法務上のウルトラC的な仕事をやりました。子会社間の親子関係(資本関係)を一気に変えるのとともに、地域子会社のいくつかは他の子会社に吸収合併させ、おまけにそのすべてをある期日に一斉に登記してしまう。トドメにこの全体の再編には、一円のお金(資本金や株式の代金)も動かさない、というものです。

 



手掛かりは当時の副本部長が示した、こういうことができるらしいよ、というメモだけ。そこから、本業のカイシャ法務部門の人と、司法書士さんと打ち合わせをして、まあ、実は私にだってこんなことできっこないので、司法書士さんの示してくれた書式をウチのカイシャ向けにアレンジして、取締役会決議、会社印の押印、という手続きをひたすら進めました。

このやりかたはウチの企業グループでも初だったので、ケイレツ他社からやりかたを教えてくれ、と訪問を受けるほどでした。このときの上司がI氏です。でも、この人の関与は、本当に私の作った会社印の押印申請にハンコを押していたくらいなものです。

で、その仕事が一段落して、その次の期の「個人業績評価」で耳を疑うことになりました。この子会社再編は、I氏の指揮命令の下に、私は実務をやっただけで、功績は全部I氏、と言われたのです。誰がそんなことを言っているのですか、と聞くと、当のI氏が自分の業績としてそのように書いているから、ですと。

びっくりするやら呆れるやら。あの人は何もしていませんよ、と言っても聞き入れられません。まんまと私の業績を全部盗んだのですね。こんなヤツ、本当にいるのか、と、おそろしくなりましたね。

ただし、そう都合よくは行かないのです。この再編の仕事ができる人なら、ウチで同じことをやって下さい、というので、ケイレツ他社の人から請われて、I氏はそこへ出向することになりました。でも、本人はこの仕事の内容なんて何も理解していません。さすがに私に聞くほど厚顔ではなかったようですし、私は他の人に間接的に聞かれても、リクツだけ説明はするものの、司法書士さんのくれた資料が紙だったのをよいことに、ファイルにしまいこんで提示はしませんでした。それくらいの報復はしますよ。

I氏はたったの1年で出向先から返品されてきました。何もできないのだからあたりまえですね。その後しばらくは本社御殿にいたようですが、やがて他の系列に出向となって、今度はそのまま転籍となりました。さしもの本社御殿も、そこまで甘くも、節穴でもなかったようです。

ただまあ、アレですよね。コイツがダメだった、とわかったのなら、実はアイツがやったのか、ということで、私の評価が爆上がりしてもよさそうに思うのですが、不思議とそうはならないんだなあ。これが。