きっと、彼の描いた「ボレロ」の完璧版を観られたのではないでしょうか。
後悔はありません。
新横浜ではチケット代をケチったせいで、実は『ボレロ』を堪能できていませんでした。
肝心なところで頭しか見えない、向うへ行ってしまうと完全に見えない、彼の世界観が半分も味わえなくて、その場でプリンスアイスワールド側が押さえているチケットの中から最もセンターに近い席をとったのが東京公演の初日の夜の回でした。東伏見もその一回きり、見納めました。
正直なところ油断していたんです。
いつまでも楽しめると勘違いしていたから、
毎年新作を発表し続けてくれるんだと、勝手に思い込もうとしていたのかな?
そんな、余裕で構えていたというか、
もう2014年のような衝撃を味わいたくはなかったから、
一度は2014年の師走に、絶望的に、フィギュアスケートからの引退を予測しながらも気持ちが受け止めきれなかったから、
プリンスアイスワールドでの町田樹フィギュアスケート作品発表をライフワークとしてくれるんだと決めつけて、
彼らしさを彼らしい思考を考えないようにしていたのかもしれない…
でも、まさか表現者としてスケーターを引退する、なんて思っていなくて、またしても思考の外…やられました。
え?って、私だけじゃないでしょ?
第一部のゲストは三原舞依選手、坂本花織選手、樋口新葉選手で期待通りの出来をみせてくれました。特に坂本花織ちゃんはダイナミックさが全体の流れに溶け込んでいて見応えがあり、今年もまた活躍してくれそうな予感です。舞依ちゃんの可憐さも好ましく、女子はここに紀平梨花選手、宮原知子選手が加わってグランプリシリーズや代表選手選考がまた大変な賑わいになりそうで、そういう意味で安心です。
第二部の織田信成さんはちょうどその日、ジャパンオープンの日本選手として宇野昌磨選手とエントリーが発表されたばかりで、もうそのまま大ちゃんと一緒に復帰しちゃえば?と推したくなるくらい素晴らしい演技でした。
安藤美姫さんも上手さが際立ってましたね。佳菜ちゃんも昨年よりずっと上手くなっているし、現役時代は回転数だの連続ジャンプだの採点競技の押さえるところばかりに気をとられて、それが競技だから仕方ないとはいえ、今の演技の方が格段に良いんです。
全日本とアイスショーを交互に観ていると、いったいフィギュアスケート競技ってなんなんだろ?ってモヤモヤが年々膨らんでしまいます。
それを演技で語っているのが町田樹さんなんだと思います。競技が全てではないプロの世界を牽引してくれたと感じます。
プリンスアイスワールドチームもそうですよね。
群舞とはいえ、ソロパートもあるし、曲への理解が求めれらるから、大勢いると出来ている子と人数合わせ的な演技しかまだできていない子との落差がはっきり。
今年も瀬尾茜ちゃんの音を充分使ったポーズのとり方、美しいポジションなど魅せてくれました。
同じ振りなのにさっさと手を挙げてあとの音はただ待つだけなんて女の子が隣にいると、良い見本がいるのに、なんて心配しちゃいます。
おぬくんと滑った『スマイル』素敵でした
あの肌色の衣裳は真央ちゃんリスペクトかな~
小沼くんも最後の全日本の何倍も表現力が上がっていてもうすっかりPIWの顔ですよね
あ、町田君のお写真一枚もありません
撮影は最初からあきらめて、にこにことしっかりとふれあいタイムしている樹氏を眺めました。
最終日の最終公演では氷に手をつけてあいさつした後、にこにこと笑顔で幕に消えたそうですね。
2014年のSPのあと既に泣きながら、翌FS、翌々日代表発表時の辞退後、長野のリンクとお別れをしていた町田センセイの今回はしあわせなお別れなのかな、あの時は「晴れやかな」というご本人の言葉に違和感があったから。今回は本当に晴れやかな気持ちなのでは、と。
数か月前に申し込んでいたPIW広島公演のチケットが届きました。
8月のここがPIWでの町田樹氏最終公演になります。
広島で「勇気があれば」を聴きたい
PIW特別公演としてHIDEKIさんの歌唱曲を一曲入れてほしいな