氷艶 ① | 海をみていたい

海をみていたい

日常。思ったこと、メモがわりだったり、テンションあがって発信したかったり、観劇、観戦、鑑賞日記です。
濱田めぐみさん、町田樹さん、パナソニックワイルドナイツ好き、現在連日HIDEKIさんを思い出しています。
趣味は携帯写真。

ジャンルはフィギュアスケートでしょうか?歌舞伎?

音楽のある演劇かな。

音楽劇とも違う、ジャンル分けは難しいですが間違いなく贅沢で豪華なエンターテイメントショーでした。

演劇的にも面白かったですし、大きな箱をその規模に合わせ、見せ所を駆使した工夫の宝箱のようでした。

 

 

席はもの凄く遠い2階席を購入したんです。

それでもお値段は1万6千円。

えっと、場所は代々木の国立競技場体育館。幕張のてっぺんとかさいたまスーパーアリーナのてっぺん位にリンクから遠いです。

 

下記の画像は検索でさがしたもので、公演スタッフさんが撮ったんでしょうか?実際は反対側北でした。

しかもS席の前の方はかなり空いているのになぜ天井の席から販売したのでしょうかね?とにかく後ろの席でした。

この販売方法には他のフィギュアスケート公演もそうですがかなり頭に来ています。

TVKのようにちゃんと座席を選べるようにするか、前方の席から販売してほしいです。これはアーチスト側になんの権限もないでしょうから、チケットを取り扱う販売業者さんに対して強く抗議したいところですね。

 

出演者ひとりひとりは豆粒にしか見えません。

しかも大きく映してくれるモニターもありません。

幕張やさいたまのそのクオリティの席だったら一桁安いはずです。

で、文句も言いたくなります!

 

ところが、凄いエンターテイメントだったので、

逆に上から全体が見えたので、この氷艶の何が素晴らしいかを冷静に目撃することが出来たんです。

 

ストーリーは、

…これも普通だったらはちゃめちゃです!なんでもありなんです。

くっだらないミュージカルなんて見させられたら罵詈雑言の私ですが、染五郎さんのアイディアは凄いとしか言いようがありません。

★teamLabのプロジェクションマッピングのクオリティの高さも天井席だからこそ味わえたとも言えます。

単純なお話とか、なんでも詰め合わせとか、ギリシャ神話?とか、あれもこれも詰め込んで間髪入れずに次々と魅せてくれるんです。

そして演じるスケーターの皆さんが揃いも揃って上手いんです。

 

大好きなミュージカルで腹が立つのが下手くそな(大人の事情で出演される)キャストが舞台をぶち壊してしまうのに制作側が厚顔で出演させ続けるという愚行なんです。

 

ところがこの氷艶に出演されたスケーターの皆さん、多分どなたも演劇学校など卒業されていないのにストーリーをその役柄を演じることが出来る人たちばかりなんです。

 

どなたも現役の時から、もちろん現役選手時代は競技生活で勝たなければ仕方のない世界で戦ってきた人たちばかりですが、

特筆なのは彼らが、彼女たちは順位を競ってきていたのに私たちの心にはその曲への深い創造性のある思い、アーチスティックなスケーティングが伝わってくるスケーターさんばかりなんです。

その筆頭が大ちゃんでしょうか。そして大ちゃんだけでなくアンサンブルで演じたスケーターさんたち全て素晴らしかったんです。

 

だからでしょうね、染五郎さんの演技指導ももちろんですが、もし演劇的素養のない選手だったらこんなにも短い期間の、しかも深夜から明け方にしかスケート場が借りられない現在の日本のスケート場事情の中にあって、こんな素晴らしい演技を披露することなんか出来ないはずですから。

 

そのてっぺんから一際華やいだ美しさを見せてくれたのが浅田舞さん。

豆粒と書きましたが、見えている大きさは豆粒より小さいのにその抜群のプロポーションと美しさと演技力は輝いていました。

 

 

舞ちゃんがこの物語のヒロインでもあります。

日本の神話に出てくるお姫さまの役で木花開耶姫というんです。

なんと読むんでしょうか?

HPによると日本神話に登場する女神の一人で、『破沙羅』の物語のヒロインである。国つ神の姉妹の妹姫で、清らかに美しく咲く一時の花の象徴。姉の岩長姫と共に瓊瓊杵尊のもとに嫁ぐと、木花は尊に恋心を抱き、尊も木花の美しさを見初めて心を奪われる。二人は岩長姫を置き去り駆け落ちしていく。

そうなんです。この役にぴったりな舞ちゃんが尊と恋の逃避行をしてしまうことで壮大なおもちゃ箱が上や下へ文字通り大変なことになってしまいます。

 

その尊を演じるのが殿。

笑っちゃうんですが、殿もこれまたぴったりな配役。

ひらひらの西洋風王子様な衣裳の殿をこれまでに何度も目撃していますが、だめです。殿にはこれしかなかったんですね!と言いきっちゃう。

それほど本当に平安時代風の皇子さま衣裳がお似合いでニコニコ~

 

 

ここまで書いて、観ていない方には疑問がありますよね。

そうなんです。舞ちゃんも殿にもセリフはありません。

けれどもとにかくスケーターの皆さんの演技が上手いということは記しておかなければ。

そして大きな役割をされていらっしゃったのが岩長姫。

市川笑也さんが終始物語を牽引されていらっしゃったんです。

しかもスケート靴を履いたまま。これって本当にすごいことですよね!

HPから日本神話に登場する女神の一人で、『破沙羅』の物語では悪役のヒロインである。国つ神の姉妹の姉姫で、岩のように永遠に変わらぬ命を持つ。瓊瓊杵尊のもとに妹姫の木花開耶姫と共に嫁ぐが、尊が木花一人だけを選んだので、岩長姫は二人を恨み世を恨んで心を悪に染め、復讐の為、仁木弾正を呼び覚ます。

ここから勧善懲悪物語が始まるんです。

悪のグループにほぼ歌舞伎メンバーが演じ、善軍団がほぼフィギュアスケートの面々で演じられます。

 

 

市川笑也さんのこと、ほとんど存じあげなかったので

こちらもHPから

歌舞伎俳優。1959年4月14日生まれ。1980年3月国立劇場第五期歌舞伎俳優研修修了。4月国立劇場小劇場『絵本合法衢』の中間で泉山太男の名で初舞台。1981年2月三代目市川猿之助(現・猿翁)に入門し、二代目市川笑也を名のる。1990年2月猿之助の部屋子となる。1998年7月歌舞伎座『義経千本桜』鳥居前の静御前で名題昇進。
スーパー歌舞伎でヒロインに抜擢され、清新な演技と美貌で一躍スターの座を獲得し注目された。声が綺麗で、透明感のある芸風で人気がある。近年では、『義経千本桜 河連法眼館』静御前、『仮名手本忠臣蔵 九段目』由良之助妻お石、『平家女護島 俊寛』海女千鳥、『獨道中五十三驛』重の井姫などの古典の女方に加え、『華果西遊記』の三蔵法師や『祇園祭礼信仰記 金閣寺』の狩野之介直信など、気品ある二枚目や若衆の役にも定評がある。『スーパー歌舞伎Ⅱ ワンピース』での印象的な演技も記憶に新しい。
 

 

導入部だけで長文となってしまいましたにこ