ホイットニー・ヒューストン I WANNA DANCE WITH SOMEBODY
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原題:I Wanna Dance with Somebody
監督 ケイシー・レモンズ
脚本 アンソニー・マクカーテン
出演
ホイットニー・ヒューストン/ナオミ・アッキー
クライヴ・デイヴィス/スタンリー・トゥッチ
ボビー・ブラウン/アシュトン・サンダース
シシー・ヒューストン/タマラ・チュニー
ロビン・クロフォード/ナフェッサ・ウィリアムズ
ジョン・ヒューストン/クラーク・ピータース
(あらすじ)
黒人の少ないカソリック系の女子高生・
ホイットニー・エリザベス・ヒューストンは
歌手の母・シシーの下で
歌のレッスンを積んでいた。
「頭、心、ガッツで歌え!」というのがシシーの教えだ。
彼女は短大生のロビンと親しくなる。
シシーと父・ジョンは不仲である。
ジョンは彼女のマネージャーで
主夫的な存在だった。
2人はとうとう離婚してしまった。
淋しさゆえホイットニーはコカインをやっており、
ロビンが心の拠り所となった。
2人は同性愛の関係となって、一緒に暮らし始めた。
シシーのステージに
名プロデューサー・クライヴがやって来た。
ホイットニーの歌声を聴き、
彼は彼女と契約することにした。
クライヴは彼女をテレビ出演させ、
彼女は♪HOME を歌い、熱狂を持って受け入れられた。
ホイットニーはジョンから
スキャンダルを避けるためにロビンとの関係を解消し、
男を作るように言われ、
デュエットしたジャーメイン・ジャクソンとセックスする。
その事を知ったロビンは激怒するが、
ホイットニーに懇願されて
親友として側にいることに納得した。
彼女はホイットニーのパーソナル・アシスタントとなった。
ホイットニーは瞬く間にスターになり、
ビートルズの全米No.1曲の連続記録を抜いた。
その中の1曲、
♪I Wanna Dance With Somebody(Who Loves Me) には
自由に恋愛出来ない自身の気持ちを重ねていた。
彼女はその素晴らしい歌声から
THE VOICEと形容されるようになる。
ジョンはホイットニーのマネージメントを始めたが、
経理はずさんなもので、若い愛人もはべらせていた。
彼女の曲が白すぎるという批判を受け、
オレオとブーイングを受ける。
そんな彼女を励ましたのが
当時飛ぶ鳥を落とす勢いだった
(R&B界のバッド・ボーイこと)ボビー・ブラウンだった。
2人は恋に落ちる。
プリンセスと呼ばれていた彼女だったが、
ありのままの自分でいることを決める。
スーパーボウルで国歌をドレスダウンで斉唱し、
喝采を受けるホイットニー。
ボビーはプレイボーイで
彼女にプロポーズした際に
別の女を妊娠させていることを告白する。
激怒しながらも
ホイットニーは家族を持ちたいという気持ちから
彼を受け入れる。
ホイットニーはビッグネームだったケビン・コスナーと共演する
「ボディガード」で映画初出演。
撮影中にボビーの子供を流産してしまう。
すっかり弱った彼女にボビーは仕事を続けることを勧める。
映画とサントラによって彼女のキャリアはピークを迎え、
ボビーと結婚式を挙げ、
娘(ボビ・クリスティーナ)にも恵まれた。
だが彼女は多忙さ、父の傲慢、ボビーの不誠実さから
酒、たばこ、コカインに溺れた
堕落した生活を送るようになっていく。
彼女は自分の家とは違う、
温かい家庭を作りたいだけだったのだが。
以前はピンとこなかった
♪Why Does It Hurt So Bad をレコーディングする。
アーティストの私生活には口を出さない主義のクライブだったが
彼女の様子を見てリハビリ施設に入るように言う。
彼女はクライブが同性愛者であることを知る。
ジョンが入院し、見舞いに行くも
金のことしか話さない彼に失望するホイットニー。
葬儀の際、ドラッグ塗れの彼女を見たシシーは
警察を呼ぶ。
リハビリ施設に入ったホイットニーは
ボビーと離婚する。
そしてクライヴ、シシー、ロビン、ボビが見守る中、
オープラ・ウィンフリーのテレビ番組で
♪I Didn't Know My Own Strength を熱唱して
復活を果たす。
ツアーをすることを決めたホイットニーだったが
クライブには休養を勧められる。
ツアーは散々な酷評を受けることになった。
ニュースでは彼女がデビュー前に出演した際に歌った
♪HOMEの映像が流れていた。
彼女はもうかつてのようには歌えない。
2012年、クライブの主催するグラミー賞のパーティーで
歌うことになっていたホイットニーは
♪HOMEを歌うことを決める。
だが、不安からまたドラッグを買ってしまった。
前日、ホテルに滞在し、
立ち寄ったバーのバーテンは
彼女の最高のパフォーマンスと言われている
1994年のAMAの
♪I Love You,Porgy~And I am Telling I'm Not Going~I Have Nothingの
メドレーを客席で観ていたと言う。
称賛されるも
「あれは19年前のことだ」と応えるホイットニーに
「でもあなたの美しさは変わらない。声だって変わらないはずだ」と
言われる。
外では旬のアリシア・キーズの来訪に狂喜する声がしていた。
ホイットニーはバスタブに入りながらコカインをやって
亡くなってしまった。48歳だった。
彼女の脳裏に浮かぶのは
19年前のパフォーマンスだった。
(感想)
ホイットニーは自分が洋楽を聴き始めた頃にデビューしたので
ずっとリアルタイムで追っていた。大好きだった。
デビューアルバムの「そよ風の贈りもの」なんて
-アルバムにそよ風の贈りもの、なんてニュアンスは何もないんだけど、
言い得て妙な良い日本題-
輸入盤LP、日本盤LP、日本盤CD、25周年記念盤も持っている。
彼女のヴォーカルは
後期のコカインで声がスカスカになっていた時も
テクニックが感じられた。聴いていて凄く残念だったけど。
稀有な才能の持ち主だった。
とても思い入れのある歌手なので、
予告編でナオミを見た時には
顔が全く似ていないのでがっかりした。
ホイットニーは相当に美人だったことがわかった。
ナオミはかわいい感じ。
が、映画館でホイットニーの曲を聴きたくなったので
観に行くことにした。
初日レイトショー、客は10人。年齢層は高い。
ナオミは顔は全然ホイットニー・ヒューストンに似ていないが
衣装は同じだし、
雰囲気作りがうまく、全く違和感がなかった。
特にただ歌いたかったデビュー前と、
すべてに疲れ果てた凋落後がとてもいい。声もかすれていく。
ボビーはもっとパフォーマンス・シーンをちゃんと撮るべきだった。
あれじゃホイットニーが惚れるわけがない。
当時の彼は本当に格好良かったし、スターだった。
ろくでなしとはいえ、そこはフォローしてあげたい。
スタンリーは素晴らしい。クライヴそっくり。
タマラもいい。
ボビ・クリスティーナも似ていた。
ボビも亡くなっているんだよね…
ストレートの男はろくでなしばかりで、
ゲイと女たちが彼女の再起を支えることになっているのだが…
どうだろ?(笑)
♪HOMEや、
♪I Wanna Dance With Somebody(Who Loves Me) 、
♪Why Does It Hurt So Bad に込められていた予想外の思い、
とても切なかった。
人生はピークで死ねない虚しさをラストシーンで感じた。
51歳の自分にとってはとてもシビアだった。
印象的な構成だった。
自分はもうホイットニーより年上になってしまったことに驚く。
2012年にはホットだったアリシアが
もう売れていないことに時の流れを感じた。
彼女にまつわる書籍は結構読んでいるんだけど、
ソフトタッチだが神格化はしていない。
製作にクライヴの名前があったので危惧したが。
伝記映画としていい出来だ。
やっぱり彼女の声・楽曲・才能・功績は素晴らしい-
そのことを再確認出来た。
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