ミラベルと魔法だらけの家

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原題：Encanto

2021/11/26
2022/02/18

監督 バイロン・ハワード
監督・脚本　ジャレド・ブッシュ
脚本　チャリーズ・カストロ・スミス
音楽　リン＝マニュエル・ミランダ

声の出演（吹き替え）

ミラベル・マドリガル/ステファニー・ベアトリス(斎藤瑠希)

おじ・ブルーノ/ジョン・レグイザモ(中井和哉)
祖母・アルマ/マリア・セシリア・ボテロ(中尾ミエ)

長姉・イサベラ/ダイアン・ゲレロ(平野綾)
次姉・ルイーサ/ジェシカ・ダロウ(ゆめっち-3時のヒロイン）
母・フリエッタ/アンジー・セペダ(冬馬由美)
父・アグスティン/ウィルマー・バルデラマ(関智一)

おば・ペパ/カロリーナ・ガイタン(藤田朋子)
その夫・フェリックス/マウロ・カスティージョ(勝矢)
その娘・ドロレス/アダッサ（大平あひる)
その息子・カミロ・マドリガル/レンジー・フェリズ(畠中祐)
その息子・アントニオ・マドリガル/ラヴィ・キャボット＝コニャーズ(木村新汰)

イザベラの婚約者・マリアーノ・グズマン/マルーマ(武内駿輔)

（あらすじ）

南米・コロンビア奥地の町
「エンカント」にある
魔法の力を持つ家「カシータ」。

そこに住むマドリガル家の子どもたちは、
５歳になると
1人1人に異なる
「魔法の才能(＝ギフト)」を
カシータからプレゼントされる。

５歳になるミラベルに
祖母・アルマが語る-

昔、アルマは夫・ペドロと
生まれたばかりの三つ子の赤ん坊（ブルーノ、フリエッタ、ペパ）を抱えて故郷から逃げていた。

ペドロは命を落とすが、
その直後、アルマは奇跡を授かった。

ペドロが持っていたロウソクに魔法の力が宿り
ロウソクの炎が激しくなると追っ手との間に山を作り、
アルマと仲間を守る谷となった。

ロウソクは燃え続け、カシータという家とともに
マドリガル家を守っていた。

アルマといっしょに逃げた仲間たちはそこに留まり、
エンカントの集落で暮らし始めた。
アルマは仲間を魔法の力で守ってきた。
「もう故郷を失いたくない」という思いで…-

が、ギフトを授けてくれるドアノブを回した
ミラベルにギフトはなかった…

料理の才能で人を癒す母・フリエッタ、
花の魔法が使えて完璧な優等生である長姉・イザベラ、
怪力を持つ次姉・ルイ―サ、
天気を操るおば・ペパ、
聴力に優れたその娘・ドロレス、
姿を変えることが出来るその息子・カミロ。

15歳になったミラベルは
元気に振る舞ってはいたが、
1人だけ魔法を使えないことに
コンプレックスを抱いていて、
周囲の役に立とうと行動するも空回りが多かった。

そんな彼女にアルマは冷たい。

おば夫婦の次男・アントニオが５歳になり、
動物と話せるギフトを与えられた夜、
ミラベルは
カシータに亀裂が入る様子を目の当たりにする。

驚いたミラベルは慌てて知らせに行くが
家に異変はなく、
アルマに厳しく注意される。

が、二度も家を失うわけにはいかないと
ひそかに悩むアルマの姿を見て、
ミラベルは奇跡を救おうと考える。

ミラベルは亀裂の原因を突き止めようと家族から話を聞き、
実は彼らの魔法の力が弱まっていることを知る。

そして、家族と長らく疎遠になり、
禁句となっている
未来予知の力を持つおじ・ブルーノに話を聞くため、
彼の部屋にある塔に登るが、
そこで未来のビジョンを発見し、原因が自分にあると知る。

（感想）

映画館で見た予告編でおもしろそうだと思ったのと、
米英チャートをサントラが席巻しているので
観賞してみた。

この映画は

・迫害の歴史
・古い因習に囚われた老人による過保護さによって
若者の躍進を妨げている老害問題
・最近多い「誰だって特別な存在」思考
→けど現実は世間はそんなに優しくない

みたいなことが織り込まれていて
ラテン音楽をバックに楽しい雰囲気にありながら、
なかなかシビアであり、奥が深かった。
良い作品だった。

鬱陶しい周囲の声や
血縁ゆえの遠慮のなさに暮らしながら
元気に振る舞いつつも
とことん追い詰められていく
ディズニー初のメガネ・ヒロインのミラベルだが、
また立ち直る彼女は愛すべきキャラだった。

老害的存在にしか見えなかったアルマの
それまでの不幸な回想シーンがあったことで、
彼女の場合は
家族や仲間を思ってゆえの言動であったことがわかり、
同情と切なさを感じ、老害とは呼べないと思わせた。

自分が悪者になっても
家族を守ろうとする優しいブルーノおじさんはじめ
マドリガル家には基本的に悪人はひとりもおらず、
彼らを慕う住民たちも反旗を翻したりはしない。
「こんなふうにはなれまい」とは思いつつ、
「こんなふうになれたらいいな」と思える結末だった。

そしてやはり音楽は素晴らしい。
♪We Don't Talk About Bruno は替え歌が出来そう。

おすすめの1本。

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