『パラサイト 半地下の家族』

2020/01/10

監督・脚本　ポン・ジュノ
脚本　ハン・ジンウォン
音楽　チョン・ジェイル

出演　ソン・ガンホ、イ・ソンギュン、
チョ・ヨジョン、チェ・ウシク、
パク・ソダム、チャン・ヘジン、
イ・ジョンウン、チョン・ジソ、
チョン・ヒョンジュン、パク・ソジュン

（あらすじ）

失業中のキテク（ガンホ）と妻・チョンソク（ヘジン）、
浪人中の長男・ギウ（ウシク）、
長女・ギジョン（ソダム）は
半地下の部屋で暮らしている。

ギウが友人（ソギュン）から
裕福なパク（ソンギュン）の娘で、
高校生のダヘ（チョン）の英語の家庭教師の仕事を
引き継ぐことになる。
彼はパクの妻・ヨンキョ（チョ）の信頼を得る。
ダヘからは好意を抱かれる。

そこから一家は
前職の人間たちを追い出し、
家族であることは内緒にして、
ギジョンはパクの息子の美術カウンセラーに、
キテクは専属運転手に、
ヨンキョは家政婦になって
パクの家に入り込んでいく。

順調な毎日が過ぎていき、
パク一家がキャンプで不在になった邸宅で
宴会をしていると、
前職の家政婦・ムンクァンジュ（ジョンウン）が
やって来て…

（感想）

ジュノ監督作品の中では
凡庸な出来だと思う。
それでも独創性は感じられる。
カンヌ映画祭で
韓国映画初のグランプリ受賞。

観ていて気分が晴れる作品でないが、
悪趣味なものを覗く感覚で
ワクワク出来る。
ブラック・コメディ映画の括りになっているけど、
シニカルでシリアスな感じがした。

「地下」ではなく、
「半地下」っていうところが
凄くいいポイント。
「地下」だと　←そういう登場人物も出て来るけど
丸々貧乏だったり、
無力だったり、
社会と無関係な感じだけど、
半分は地上に出ていることでそうじゃなくなる。
そのままヒエラルキーの抽象にもなっているし。
「ああ、こういうことになるのか…」と納得する
半地下の描写にも唸る。

日本でも進んでしまった格差社会が
韓国でも当然のことになっていて、
この状態を笑いにして風化させるのは良くないとは思うけど、
結局、どうにもならないのが現実なんだなぁ、と。
エンディングでもそれを感じた。

韓国の俳優って
美形とかという意味合いじゃなしに
印象に残る俳優らしい顔をしている人が多いなぁ、と思った。
実力がそうさせるように思う。
近頃の日本の俳優は
そういう点で大分劣っている気がした。

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