『犬ヶ島』

原題：Isle of dogs

2018/05/25

2018/08/22（廉価版 2019/01/23)

監督・脚本・原案　ウェス・アンダーソン
原案　ロマン・コッポラ、ジェイソン・シュワルツマン、
野村訓市
音楽　アレクサンドル・デスプラ
ナレーター　コートニー・B・ヴァンス

声の出演（吹き替え）
小林アタリ/コーユー・ランキン（野田哲平）
レックス/エドワード・ノートン（川島得愛）
スポッツ/リーヴ・シュレイバー（森川智之）
チーフ /ブライアン・クランストン（楠大典）
キング/ボブ・バラバン（川中子雅人）
ボス/ビル・マーレイ（石住昭彦）
デューク/ジェフ・ゴールドブラム（横島亘）
ナツメグ/スカーレット・ヨハンソン（遠藤綾）
ジュピター/F・マーリー・エイブラハム（屋良有作）
オラクル/ティルダ・スウィントン（町山広美）
小林市長/野村訓市
メイジャー・ドウモ/高山明
渡辺教授/伊藤晃
科学者助手ヨーコ・オノ/オノ・ヨーコ（石塚理恵）
トレイシー・ウォーカー/グレタ・ガーウィグ（戸松遥）
ヒロシ編集員/村上虹郎（島崎信長）
通訳ネルソン/フランシス・マクドーマンド
ニュースキャスター/野田洋次郎
筆頭執刀医/渡辺謙
おばさん/夏木マリ
ゴンド/ハーヴェイ・カイテル（土師孝也）
スクラップ/フィッシャー・スティーヴンス（細野晴臣）
ナレーター/コートニー・B・ヴァンス（石塚運昇）
フランク・ウッド、山田孝之、秋元梢、松田翔太、
松田龍平、高橋盾、池田エライザ、兒玉太智、
大社カリン

（あらすじ）

昔々、犬と
犬嫌いの小林一族との間で戦争があった。
劣勢の犬に同情した少年侍が
小林一族の長を殺害するが、
少年も亡き者になりその魂は祀られ、
結局犬は小林一族に勝てずに
服従を余儀なくされた。

それから千年後、
2038年の日本。

ドッグ病が蔓延したウニ県メガ崎市では、
小林市長が人間への感染を防ぐために、
すべての犬をゴミ島である
「犬ヶ島」に追放すると宣言する。

科学者である渡辺教授は
血清がじきに完成すると主張するが、
小林市長はそれを無視し、
犬を隔離することを決める。

最初にゴミ島へ送られたのは、
小林市長宅の犬・スポッツだった。

犬ヶ島に隔離された犬たちは、
辛い日々を送っていた。

隔離が始まって半年。
アタリが小型飛行機で島に降り立った。

彼は３年前に両親を事故で亡くし、
親戚の小林市長に引き取られた。
孤独な彼の悲しみを癒してくれた
護衛犬のスポッツを救出にやって来たのだった。

レックス、キング、デューク、
ボス、チーフと
５匹の犬たちの協力を得て、
アタリはスポッツを捜す旅に出る。

（感想）

本日授賞式が行われる
第76回ゴールデングローブ賞の
アニメ映画賞にノミネート。

やっと観たので感想を書く。

ウェスの映画の特徴は
実写で俳優をアニメのように撮るところ、
非現実的で童話風タッチでありながら、
人と人のふれあいについて
ジワーッと温かく描くところで、
自分はそのギャップが彼の作品の魅力だと思う。

そして彼の作品は出演者が豪華だ。
今作の声優陣も凄い。

が、すべてがアニメになってしまうと、
その特徴の魅力が薄れてしまうのは否めないと思った。
やっぱり実写が良いな。

よくよくハリウッド映画にありがちな、
日本人からすると
とんちんかんな日本が舞台になっているが、
それは日本人から見ると
「非現実的で童話風タッチ」を感じさせるから、
まぁ、いいかと。

徳川綱吉の
「生類憐みの令」に
逆インスパイアされた感じの内容。
この法令自体がバカげているので、
日本人には脅威でも、
外国人にはネタにしやすいかも。

犬と猫は
ペットであることがまずイメージとして浮かぶ動物だ。

自分は動物園に行くと
檻に入れられた動物に同情してしまうのだが、
犬はそのような動物に括られているわけではないし、
果たして彼らが
ペットから解放されて
自然に帰るとしたら
どこに帰るのだろう？と観ながら思った。
考えて見たら不思議なポジションの動物だし、
ペットとして生きる以外ないような気がする。

そんなことを考えても、
彼が何を言いたかったのか考えるなんてことは不要で、
この独特のタッチを楽しむ作品なんじゃないかな。

デスプラの音楽も良かった。
彼とウェスは相性がいい。

そもそもウェスの個性を知っている人なら
面食らわないだろうが、
そうでない日本人が見たら
珍作・奇作に感じてしまうとは思う。
でも自分は悪くないと思った。

オノ・ヨーコが声を出している
ヨーコ・オノは、
1972年のアカデミー賞受賞式に
マーロン・ブランドの代理で来た
インディアン女性を思い出させたが、
偶然かな？

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