2025 1/18土 8:30に帯広駅


6時半に早起きして温泉で朝風呂♪
目覚めスッキリ!

身支度を整えてホテルを出た。
5、6分歩くと帯広駅に到着

いよいよ一人旅本格始動だ!
記念すべき1発目に目指すのは釧路!
いやいや帯広に来ておきながら出てくのかよ!

帯広での目的はいくつか予定しているけど、他にも何かあるかな〜?と昨晩調べていた。
帯広から道東へと調べる範囲を広げると
釧路へのアクセスが案外近いこと知り急遽列車の予約した。
日帰りの距離ならせっかくだから行ってみたい。
特急「おおぞら」のご到着!
いよいよって感じでワクワクするね。
乗車して90分間の列車旅が始まった!
(えきねっとで予約してた往復の切符)
9:19帯広を出発。
途中の停車はわずか1駅のみでひたすら釧路に向けて走る。
乗車してひと息ついた頃に昨日セコマで買っていたパンを朝食に食べた。
それからずっと車窓の景色を見ていた。
10:56釧路到着!
ホームに降り立つとなんだかやけに人が多くて気になりつつも改札を出る。
すると体の全身に振動が伝わるほど「ポー!!!」けたたましい汽笛の音が聞こえてきた!!

駅を出て真っ先に昼ごはんを食べに行くつもりだったけどその正体を見なければ今夜は夢見が悪くなりそうだ。
駅舎の脇から線路に向かってスマホやカメラを向けている人集りを見つけたのでそっちへ足を向けた。
駅のホームへ目をやるとSLのお姿が!

お〜かっこいい!

正面に赤い看板が取り付けてある。
その名も「釧路湿原号」
「あ〜知ってる!これがそうなんだ」
多分TVで見たんだろうけど、いつ何の番組かは全く思い出せないけど記憶の隅にあったみたい。
日本最大の湿地で国立公園である釧路湿原の中を走る観光列車だ。

暫く様子を見ていると
「ポー、ポーポー!!」
さっきよりも激しさを増して汽笛を鳴らすとそれは出発の合図だった。
モクモクと煙を吐きながらゆっくりと動き出すSL。
ここぞとばかりにパシャ、パシャと周りからシャッター音が鳴り始める。
通り過ぎる時に客車から乗客たちがこちらに向かって優雅に手を振っていた。
その姿はなんだか自慢げであり、ひねくれ坊主の私はちょっと嫉妬してしまった。

でも良いものを観れたな♪
後で調べるとこれが今季初の走行らしい。

さて目的地へ行こう。と言っても駅から歩いてすぐの場所だ。

それは「和商市場」

「札幌の二条市場」と「函館朝市」と合わせて
北海道3大市場のひとつとされている観光者向けの市場だ。
函館朝市は去年に行ったな。
札幌の街には何回か行ってる割に二条市場へは行った事なかった。いつか制覇したい。
和商市場といえば
「勝手丼」

それは
店先に並んだ色んな海鮮ネタの中から自分の好みに選んで作るオリジナルの海鮮丼のこと。
自分で好き勝手にネタを選ぶことから「勝手丼」と呼ばれる。

勝手丼を作るまでの手順は
①同じ和商市場内にあるお惣菜店で丼を購入する。(好み丼の大きさで値段が違う。他に味噌汁とセットも出来る。)
②その丼を持って海鮮ネタを提供する店で好きなネタを欲しい分注文して丼に仕上げてもらい完成!
(ネタは1枚単位で販売)
(海鮮ネタのお店の様子)
丼を持って歩いていればお店のあちこちから
どうぞこっちへと半ば強引とも取れる案内を受ける。特にこの店がそうだった↑笑
むしろこのように商売根性あるほうが活気あっていいかもと思ってこちらのお店に決めた。

選ぶのが楽しい!選べば選ぶほど値段が上がっていく事実には目を伏せてあれこれと頼んだ♪
(オリジナル勝手丼完成!)

私のチョイス
花咲ガニ
にしん
ミズダコ
北寄貝
トキシラズ
カマトロ
本ししゃも
八角

こんな感じだったかな??
酢飯と味噌汁まで入れるとトータル2600円くらい。
観光地の海鮮丼だからまぁこんなところでしょ!
それを自分が食べたいネタだけで揃えるっていうテンタメ性もいいね!

食べるスペースとして
店先に並べてあるテーブルとイスで食べる。

いざ実食!
大好きなニシンについ頬が緩む。
ミズダコは噛むと旨みがジュっと出て美味しい♪
北寄貝のコリっとした食感にカマトロの脂の甘み。
それからトキシラズや花咲ガニ、八角、本シシャモなど北海道ならではのネタを楽しめて大満足の美味しさだった!!
(鮮魚店の様子)
食べたあと
ゴミとなったプラスチック製の丼容器や割り箸などはゴミ箱に捨ててお盆をお惣菜店に戻したら勝手丼の全工程が完了する。

それから市場内を探索!
鮮魚店の様子。↑
カレイの数が圧倒的に多い!他にニシンやスケトウダラやチカなど北の魚がズラリと並ぶ。
まるで水族館を見るように楽しい♪
(和商市場の様子)
他は、トキシラズという希少な鮭の塩鮭やイクラを扱う塩干物のお店が多い印象。

「おにいちゃんお土産にどうだい」

この声掛けにちょっとでも立ち止まるとすぐに捕まってしまう。笑

本心ではぜひ食べたいと思う。そりゃあ本場の新巻き鮭や貴重なトキシラズなんかお家で食べれたら良いなと思う。
でも生もの、または生に準ずるもの(塩干物など)は日持ちが少ないから私としては、乾き物から珍味など帰ってからも長く楽しめるものがいい。
これらは大概が発送にて自宅へ届けることになるだろう。それよりも私は自分の手で持って帰り「はいお土産だよ!」と渡したい。
発送だとお土産としての実感や有難みが減ってしまうから好みではない。

いくつかある塩干物のお店の中で
まるで歌舞伎役者が口上を名乗るような情緒さで道東の海産物のあれこれを熱烈に語ってくれたおじちゃんがいた。
それはひとつの物語を見たような満足感がある。
なんだけど、私はその思いがあるから非常に心苦しいながらもお断りしてその場を離れた。
長年の商売の中で完成された接客トーク。あの長文がセリフとしてスラスラと口から出てくるのは聞き応えがあった。
もはやこの体験こそがお土産だろう!商人(あきんど)魂を見たね。

そこから
少し離れたエリアには
乾き物や珍味を販売するお店がいくつかある。
その中で鮭ジャーキーとか氷下魚(こまい)なんかを買った。
鮭ジャーキーは完全にさっきのおじちゃんに影響されて買ったようなもんだ。
これを買うときにお店の方からお土産用に包装しておきましょうかねと包装紙でラッピングをしてくださったが、自宅で家族と一緒に食べるから自分で自分にプレゼントラッピングしたみたいになってしまったがまあいいか。

和商市場を出て再び釧路駅方面へ戻る。
さっきSLを見ていた線路脇の先にあるバスセンターに向かう。
今日の目的は「釧路湿原」
そう!あのSLの行き先と同じだ。
釧路を代表するスポット。

バスセンターにて阿寒バス(バス会社)からお得な乗車券が販売されているので乗る前に買っておきたい。

内容は

①展望台までの路線バス往復券
②展望台の入館料
③展望台内にある喫茶コーナーのドリンク1杯無料

以上3点がセットになっている。

バスの時間までまだ1時間近くあったから周辺を散策した。
天気が良くて歩くのが気持ちがいい。

途中ビデオカメラを片手に1人で歩く女の子とすれ違った。ユーチューバーか??それとも彼女も1人旅なのかな?

同じ1人旅同士だったとしたらこれは運命の出会い、、、?
そんなドラマティックなことあるわけ、、、

と妄想しながらも時間が来たからバス停へ。
着くとまだ誰もいない。一番乗りだ
暫くして私と同じ観光客らしき人たちが並び始めた。
その中になんと!さっきの女の子の姿も!!
やっぱり1人での行動みたいだな。

うぉ〜♪勝手に伏線張って勝手に回収!

はいそんな淡い妄想は夢。ここまでにしておこう!
今はそんな事に現(うつつ)を抜かしている場合ではない。でなければ孤独を愛する男の一人さすらいの旅"気分"が台無しになる。

稚内の居酒屋でのおっちゃんとの出会いのように自然と仲良くなるような成り行きには憧れるが、これだと出会いを強引に求めてるようでそもそも運命ではないのかもしれない。

一人旅をするなら"孤独を愛する"というナルシストさが大事!という持論。
さすらう孤独の合間のわずかな時間を誰かと共有するのが良いのだ。

だから四六時中「気になるあの子のことを考えちゃう」ってのは私のこの意義には反している。

なーんて
こんな一瞬のすれ違いにここまでの壮大な妄想をしていたなんてあの子は知る由もない。

それに!
このご時世だから勇気を出して話し掛けたとしても痴漢だの不審者だのと通報されるリスクがある。
勘違いはこの辺にして旅に集中しよう。



バスに揺られること約45分で
ついに釧路湿原に到着!
早速展望台に入る。
乗車券とセットになっている展望台入場券を受付に渡して入場する。(2階からが有料)
展望台は4階建てになっていて

1階:受付とお土産コーナーと喫茶店
2階:釧路湿原の野生動植物についての展示
3階:室内展望
4階が屋上展望スペース

となっている。
まずは景色が見たいということで4階の屋上に出る。そこには見渡す限りに自然が広がっていて、「」私はなんとちっぽけなものか」と思わされるほどその広大さに圧倒される。地球はやっぱり生きている。人間が勝手に所有者を名乗っているが生きるもの全てに平等にあるべきのものだ。
もうこれ以上都市開発とか人間のための発展は必要ないんじゃない?もちろん災害対策とかそういうのは必要だけど、現状暮らすに充分なものは揃ってるよ。これからは環境保全にだけ力を注いでみてはどうだろうか?
そういえばジャングリア沖縄だっけ?7月に出来るみたいだけどそういうの嫌いだな正直。
自然を人間の娯楽のためだけに利用した感じが受付ない。
(展望台の景色)
この景色の反対側はこのような↑湿原風景の奥に釧路の街並みが見える。
湿原(自然)と人間社会の境界線
この自然は守っていくべき地球の財産だと思った。


景色を堪能したところで展望台の中に戻ろう。
(タンチョウの剥製)
(展示されている水槽にいた幻の魚 イトウ)

3階の室内展望はさっきと同じ景色をみることになるからとりあえずスルーして2階まで降りてきた。
ここは湿原に生息する生き物や植物についての展示だ。湿原といえばタンチョウが有名で紙幣にも描かれている国鳥である。
タンチョウも気になるところだが釣りが趣味である私としては注目するのはイトウ!
これは稚内のノシャップ寒流水族館でも見たね。

幻の魚と呼ばれており湿原の主だ。
幻と言われる由縁は日本最大の淡水魚でありながら極端な警戒心の持ち主で中々お目にかかれないこと、そして近年は著しく生息数が減少している絶滅危惧種に指定されていることにも由来する。

(イトウが食べていたもの)
(イトウが食べていたもの)

イトウは漢字にすると魚へんに鬼と書く。
それは捕食対象に小魚や虫などに加えてネズミやカエルなども食べることからその獰猛さから"鬼"の字を充てられているらしい。
(ヤチボウズ)
ほかにヤチボウズと呼ばれる
その姿が人の頭のように見えることからそう名前が着いた珍しい植物も見どころのひとつだ。

可愛らしいがこの存在を知らない人が外で見かけたらビックリしちゃうんじゃない?笑

展示や資料をじっくりと拝見させてもらいたくさん勉強になった。


ここで到着してから1時間経とうとしていた。
バス時刻表によればもうすぐ(15:00)釧路駅に戻るバスが来るようだ。

しかし
これからお土産もみたいし、外の遊歩道を歩いて実際に釧路湿原を体感したい。その奥にはこの施設よりもさらに近い距離で湿原が見れる展望台があるみらしくそこまで行けたらいいなと思う。
この次のバスは1時間半後の16:30。
帯広に帰る電車は19時発だから時間もたっぷり。
ちょうど良さそうだからバスは16時半に決めた。
(展望台そばの遊歩道を歩く様子)
遊歩道を歩き15分くらいかな?
昨日から天気が良くて溶けた雪が夜にまた凍ることで酷いところではスケートリンクのようにツルツルとした氷となってる部分がいくつか見受けられ足元に注意が必要だった。
普通なら10分で歩けるはずの距離をコケぬようにと慎重に歩いていたら時間がかかってしまった。

そして到着した展望台↑
断然こっちが景色が良い!より湿原との距離が近いから没入感があって見ている景色が本物なんだと実感できる。
望遠鏡があったから試してみると遠くまで良く見える!
すると数匹の鹿の群れを発見!
彼らは餌を求めて足元の植物を啄んでいるようだった。
湿原の雰囲気と相まってなんだかサバンナを見てる気分になる。
帰りの遊歩道。
少し日が傾きはじめてる。
北海道の自然を満喫している気になってとても気持ちが良かった。
冷っとする風もなんだか心地よいくらい。

展望台内に戻る。
まだバスチケットの特典がひとつ残っているんだ。それは喫茶コーナーのドリンクサービス券!そりゃ飲まなきゃ損だ。

喫茶コーナーの側には隣接してお土産コーナーもある。お土産を買って今日の感動を形に納めたい。

そしてひとつ心配事がある。
スマホの電池残量が10%を切っていて僅かしかない。
こりゃやばい!
バッテリーの劣化で消耗スピードが早い。
非常に申し訳ないところだが喫茶コーナー(スタッフ)のお兄さんに無理言ってバスの時間までコンセントをお借りして充電させてもらった。

私「充電させてもらってるんでお土産いっぱい買います!」と言ったら
お兄さん「いやいや気にしなくていいですよ〜」と嫌な顔ひとつせず快く言ってくださった。


そう言われたものの、もともとお土産は気になっていたから物色。
イトウのイラストのステッカーや鹿を呼ぶ鹿笛、それと鳥を呼ぶバードコールなどなど他にも複数購入。 そしてドリンクもサービス券分を飲んだ後に追加でもう1杯頂いた。
沢山の売上に貢献はできなかったかもしれないけどお礼の気持ちも込めて買わせてもらった。

「その節は本当にありがとうございました。お店のお兄さん」

バスの到着に20分くらい時間の余裕があったから
まだ足を踏み入れてなかった3階の室内展望所に行ってみる。他の人たちは各々4階屋上や遊歩道、お土産コーナーなどに行っているのだろう。このスペースは終始誰もこなくてBGMなども流れてないからシーンと静まり返っている。そして湿原の森の陰で紅く染まっていく夕日をただただじっと眺めるこの時間はなんて贅沢な過ごし方なんだろうか?そしてなんだかジーンと胸にくるものがあって感動した。今日の旅を締めくくるに最高のシチュエーションだ。



16:30バスに乗って駅に戻る。
「はぁ釧路湿原とても良かったなぁ」と余韻に浸っているとハッと思い出した!
そういえばあの女の子は?!そういえば居ない!
1本前のバスが去った後も展望台内で見たし喫茶コーナー付近のベンチに座ってたりもしたんだけどなぁ。
駅とは反対のバスに乗って移動しちゃったんだろうか?


運命の出会いのドキドキは湿原の素晴らしさにすっ飛ばされてしまいすっかり忘れていた。
どうせ盛り上がってんのは自分だけだったろうしこれであの子との話は終わった。
結局は運命なんてなかったのだ。

でもまぁ
ちょっとしたドキドキがあって楽しかった♪これも旅も思い出にしておこう。 

すっかり暗くなった17:30の少し前に釧路駅に戻ってきた。19時に乗る列車まで時間があるから夕食を食べても良かったんだけど展望台で飲んだ2ハイのドリンクが効いておりそこまで空腹にあらず、帰ってからの楽しみに取っておく。
ということで歩き疲れたし駅舎内の待ち合い所でゆっくり過ごすことにした。ラッキーなことに窓側の1人掛けカウンターには充電スポットがあったからスマホ充電も兼ねながら列車を待つのだった。

そして20時半ごろ帯広に到着。
ちょうどお腹がいい具合に減ってきた。


二日目の夕食は、、、、
またセコマ!

またホットシェフのカツ丼にしようか?でも帯広のグルメも食べたいけどな〜と思っていたら
カツ丼の横に豚丼を発見!
帯広グルメさえもセコマで済ませれるんだからセコマ最高!
明日の朝ごはんもついでに買って帰る。
(セコマの豚丼)
21:30になったらホテルのサービス
「夜鳴きそば」
密かな楽しみにしていた。
あっさりの中華そばで美味しい!

寝る前にテレビを見ていたら
釧路駅で見たSLの「釧路湿原号」の今季初運行をローカルニュースで取り上げられていた。乗客満員の満席だったらしくその時の思い付きでは乗れないほどの人気ぶり。
テレビ画面に映るSLの姿に今日の思い出を振り返るのであった。
私もいつか乗ってみたい。


続く