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【その1】CSIS報告は、中台戦争に介入して、「米国本土に攻撃が向かわないよう」「日本列島の安全を生け贄にする」計画

テーマ:この国のかたち
【その2】CSIS報告は、中台戦争に介入して、「米国本土に攻撃が向かわないよう」「日本列島の安全を生け贄にする」計画
2023.2.5-2.20修正

(15)密約が存在するのか?台湾有事になぜか「自動的」に参戦させられる自衛隊~CSIS台湾有事シミュレーションの本当の問題点(JB press 2023.1.19)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/73553
~「このレポートにおいては、たとえ米軍と自衛隊の支援によって中国軍が台湾占領という目的を達成できない場合でも、台湾軍はもとより米軍と自衛隊も極めて大きな犠牲を強いられる結果となっている」「米空軍・海軍・海兵隊は270機の航空機を喪失し、自衛隊は112機の航空機を喪失する。日米両軍の損害に対して、中国軍が失う航空機は155機となっている」「米海軍は戦闘艦17隻(内2隻は航空母艦)を喪失し、海上自衛隊は26隻の戦闘艦を喪失する。これに対して中国側は138隻の艦艇を失う結果となっているが、そのうちの86隻は上陸揚陸用船艇であり、水上戦闘艦艇の損失は52隻ということになる」「ただし、米側が失う水上戦闘艦43隻は空母、駆逐艦、フリゲートといった大型艦や中型艦であるのに対して、中国側は多数のミサイル艇やコルベットといった小型艦艇を投入するため、質的損害は日米側のほうが深刻と考えざるを得ない」「台湾海軍と台湾空軍はほぼすべての艦艇・航空機を失う」
「日本はアメリカに付き従って参戦」(?)
 「しかしながら日本において取り上げられるべき問題点は、台湾有事シミュレーションが大前提にしている「与件」に関してである」「台湾は徹底抗戦し絶対に降伏してはいけないことを、全ての条件に先立つ大前提としている(レポートの3ページ目)」
~「日本にとって問題なのは、台湾問題が引き金となってアメリカが中国と戦端を開くと、日本はアメリカに付き従って参戦するというシナリオである」
 「第三国間の軍事衝突に参戦するというのは、一方の陣営に何らかの軍事的支援を提供する場合から、自国軍隊を戦闘に参加させる場合まで、様々なレベルが想定できる。台湾有事での米中軍事衝突に日本が「参戦」する態様も、自衛隊による支援活動は差し控えるが在日米軍基地からの出動や補給を容認するといった場合から、自衛隊を戦闘に投入する場合まで想定可能だ。」
 「しかしCSISをはじめ様々な台湾有事シミュレーションでは、アメリカ軍が日本国内の米軍施設から出撃したり補給拠点に用いることを日本政府が容認することは「空気の存在」のように自然な状態とされている。さらに、タイミングはまちまちだが、自衛隊が海軍戦力や航空戦力を投入する事態も当然視されている」
~「CSISのシミュレーションでは、【・米中が軍事衝突開始→日本は米軍による日本国内の軍事拠点を使用することを認める(与件)→中国軍が日本国内の米軍出撃・補給拠点を攻撃する→日本政府は「反撃」のために台湾・アメリカ側に立って自衛隊を投入する】」「この与件は、24回のうち22回で用いられている。」
 「23回目のシナリオでは、日本政府は開戦当初から自衛隊を投入する。」
 「24回目のシナリオでは、アメリカ側にとっては驚天動地の事態、すなわち、日本が(“アメリカを裏切って”)中立を保ってしまう。その結果、日本国内の軍事施設(米軍施設、自衛隊施設(!?)、民間飛行場(!?)民間港湾施設(!?)民間造船施設(!?)など)ならびに自衛隊艦艇(!?)や航空機(!?)を用いることができなくなったアメリカ軍は、歴史的大敗北を喫してしまう」(!?)
~「アメリカで実施されているシミュレーションやウォーゲームでは、台湾をめぐる米中軍事衝突に日本が参戦することが与件とされるのが常識となっている(注:(!?)は記事引用者)。アメリカ政府と日本政府との間には、「日本の自動参戦に関する密約」が存在するのであろうか?

(引用者注記)
【1】米国内のシミュレーションで中台戦争に米国が介入するときに、「日本参戦が与件・常識」というのは異常だ。後記(25)のように、日本戦略研究フォーラム・台湾有事研究会がトロイの木馬になっている。
~A元首相「台湾有事は日本有事」だから自動参戦という約束か?それにしても、「どこまで?どのように?」という議論・「国益の守り方」が抜け落ちている
【2】上記(15)下段で、23回目、24回目を除いて、(ア)1~22回目で「中国が日本国内の基地等を攻撃する」から、自衛権で自衛隊が参戦する。(イ)逆に「中国が日本国内の基地等を攻撃しない」と、(憲法上の制約から)自衛権発動・自衛隊参戦は無い。(ウ)上記(イ)だと前記(1)のシンクタンク「米国が敗北する「3つの根拠」」に戻ってしまう。
【3】前記(9)の「●民間空港アクセス」や「●戦略面:日本との外交軍事的結びつきの強化が最優先事項」というのは、(ア)軍隊運用の戦術ではなく、「米軍・自衛隊一体化」等により、「日本が攻撃されるように仕向ける」仕掛けを作るということだ。(イ)「どうしても中国が日本国内を攻撃しないとき」は、「中国に先んじて」米軍が「尖閣諸島に上陸する」偽旗作戦をする(トンキン湾事件とか、ナイラ証言とかのように)。自衛隊が上陸するときは自民党急進派との合作になる。(ウ)そうしないと1~22回目のうち「自衛隊も防御を超えて攻撃する」シナリオをできない。(エ)しかし「偽旗作戦でも実際の在日基地等攻撃でも」、第1選択は「防御に徹して」「攻撃しない」戦線不拡大だ。何故なら「日本の自衛権行使は必要最小限に留めるのが原則」だからだ。これは米国に明確に伝えて尊重させなければならない。
【4】前記(11)の「横須賀の第7艦隊を攻撃壊滅せずに、中国が台湾を制圧できない」だとしても、「中国が在日基地を攻撃する」とは限らない。(ア)横須賀母港に停泊中に壊滅するか、(イ)横須賀母港から出港して公海で壊滅するかを選べる。
(ア)をやると国連等で政治的に孤立する。G7等欧米だけでなく、アジア・アフリカ・南米、G20、ASEAN(東南アジア諸国連合)の支持も失う。(イ)をやる軍事力が今の中国に有るから、前記(1)の米国敗北になった。中国本土からミサイル攻撃できるから地政学的に有利。国連等でも「一つの中国」(台湾に対する中共の主権・代表権)は長年認めてきたから、「平和的統一か、軍事的統一か」の違いに止まる。公海での戦闘で米軍を破れば、覇権国の面目を潰せる。「米国に頼らない世界」に転換できる。
【5】更に「米国は米国本土の安全のために」原爆使用を回避するだろうが、中国から見れば「日米安保体制下の日本が本土攻撃を受ければ、米国が原爆を中国に使用する口実を与える」ことになる。(だから上記【4】で「中国が在日基地を攻撃する」とは限らない
~加えて「中国本土を核攻撃すれば」「報復に米国本土が狙われる」のを避けるために、「身代わりとして北朝鮮を核攻撃する」ことがある。米国は実際に東欧で「紛争に無関係な敵国の友好国を核攻撃する」検討をしたことがある。北朝鮮であれば、米国が国際社会の非難を受けにくい。

(16)「台湾有事」日本が組み込まれる恐れ 米研究所が衝撃シナリオ(中日新聞 2023.1.20)
https://www.chunichi.co.jp/article/620828
~「米軍基地周辺などで予想される住民の死傷者には触れていない」「民間人の被害を避けられない戦争を、国民は甘受できるのか(引用者注記:しているのか?)」

(17)中国軍「2026年台湾侵攻」シナリオの真実 米シンクタンク公表 甚大な被害予測、それでも米軍は軍事介入するのか(zakzak by夕刊フジ 2023.1.21)
https://www.zakzak.co.jp/article/20230121-OFI7VD22XBPCPP2VQB5G24CHWI/
~「中国軍が、数時間の爆撃やミサイル攻撃によって台湾軍の空・海軍のほとんどを破壊。中国海軍が台湾周辺を封鎖し、数万の兵士が揚陸艦や民間商船で台湾海峡を渡り、空挺部隊が台湾に上陸する」「米軍の死傷者と行方不明者は1万人近く。駆逐艦や巡洋艦など20隻を失い、空軍の損失も軍用機168~372機に上る。米軍の作戦の要となる空母2隻が撃沈される」
~(記事作成者補足)「原子力空母1隻の建造費は1兆円前後で、乗組員は5000人以上。米軍は果たして、甚大な被害を覚悟の上で空母を派遣するだろうか。」
 「これまでほとんどのシミュレーションでは、中国側によるミサイル攻撃が始まると、米空母はグアムやハワイまで撤退を余儀なくされている。」
~中国政府系シンクタンク研究者は分析する。「我が軍の上層部は有事の際、米軍は介入してこないと、より一層確信しただろう」

(引用者注記)
【1】上記「これまでのシミュレーションでは、中国によるミサイル攻撃が始まると、米空母はグアムやハワイまで撤退を余儀なくされる」というのは、前記(2)CSIS報告の図上演習のように「自衛隊を攻撃参加させても変わらない」のではないか?
【2】米国は偽旗作戦で自衛隊を攻撃参加させた上で、「戦術的に兵力温存のために引き上げて」(戦争から抜けられなくなった日本に)「武器提供・軍事支援に回る」「後方支援に回る」のではないか?
【3】米国の空母艦隊も、「ロシアとの対抗」を考えると、「損失覚悟で全数を投入する」ことは無い
【4】結局、「中国本土からのミサイル攻撃」に、「日本列島からのミサイル攻撃」を対置して「日本がサンドバッグのように」「ウクライナのように」攻撃されながら、「米国が勝つ」(中国を抑制する)計画ではないか?

(18)犠牲を生む覚悟と守るべき日本の国益 台湾防衛「日本が要」の理由から見えたもの(FNNオンライン 2023.1.23)
https://www.fnn.jp/articles/-/474213
~「近代軍事兵器を双方が保有する初めてケース」「侵攻はいつも同じように始まる。開戦直後の砲撃で台湾の海軍と空軍の大半は破壊された」「中国海軍は強力なロケット部隊で台湾を包囲し、台湾の島への船や航空機の輸送を妨害する」
~「日本も全域で空爆?被害の想定は」「中国側は日本への攻撃に踏み切るとしている。対象となるのは、米軍を支援する形となっている各地の自衛隊基地や、在日米軍基地で、「列島全域の飛行場が空襲された」との記載もある。(引用者注記:米軍の「戦争計画」では軍民共用の民間空港を含む)「様々なシナリオの中で日本の被害については、1~3週間の戦闘で、自衛隊は90~161機の航空機、14~26隻の艦艇を失うと試算されている。」
~(記事作成者補足)「別のシンクタンクでは2027年に台湾有事が起きた場合を想定した机上演習を行い、米中が台湾をめぐり紛争となれば、どちらも優勢となれず長期化するとの結果も発表している。」
 「2022年8月、日本戦略研究フォーラムが主催する台湾有事を想定した机上演習が行われ、防衛相経験者や国会議員が参加した。」
~「そもそもの前提として、防衛力は日本国民にとっての何を守るためのものなのか。そしてそれを守るため、どういった防衛力が必要で強化するのか。何を犠牲にする覚悟が政府(引用者注記:国民)にはあるのか。・・政府の決断次第では、多くの犠牲が生まれることも加味した上、日本の防衛力の増強については、国会の議論も深めてもらいたい。」

(19)犠牲を生む覚悟と守るべき日本の国益 台湾防衛「日本が要」の理由から見えたもの(nippon.com 2023.1.23)
https://www.nippon.com/ja/news/fnn20230123474213/
~(17)と同じ

(20)台湾総統、中国との戦争は選択肢にない ローマ教皇に書簡(REUTERS 2023.1.24)
https://jp.reuters.com/article/taiwan-vatican-idJPKBN2U300Q
~「中国との戦争は選択肢になく、主権と自由に対する台湾の人々の主張を尊重することによってのみ、中国との健全な関係を築くことが可能だとの認識を示した。」「昨年の国慶節の演説で、「台湾海峡の平和と安定は台湾と中国の関係発展の基盤であり、武力衝突は絶対に容認されない」との考えを重ねて示したと説明した」

(21)台湾有事シミュレーションの衝撃、日米中すべてがこうむる莫大な損失日本の責務は全力で台湾有事を抑止すること(JB press 2023.1.27)
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/73633
~「シミュレーションの中で日本の自衛隊が受ける被害は、軍用機112~161機と艦船26隻とされている。艦船については、おそらく最新鋭の空母「いずも」「かが」が米海軍との共同作戦に参加して、空母打撃群を編成することになるだろう。米軍の場合、原子力空母1隻に対し、イージス・システム搭載のミサイル巡洋艦が1~2隻、対潜水艦対策として駆逐艦3~4隻、原子力潜水艦1~2隻、補給艦隊を加えて1個空母打撃群となっている。日本の場合は、空母1隻に対して、イージス・システム搭載の対空用護衛艦1~2隻、対空・対潜用護衛艦2隻、対潜水艦用潜水艦「そうりゅう」級1隻、これに補給艦隊を組み合わせて運用される可能性が高い。」
 「2021年現在における海上自衛隊の主たる戦力は、護衛艦47隻、通常動力型潜水艦21隻、機雷戦艦艇22隻、哨戒艦艇6隻、輸送艦艇11隻、補助艦艇30隻となる。損害が26隻となれば、単純な計算だが、総数137隻のうち約19%の損耗率となり、特に空母などの大型艦艇が喪失すれば、再建までに4~5年の歳月と莫大な費用がかかるのは明白だ。」
 「こうした海上自衛隊の損害だけではなく、中国側が日本国内の米軍基地や自衛隊基地、発電所などの重要施設にミサイル攻撃を仕掛けてくる恐れもある。日米海軍を守るために台湾沖に展開しなければならないイージス艦(現10隻)は、日本本土を守るためにどれだけの数を割けるのだろうか。
(引用者注記:日本のイージス艦は「国土領域の安全」を守るのが最優先ではないの?!!!
 今後、安保3文書によってイージス艦は12隻体制となるが、それだけでは、中国側のミサイルによる飽和攻撃に対して、対応することは難しい。シェルターもない日本にとって、民間施設への攻撃があれば、人的被害も甚大なものになる可能性がある。」
 「出動した海上自衛隊の負傷者をどこで治療するのかも問題となる。海上自衛隊には病院船がないため、緊急度の高い負傷者が大量に出た場合、地上の病院に頼らざるを得ない。医薬品の供給、病院や医師の確保など、どのように連携できるのかが問題だ。」
 「台湾に在住する日本人の避難も現状ではかなり難しい。現在、日本人2万500人ほどが台湾各地に在住している。」
~「要するに台湾有事は、日米中に何も利益をもたらすことはなく、逆に大きなコストを課すことになる。日本は、今年、国連安保理において最多回数の非常任理事国になった。台湾有事を抑止することは、ウクライナ侵攻を終結させることに並ぶ、日本の大きな責務なのだ。」(引用者注記:力では「抑止できない」んだから外交しかないでしょ?

(22)日本は「巻き込まれる」のではなく当事者 米シンクタンクの台湾侵攻シナリオ第2弾 求められる政治の覚悟(zakzak by夕刊フジ 2023.1.28)
https://www.zakzak.co.jp/article/20230128-YT3U3QINH5ILVBU5V75S5MVUFQ/
前記(17)「前回、中国軍が台湾に軍事侵攻に踏み切った際、「虎の子」である空母2隻を失うことをためらった米軍が軍事介入しない可能性が高いことを指摘した。」
~「西太平洋一帯において、米軍が空母などの艦艇や戦闘機を出撃させる拠点となるのが、米領グアムと在日米軍基地だ。極東最大の米空軍基地がある沖縄県・嘉手納をはじめ、長崎県・佐世保、神奈川県・横須賀、東京都・横田の各基地が主な拠点となる。」
~「中国軍が2004年にミサイル部隊、第二砲兵向けに作成した内部文書には次のような記載がある。「わが軍が台湾に進攻した際、敵国はわが国周辺の同盟国の基地や空母艦隊を使って介入してくるだろう。同盟国にある敵国基地を威嚇攻撃するのに通常型ミサイルは有用だ」・・中国軍は在日米軍基地を標的にミサイルを発射すると警告したり攻撃したりする」(引用者注記:「威嚇攻撃」の場合、嘉手納・佐世保・岩国・横須賀・横田・三沢の沖合の公海に打ち込む。)
~「中国側は日本側にさまざまな揺さぶりをかけてくるだろう。中国国内の日本企業や従業員らに圧力をかけてくる可能性もある。こうした状況下で、日本の首相が米側に対して、「どうぞ基地をご自由に使ってください」と即答できるだろうか。」
(引用者注記:いきなりは領土領海を直撃しない。参戦すれば直撃する。開戦すれば有利な条件で終結はできない。

(引用者注記)
【1】「日本の国土領域」が攻撃されるなら、(途中からになっても)「戦線離脱」すべきだろう。(1945年にも「耐え難きを耐えて」終戦した、もっと前に判断すべきだった)「数か月から数年に渉って、日本列島が戦場になる」ことと引き換えになる、それ以上の「守るべき国益」が、中台戦争への介入にある訳ではない
自衛隊・日本が前面に出れば、中国の反日感情に油を注いで、「日清戦争・日中戦争の仕返しをするまで」戦闘終結できなくなる。)(沖縄が占領されて、割譲して和平は悪夢だろう。)
(2023年の防衛費増額は、「日本を戦場にしないため」が建前ではないのか?)
【2】既に1946年公布の憲法で、答えを出している
【3】「戦線離脱」して、所謂、西側世界での日本の地位が下がっても何ら構わない。日本を必要とするのが西側世界であれば何ら問題にはならない(ノープロブレン)。
日米安保が無効化したら、「自主防衛・武装中立」を宣言すれば良い。中国・ロシアは「日米同盟の日本」よりも歓迎するだろう。「武装・非同盟」のインドと同じになる。
(生きている限り明日は来る。死んだら世界は終わる。)
~そもそも資源が無く食料自給率が低い上に、戦争で荒廃・産業破壊して輸入する金が無くなったら国民が生活できない。(社会保障も破綻する)(「戦後の闇市」に頼る生活)(IMFの管理下になるか?)
【4】台湾も、中台戦争が始まれば「数時間で空・海軍のほとんどを破壊」され、2023 CSIS報告が図上演習していない「数年に渉る戦闘になれば国土が壊滅する」(cf.1948パレスチナ、2001アフガニスタン、2003イラク、2011シリア、現下の2014ウクライナetc.)
台湾は「開戦して米軍が苦戦したら降伏する」のが賢明な選択だ(セカンドベスト)
~中共の統治下でも生きている方が余程良い。中国本土や香港のように。国外移住もできる。(日本が開戦しなければ避難民を受け入れられる)

(23)米国内は「戦争必至」の見方だけ? 米調査会社、台湾有事を「リスクもどき」 近い将来の衝突を否定(沖縄タイムス 2023.1.31 「お試しプラン無料登録」)
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1096270
~「戦略国際問題研究所(CSIS)は1月、中国の台湾侵攻を想定した机上演習の結果を発表した」「米国と自衛隊は数十隻の艦船、数百機の航空機を失い、数千人の戦死者が出るだろう」
~(記事作成者補足)「米国内では、中国と日米台の軍事衝突は「必至」との見方だけなのか」
~「危機分析が専門の米調査会社ユーラシア・グループは1月に発表した10大リスクの中で「2023年の」台湾有事を「リスクもどき」に位置付けた」「衝突が起きれば米中は経済破綻し、世界的な景気後退が拡大すること、台湾で生産する半導体を中国が入手できなくなることを理由に挙げた」「中国が軍事衝突を引き起こす可能性があるのは、パワーバランスが決定的に自国に有利になるか、米国で明らかに台湾を守る気がない大統領が就任するときだ」
~(記事作成者補足)(沖縄対外問題研究会代表で国際政治学者)「米中の衝突まで「猶予」があるとされるからこそ、今、台湾海峡周辺から燃えやすい“火種”の材料を取り除くことが不可欠だ」「日本には中国指導部の意図を正確に捉える関係づくりが求められている」と分析の重要性を指摘」
(引用者注記:日中間のホットラインで緊張緩和・不拡大方針・政治的解決を繰り返し確認する。)

(24)台湾有事は日本有事? 参戦を断る理由が消えた安保法 戦争を「できる国」そして「する国」に(沖縄タイムス 2023.1.30 「お試しプラン無料登録」)
~「2021年12月。台湾のシンクタンクに依頼されたオンライン講演で、安倍晋三元首相が「台湾有事、それは日本有事です」と発言した。「すなわち、日米同盟の有事でもあります。習近平主席は、断じて見誤るべきではありません」と続け、口を一文字に結んだ」
~「共同通信の石井暁(ぎょう)専任編集委員は講演内容を聞いて気付いた。「安全保障関連法は、台湾有事に日本が自動参戦する仕掛けだった。だまされた」「防衛省、自衛隊を取材して30年近く。安倍氏が全力を挙げた2015年の安保法成立も見届けた。当時、政府が例示したのは朝鮮半島や中東・ホルムズ海峡だったが、導入された二つの「事態」は今焦点化される台湾有事にあつらえ向きだ」
~「中台の武力紛争が発生した場合、米海兵隊の小規模部隊(!?)が中国の艦船、航空機に対する攻撃に備え(!?)、南西諸島の島々に分散展開(!?)する。日本は「重要影響事態」(!?)と認定し、自衛隊が輸送や弾薬補給(!?)で支える」「日米共同作戦計画の原案がこうした前提で策定された」
~「米国が軍事介入に踏み切った(!?)場合は、日本は「存立危機事態」(!?)に認定を進める。集団的自衛権行使(!?)による参戦に道が開かれる」「この二つの事態がなければ、日本は米国に参戦を迫られても応じる根拠がなかった。今は逆に断る理由が消えた」(注:(!?)は記事引用者)
~「この段階に来て、日本は、主権者はどう行動すべきか。石井氏はまず有事を起こさせない外交努力を説き、起きてしまった場合でも(ア)在日米軍基地からの出撃を安保条約に基づく事前協議で拒否する、(イ)(二つの事態について)たとえ政府が事態認定しても国会が承認しない、などの手段は残されていると強調する」
(引用者注記:ただし自民党急進派の憲法改正案「緊急事態条項」が通れば国会は無力化する)
~「日本は『一つの中国』を認めている。冷たいようだが、台湾有事を内戦と捉えて線を引くことは可能だ。台湾有事は日本有事、と自明のごとく考えるのはおかしい」と指摘し、問いかける。「日米安保を至上のものとして守るのか、それとも国民の命を守るのか

(引用者注記)
【1】上記(24)に、「米海兵隊の小規模部隊が南西諸島の島々に分散展開する」とあるのは、如何にも日本防衛的に印象付けているが「(中台戦争に対して)日本領土から米軍が、中国の艦船、航空機を直接攻撃する」のは許可することではない
米軍は日本の指揮下に無い「日本領土」から「先制攻撃」の「偽旗作戦」をされたら、取り返しがつかない
南西諸島のうち先島諸島(宮古列島・八重山列島)は自衛隊だけ配備する米海兵隊は置かせない
中台戦争が起きただけで「重要影響事態」(後方支援での参戦)はすべきでない
国連等が「武力行使容認決議」等を出すか見極めて、決議に根拠がある米軍の行動であれば、国連との協調という観点から検討することだ。日本は突出しない。
~日本だけ先走れば国連憲章違反になる。「国際紛争を武力で解決する」ことは(安保法制の運用以前の)憲法違反だ。何よりも甚大な犠牲が予想され国益に反する
【2】上記(24)後段にあるように「米国が軍事介入に踏み切っても」「日本の存立が危機に陥る訳ではない」。逆に「台湾からの避難民受け入れ」「物資提供支援等」「在日米軍基地提供」「戦闘の後方支援」から「攻撃参加」に度合を強めることで日本列島全体が中ロ朝からの攻撃対象になり戦場になる。原爆も使われるだろう。
国連等でも「一つの中国」(台湾に対する中共の主権・代表権)は長年認めてきたから、中台戦争は「平和的統一か、軍事的統一か」の違いに止まる。
国連決議等が無いまま、「米国が軍事介入に踏み切れば」国際法違反になる。
【3】国際紛争への関与の度合は、例えば、(ア)台湾避難民の受け入れ、(イ)物資提供、(ウ)武器提供・軍事訓練・偵察情報提供、(エ)在日米軍基地の提供(承認)拒否、(オ)戦闘の「後方支援」、(カ)「攻撃参加」
【4】台湾をウクライナに置き換えると、EU・NATOは、上記(エ)(オ)(カ)のどれもやっていない。(武器提供・軍事訓練・偵察情報提供に限る)(エ)(オ)(カ)以前の「開戦1年の2023.2時点で、(ウ)武器提供に戦車を追加するか否か」を真剣に討議している。
~どの国も「自国領域の安全」が最優先だから当然だろう。NATOは「加盟国の安全」のための組織だからだ。
自民党急進派の「二つの事態」についての捉え方は、EU・NATO各国の行動と懸け離れている突出している異常だ「自国領域の安全が最優先の国益である」ことを理解せず放棄している
【5】前記(22)(引用者注記)を参照
【6】前記(9)(引用者注記)を参照
【7】CSIS報告は、「米国本土の安全」のために、「日本列島の安全」を生け贄にすることを明らかにした

 (米国の国益:「台湾産の最先端半導体を確保する」「台湾・日本への武器売却による台湾軍事特需」「覇権国・西側の盟主の地位を守る」「(ア)台頭する中国を抑制する」「(イ)長期的には日本の国力低下」
(ア)1945年 2月、米英ソのヤルタ会談(米ソのヤルタ協定)等で「樺太南部と千島列島をソ連が領有する」とした上で、北方四島返還請求を日本に勧めて、日露が友好的になるのを妨げた。「中台戦争を日中戦争に転換すれば」日中対立で米国にとって安いコストで長期に渉り中国を抑制できる
 cf.前記(9)【参考】のように「敵と味方は入れ替わる」「同盟国も利用する」米国の戦略
(イ)cf.日米経済戦争:1972繊維輸出規制.1977鉄鋼・カラーテレビ輸出規制.1981自動車輸出規制.1985円高を強いるプラザ合意.1986半導体輸出規制.1987パソコン・カラーテレビ制裁関税.1989日米構造協議.1994年次改革要望書.2018鉄鋼・アルミ輸入制限.2019農産物市場開放.他

(25)日本戦略研究フォーラム 台湾有事研究会
https://www.jfss.gr.jp/taiwan_study_group/#20
~(引用者注記)「台湾有事研究会は、「台湾との関係強化が日本の安全、ひいてはインド太平洋地域の安全を高める(引用者:?!)ことに資する」との考えの下、政策提言を行う」「我が国の尖閣諸島および南西諸島の防衛は東シナ海をめぐる中国の動きと密接に関わることから、台湾有事は日本の国益と不可分との認識をもち(引用者:?!)、その認識を政策として落とし込んでゆく(引用者:?!)」
~「現在日本政府は・・習近平国家主席の国賓招致検討を続けるなど中国の顔色を窺っている。この態度が日本の南西諸島防衛および上述の諸外国(引用者:?!)との関係強化に水を差すと認識する」という政府批判が発足の起点になっている。
~「期待される成果:(ア)日台間の関係を国家間に準ずるものとする政策提言を行う。(イ)日台関係強化が国益という理解を広め国民理解の裾野を広げる。(ウ)時機到来(引用者:?!)に備えた「台湾関係法」を整備するための材料を提供する。(エ)南・東シナ海及びインド太平洋地域における関係国の共通益が存在するという認識を共有する。」
~(引用者注記)これらは当事者である中国・台湾を含み国際的に認知された「一つの中国」を転換して「二つの中国・台湾独立」を目指すことであり(台湾政権の現実政策に反して)強力に進めれば中国の「核心的利益」と衝突して中台戦争を起こす
何故?(台湾政権の現実政策でもある)「現状維持・緊張緩和」という選択肢が無いのか?
~「活動内容:① 定例研究会(月1回)外部内部の講師を招聘、② 成果本作成のためのヒアリング、意見交換:国内外の専門家、実務者と対話、年1回程度台湾での共同研究会
③ 年次総括セミナー:プロジェクト全体の進捗報告、最終成果物作成『政策提言報告書』」だが、日本戦略研究フォーラムの役員等は、日米の元軍人・政治家・学者等で構成している。

(25-2)台湾有事研究会の机上演習
2022.8.6(広島原爆投下の日)に、 政策シミュレーション「徹底検証:台湾海峡危機 日本はいかに備えるべきか」机上演習を行っている。
https://www.jfss.gr.jp/public/images/file/2022-10-27/16668461145717.pdf
~(引用者注記)机上演習に、日本セル(政府役)とホワイトセル(レスポンス役:米国、台湾、中国、国連等)という設置をした結果、(中台戦争であるにも係わらず)「起きた事態に日本政府が思案して、順次、米国等に関与・救援を依頼する」「米国は第三者的に関与する」という現実と違う・不思議な展開になっている。
(印象としては、太平洋戦争でも選択肢を狭めて、相手に戦争を始めさせる米国の手法を想起する。)
~「シナリオの構成:中国が明確な意図(最終的な台湾の武力統一)に基づき、南シナ海、東シナ海の軍事的緊張を高め、陽動作戦として尖閣諸島に対する現状変更を行う。
 また中国は、台湾の独立を志向する総統候補を非難する一方、中国に宥和的な国民党(引用者:?!)を支援する三戦(心理戦、輿論戦、法律戦)を展開。
 その後、台湾の政情不安回復を理由に台湾本島の封止を宣言、偽旗作戦によって一気に台湾への斬首作戦を決行する。
 こうした状況における日本政府の情勢判断、対処方針、米国との調整について検討する。」だそうだが。
~(引用者注記)安直に台湾原住民「民進党」、外省人「国民党」として、台湾内部で対立しても、元々は「(中国本土をめぐる)国民党・共産党内戦」だから、中台戦争が迫るときに、国民党が共産党に付くという設定が歴史上おかしい
~これって、中国の軍事目的が「台湾の武力統一」で、「尖閣諸島は陽動作戦」に過ぎないのに、何で国連や覇権国・米国を差し置いて、日本が中心になり対応方針を出しているのか?甚だ疑問だ。
~前記(9)【参考】のとおり、「2014以降、ウクライナの東部地域で、アゾフ連隊等に軍事挑発させた」のに似ている。自民党急進派に「台湾独立を目指させて中台戦争を起こす」と「尖閣諸島・先島諸島での偽旗作戦で」「日中戦争に転換させて」「米国は安全地帯に引き下がって有り難い武器支援に回る」(ロシアのように中国を弱体化させる)
陽動作戦と分かっているなら乗らず、第1選択は「尖閣諸島は暫く放って置いて」、全体状況がもっと進んでから、中国が軍事的ダメージを受けたときに、或いはもっと後で日本有利のタイミングで対応すれば良い。状況・場合によっては交渉だけで中国軍が撤退することも有り得る。
 またカナダとデンマーク間の「ウイスキー戦争」のように「境界の島を分割領有にする」解決も有り得る
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOCB169VJ0W2A610C2000000/
~「2(4)中国の可能行動の仮定
ア 中国は可能な限り軍事行動に訴えず、情報戦/認知領域の戦い、サイバー攻撃、台湾国内の工作員、反政府勢力、海警、海上民兵を動員して台湾に騒擾を起こす。
イ 三戦が目論見通りに運ばず、台湾の平和的統一の希望が潰えた場合、中共指導部は武力を用いた台湾統一を決定する。台湾の通信、交通を遮断し孤立させる。台湾の政治・軍事指導者の斬首作戦を行ない、親中派政権の樹立を図る。
~(引用者注記)この場合の親中派政権は、既に国民党ではなく、中共の傀儡ということになるが、台湾内部に政治的基盤が無い中でクーデター的な樹立は想定できない。
ウ 対外的には武力侵攻ではなく国内治安問題とし、必要な場合の第 3 国への軍事力の使用については自衛のための武力行使と主張する。第 3 国の介入を抑制するため国際社会に対して三戦(心理戦、輿論戦、法律戦)を展開し、日本国内における不法行動等(引用者:?!)により厭戦気運(日米離間、台湾不介入)を増長させる。
~(引用者注記)「法律戦」は「一つの中国」だろうが、国連・米国・G7等は、現時点でどう整理するのか?「日本国内の不法行動等」って何?国益のための議論をすると不法?!!
エ 日米に対する三戦の効果が不十分な場合、台湾の封鎖と核恫喝によって日米同盟の発動を抑止する。それでも米国を抑止できない場合、在日米軍基地やグアム基地、空母機動部隊などの軍事目標を攻撃する。
オ 核の恫喝・限定使用による「エスカレーション抑止」戦略を遂行するが、全面戦争を避けるためアメリカ本土や非軍事目標は攻撃しない」だそうだが。
~(引用者注記)「核の限定使用」って何?どこに?台湾に?あんな狭い所に?「エスカレーション抑止」と逆でしょ?今の中国は、(米軍と比べて)台湾との地理的関係が有利で、通常戦力で十分に圧倒できるだろうに?だから前記(1)の米国敗北見通しでないのか?
~(引用者注記)上記アは、米国が他国でやっていることに似ている。
 イの時点で、武力侵攻になるが(中国からは国共内戦の再発)、「国連・覇権国米国がどうする?」「日本が単独で方針を出すのは誤りで、国際社会と協調する」。
 ウは、当事者である中国・台湾を含み国際的に認知された「一つの中国」を国連自体がどう整理するのかが先にある。国連自体が「二つの中国・台湾独立」を目指す転換をするならば、大議論を要することだ。
 エは、「一つの中国」を承認し続けてきた国々が、そもそも「何故?中台戦争に日米同盟を発動するのか?」何も説明していない。「それでも米国を抑止できない」とは?ここまで米国は何をして・しないのか?いきなり「日本からのアクション無しに、日本列島の在日米軍基地等を攻撃するか?」
 オは、「アメリカ本土や非軍事目標は攻撃しない」から、「米国本土は安全」だが、「日本列島は攻撃される」何故?国共内戦の再発(中台戦争)に介入するからだ。
~「3(1)イ日本セル(政府)のレスポンス
(キ) 日本からの要望で首脳会談を行った。事態様相は台湾有事と尖閣有事の複合事態と認識された。日米首脳共同声明の要点は、次のとおり。
~(引用者注記)別記したとおり、「尖閣有事」は米日による偽旗作戦になる
a. 日本は、尖閣事案について武力攻撃事態と認定し、尖閣奪還に全力を挙げる。
~(引用者注記)別記したとおり、優先事項は「台湾在留邦人の退避」「先島諸島の国民保護」であり、無人島である「尖閣奪還」はエスカレーションになるから後回しにしてタイミングを計るのが第1選択だ。
b. 米国は、尖閣事態に安保条約 5 条を適用し、尖閣防衛にコミットする。米国は、尖閣に対する中国の武力攻撃は日本に対する武力攻撃と認識する。
~(引用者注記)「中国軍による尖閣上陸等が単独で起きた」場合と、「中台戦争の陽動作戦等で起きた」場合では、優先順位・対処方法が異なる
c. 日本は、台湾事案について存立危機事態(引用者:?!)を認定し、合わせて米軍に対する後方支援を行う。
~(引用者注記)別記したとおり、中台戦争に「国連等が武力行使容認決議等をしない」中で、米日だけが軍事行動に前のめりに突き進むのは国際法違反であり、何よりも「甚大な犠牲を招いて国益に反する」国連憲章(戦争の非合法化)と日本国憲法が原則法規であり、安保法制は手続きに過ぎない
d. 日米両国は、台湾と尖閣諸島、先島諸島等を「共通の戦域」(引用者:?!)と認識し、軍事的に効果的な役割分担の詳細について詰めていく。
~(引用者注記)いやいや「不拡大方針」を取れば、別記したとおり、「在留邦人が居る台湾」と「無人島の尖閣諸島」と、「住民が居る先島諸島」を切り離して、それぞれに適する対処を行わなければならない。日本の最優先は、「住民が居る先島諸島の国民保護」と「台湾からの在留邦人退避」だろう。
e. 以上に基づいて、直ちに(引用者:?!)日米事務の同盟調整メカニズム(ACM)協議(引用者:?!)を開始する。
~(引用者注記)「直ちに」とは、国会での議論・承認無しにか?それは独裁だろう。緊急事態条項か
(引用者:参考)「 同盟調整メカニズム(Alliance Coordination Mechanism : ACM)」
https://imidas.jp/topic/detail/C-00-304-15-11-G221.html
「同盟調整メカニズム(ACM)の構成」
https://www.mod.go.jp/j/approach/anpo/alliguideline/pdf/ACMandBPM.pdf
(ク) 尖閣事態が悪化した場合、中国に先んじて(引用者:?!)日本が上陸する。そのために上陸作戦の準備にかかる。自衛隊の事前上陸作戦の準備には 72 時間かかるため、自衛隊が間に合わない事態も視野に入れておく(引用者:?!)こととされた。
~(引用者注記)何故?「中国に先んじて」上陸するか?これこそが「中台戦争に介入する口実を作る」偽旗作戦だろう。何故?先んじて?異常だ!!プランAは自衛隊が上陸する、間に合わない(命令がでない)ときにプランBで米軍が単独で上陸して、これを自衛隊が援護する流れに強引に持ち込む。異常だ!!
(ケ) 海上保安庁法 25 条の制約(引用者:?!)から、事態悪化時には海保巡視船は使用せず、迅速に海自と交代させる必要(引用者:?!)が指摘された。
~(引用者注記) 25 条「海上保安庁又はその職員が軍隊として組織され、訓練され、又は軍隊の機能を営むことを認めるものとこれを解釈してはならない」と軍隊機能を否定している。他方、「海上保安庁が自衛隊法80条に基づき防衛大臣の統制下に入っても、海上保安庁法25条に基づき、非軍事的性格を保った上で、同法に規定された所掌の範囲内の業務を行う」。現実問題として、海保は経験を積んでいるから、現場で安直な激化はしない。そうすると「中国に先んじて上陸して」「これを以て自衛権発動の口実にする」偽旗作戦が成立しない。だから「迅速に海自と交代させる必要」ということだろう。
(コ) 渡航の中止勧告を含めて、在外邦人の縮小を図っていく。あわせて、困難ではあるが、中国と台湾の日本企業、在留邦人の安全確保を図ることとされた。また、中国と台湾との流通が長期にわたって阻害される事態に備え、サプライチェーンの多角化を推進するとされた。
(引用者注記:前記(キ)a.b.d.のように、自民党急進派の優先順位は異常で、国民保護を放棄している。)
(サ) 自衛隊の通信に制約があり、有事には優先した周波数割り当て」
~(引用者注記)上記「シナリオの構成」に「陽動作戦として尖閣諸島に対する現状変更」とは書いてあるが、「日本セル(政府)のレスポンス」では、「何をどう現状変更したのか?」記載が無いままに、「尖閣事案について武力攻撃事態と認定」して、「台湾事案について存立危機事態を認定」するそうだが。
いきなり安全保障・武力行使のフルバージョンを決めている。「国連等の対応状況・見通しは?」「他に方法が無いのか?」「必要最小限の自衛隊運用か?」何ら検討をしていない。
~前記のとおり、「尖閣事案について」陽動作戦と分かっているなら乗らず、第1選択は「尖閣諸島は暫く放って置いて」、全体状況がもっと進んでから、中国が軍事的ダメージを受けたときに、或いはもっと後で日本有利のタイミングで対応すれば良い。状況・場合によっては交渉だけで中国軍が撤退することもある。
 前記「シナリオの構成」(引用者注記)に書いた、カナダとデンマーク間の「ウイスキー戦争」のように「境界の島を分割領有にする」解決も有り得る。
~「台湾事案について存立危機事態を認定」するそうだが、「何故?存立危機なのか?」「対策の得失を検討していない」
国連憲章(戦争の非合法化)と日本国憲法が原則法規で、安保法制は手段に過ぎない第1選択は、「国連安全保障理事会の開催を求める」ことだ。
~上記(ク)に「 尖閣事態が悪化した場合、中国に先んじて日本が上陸する」とある!!えっ「何だ!!中国はまだ上陸していない!!」それなのに(キ) で「a.尖閣事案について武力攻撃事態」とは!!これ自体が日米合作の「偽旗作戦」だろう!!
~加えて「c. 台湾事案について存立危機事態」「d. 日米両国は、台湾と尖閣諸島、先島諸島等を「共通の戦域」と認識」に突き進む。
 前記(キ)d.(引用者注記)に書いたとおり、分割して切り離して、それぞれに適する対処方針を決めるのが当然だ。
~上記(コ) で、「中国と台湾の日本企業、在留邦人の安全確保」が困難と書いているが、その前に上記(ク)のように前のめりに進めれば、在外邦人は取り残される。「共通の戦域」認識が誤りで、「台湾」は「安全保障理事会の開催」を待って協調することで「中国・台湾の在留邦人の退避」も可能になる。
 台湾有事研究会の方針は棄民でしかない。1945「満州からの撤退」、2022「米国のアフガニスタンからの撤退」のようだ。

(引用者注記)
【1】日本戦略研究フォーラム・台湾有事研究会が行った、2022.8.6(広島原爆投下の日)の、 政策シミュレーション「徹底検証:台湾海峡危機 日本はいかに備えるべきか」机上演習は、「二つの事態」「a.尖閣事案・武力攻撃事態」「c. 台湾事案・存立危機事態」を、「中国が尖閣に上陸する前から」「国連等との協調もせず」「前のめりに相次いで認定して」いて、客観的な状況推移と無縁に「安全保障・武力行使のフルバージョンを決めている」。
【2】これが示すのは、前記(24)のように、「安全保障法制の目的・機能が」「日本列島の安全ではなく」「中台戦争への介入」であり、「二つの事態」が手段だということだ。ところが、国連憲章(戦争の非合法化)と日本国憲法が原則法規で、安保法制は手段に過ぎない
【3】CSIS報告と合わせて見ると、台湾有事研究会は、「(米国の世界戦略と)米国本土の安全を守るために」「日本列島を生け贄にする任務を帯びて」「日本政界に養成したトロイの木馬」(米国の手先)になる。(個々の参加者は、時々の状況から良かれと思っていたかもしれないが。)
~しかも前記(24)の(引用者注記)に書いたとおり、【1】(中略)(ア)台湾避難民の受け入れ、(イ)物資提供、(ウ)武器提供・軍事訓練・偵察情報提供、(エ)在日米軍基地の提供(承認)拒否、(オ)戦闘の「後方支援」、(カ)「攻撃参加」のうち、【2】台湾をウクライナに置き換えると、EU・NATOは、上記(エ)(オ)(カ)のどれもやっていない。「開戦1年の2023.2時点で、戦車を提供するか否か」を真剣に討議している。
~どの国も「自国領域の安全」が最優先だから当然だろう。NATOは「加盟国の安全」のための組織だからだ。
(旧統一教会の潜入工作を受けた)自民党急進派と台湾有事研究会の「二つの事態」についての捉え方は、EU・NATO各国の行動と懸け離れている。突出している。異常だ。「自国領域の安全が最優先の国益である」ことを理解せず放棄している。
【4】日米安保は「圧倒的に強い米国が、冷戦の中で日本を守る・抑える(西側陣営に引き留める)」ものだったが、「米国の力が圧倒的でなくなり、米国の世界戦略(中台戦争に介入・中国を抑える)を補完する」ものに変わった。
~その後も覇権国である米国とは協調を続けているが、「日本の国土領域が戦場になる現実が有れば」原点に立ち返って、「国土領域の安全を最優先に判断する」以外に無い
CSIS報告は、こういう意味の「安保政策の転換点」になる
【追記1】同研究会には、他にも異常な捉え方がある。
《政策シミュレーションから得られた政策提言
2.4.「米国にとって・・在日米軍人及び家族の安全が最優先事項(引用者:?!)である・・サイバー対処については日米同盟調整メカニズム( ACM )の枠組みを「超える」(引用者:日本政府内に米国が入る?!)情報共有と行動調整が必要」
2.10.「特に、(警察権行使を越境して行う
(引用者:?!)ことの承認など)・・」
4.1.「事態認定の時機と内容は米側と(引用者:国内は?国会は??!)一致させる・・」
8.5.「台湾が物理的に封鎖された場合の「封鎖突破(引用者:?!)による人道支援」への我が国の参加は必須(引用者:?!)であり・・」
10.5.「最悪の場合は中国在留邦人約 125,000 名の多くを救えない(引用者:?!)可能性が高いことも知らしめ(引用者:議論無しに?!)・・」
11.8.「・・尖閣諸島が「陽動作戦」に利用される可能性があることから、自衛隊による抑止態勢(先島・尖閣への部隊展開(引用者:?!)、島民避難、事態認定)を早期に構築することを決定する必要がある。」
12.2.「中国政府の「台湾は内政上の問題」とする主張への政府としての対外説明(引用者:国際社会?国連で議論無しに?!)ナラティブと、台湾に関与する場合の国内向けの説明ナラティブ」
12.6.「台湾海峡危機における米核抑止の価値(戦術核兵器の使用等)(引用者:?!)について、日米で(引用者:?!)検討する必要がある。(戦術)核抑止力使用の国際的コンセンサス(引用者:?!)は必要」(引用者:ウクライナでロシアが核で脅すと批難しながら中台戦争で核を使う準備をする?!
12.14.「米軍による中国本土への攻撃(引用者:?!)における嘉手納、三沢基地等の使用について、事前協議に肯定的に対応する(引用者:?!)」
【追記2】同提言に「シナリオベースに落とし込む」という表現が複数箇所ある。これは制作・脚本が米国で、俳優が日本であり、俳優が演出に意見を出したりアドリブをしても、物語本体を変えられないことを示す。cf.ウクライナ、Z大統領

(次頁へ続く)
【その3】CSIS報告は、中台戦争に介入して、「米国本土に攻撃が向かわないよう」「日本列島の安全を生け贄にする」計画
https://ameblo.jp/t1997/entry-12790112578.html