赤井寅三 セラピー -8ページ目
 会社を退職したい旨を、上司に伝えた。
 
 
 打ち合わせブースに上司を呼びつけ、ここぞとばかりに日頃心に思っているあんなことやこんなことをぶちまけた。
「こんな給料じゃやってられん。ボーナスを前回の倍にしてくれ」
と頼むと、上司は顔色一つ変えずに、
「君一人を優遇するわけにはいかん。それよりも君、ロンドンに行ってくれないか」
と提案してきた。
「話をすり替えないでくれ!俺はロンドンにもシカゴにも行くつもりはない」
「だとしたら話が早い。こっちにはこっちの考えもある。…君は会社を利用したがっているようだが、組織の論理というものをわかってないようだな」
 ———「今だ」と私は思った。胸ポケットから退職願を取り出すと、デスクに叩き付けた。
「もうたくさんだ。辞めてやる!」
 
 
 …というようなドラマチックな要素は乏しかった。だいたい、私の勤める会社にロンドン支社やシカゴ支社はないし、年俸制なのでボーナスもない。「打ち合わせブースでの面談」以外は嘘です。でも淡々と、自分の思いを正直に話して、割とすんなり納得してもらえた。ほっとした。
 予想していたよりも冷静に伝えられたな、と思った。そういう内容を告げる時には、もっと心臓がバクバクするのかと思っていた。手に汗をかいてはいたが、話の順番も強調したい箇所も予定通り伝えられた。
 
 あれ?…何かに似てるぞ?
 何だっけ?この感覚は。
 そうだ、プレゼンだ。競合プレゼンの時の緊張感と似ているのだ。懐かしかった。
 久しく覚えてなかったこの感覚。これからたくさん経験できるだろうか?経験したいなあ。
 
 
 
 
 
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 休みを利用して日帰りで京都に行ってきた。
 「そうだ、京都に行って、京都っぽいものを食べて、ちょっといい感じになろう」という軽いノリで決めた旅なので、漠然とした旅になる予感がしていた。でもそれではつまらん。
 そういう時はプチテーマを決めればいい。
 日帰りだからテーマは一つ。今回のテーマは、新選組にした。
 
 私は新選組の熱烈なファン、というわけではない。でも昔大河でやっていた三谷幸喜さんの「新選組!」は毎回見ていたので、歴史的背景などはだいたい大雑把にざっくりと大枠はアバウトに把握しているつもりだ。
 だから、正直に言って、新選組ゆかりの場所を回ることを、そこまでワクワクと期待はしていなかった。マニアの人たちからは怒られそうなぐらいに軽い気持ちで、西本願寺や壬生界隈をぶらぶら歩いた。
 
 …のだが…。
 
 四条大宮の駅から南へ。コンビニを右折して西に伸びる道を行くと、「新選組之墓」と書かれた石碑が、光縁寺というお寺の門に立っていた。中へ入ると、京ことばの住職さんがギャグまじりの説明をしてくださった。本堂の中にたくさんの位牌があり、建物の裏側の墓地の北西部分には新選組隊士たちの墓があった。
 それらの前にしゃがんで手を合わせているうちに、はっと思った。「この人たちは、この国を良くしようとしていて命を落としたんだ…」。
 大河ドラマを見ていたにもかかわらず、「新選組=幕府に雇われた殺し屋集団=怖い」、というイメージが私の頭の中にあった、ということに気が付いた。その側面は一面としては確かにあるだろう。でも決して、悪行をしようとしていた集団ではない。国の現在と未来のために良かれと思って行動していた、正義感に満ちた若者たちなのだ。だから旗印が「誠」なのだろう。私はその部分を忘れてイメージしていた。
 …無念だっただろうなあ。大半は20代で亡くなっていった人たちだ。あとちょっと長生きしていれば、明治の代になっていたのに…。
 
 家に帰って調べてみると、日本国内の内戦というものは西南戦争を最後に、140年近く起きていないことがわかった。新選組の活躍からわずか10年後に西南戦争が終わっている。
 …無念だったろうなあ。今の時代に生きていられる自分を、ありがたく思わないと。
 
 
 
 ちなみに、先ほどの光縁寺の住職さんのギャグはめっちゃくちゃ面白い。京都にいる間で一番笑った気がするぐらいだ。しかもかなりブラックなので、「そんなこと言ったらバチが当たっちゃうんじゃないか」とこっちが冷や冷やしてくる。
 まあでも、新選組の人たちはずっと若い人たちのままだから、ひょっとしたらそれぐらいの方が喜んでくれているのかも知れない。
 
 
 
 
 
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 毎月診ていただいている鍼灸の先生から毎月言われるのが、「肩甲骨がロックされて胸が小さくなっている」ということだ。つまり、両方の肩甲骨の動きが小さくなってしまうために、胸=肺が広がろうにも広がらないという状態になってしまっているのだ。両肩の端っこが前に出てしまうために、姿勢も悪くなる。
 
 いや、順序が逆だ。
 私は背が低いくせに昔っから猫背なのだ。だから肩が前に出てしょぼくれた姿勢になってしまうんだろう。その結果、
 
肺が広がらず呼吸も浅くなる
→脳や体に酸素を取り入れにくくなってボケッとしてしまう
→人違いで知らない人に挨拶もしてしまうし、いまだに上司のかぶりもの(人工毛髪)を指さして声を立てて笑ってしまう

 
…のだ。すべては、猫背。こいつのせいだ。
 
 思えば、パソコンを使っていたり自転車や車を運転したりする時は、どうしても肩が前に出る。両腕を下げたままできる作業ではないからこういう時はあきらめるとして、せめて歩いている時は姿勢を正して歩こうと決めた。寒い時季だから余計に強く意識しないと背が曲がってしまうので、「姿勢、姿勢」と口の中でごにょごにょ言いながら歩くようにし始めたのだ。
 
 以前に書いた「表情フィードバック」と同じ原理だと思うのだが、不思議なことに、姿勢に気を付けて歩いていると、気分も前向きになってくる気がする、ということがわかった。
 
*  *  *  *  *  *  *
 
 昨年末、私はある申請をお役所に提出するために東奔西走した。といっても、期限ぎりぎりになって焦って準備した自分が悪いのだが。申請が通るか通らないかは出してみないとわからないし、そもそも提出期限までに書類が揃えられるかどうかも心配だった。仕事以外の時間はいつもその心配だけを考えていた一時期だったのだ。
 そんな心境の時、「姿勢、姿勢」とつぶやいて歩くと、
 …何故なんだろう?「心配するこたあない」という気分になってきたのだ。「申請が通らんでも死にゃあせんわ」―――神様なのか亡くなったおじいちゃんなのかにそう諭された感じがした。
 あらあ、こりゃ楽だわ。
 確かに視線は高くなるから、はたから見ても、まず落ち込んでいるようには見えないだろう。歩き方もゆったりと堂々と(偉そうに)なってくる。
 それにしても気持ちまでがこんなに軽くなるとは!前のめりを直せば前向きになれてしまうのだ。自分の負の感情は、自分で誤魔化すことで軽くなることを改めて感じた。
 
 これ、うつと闘っていた頃の自分に教えてあげたかったなあ、と思った。くよくよした気持ちを明るくさせられるのは、最終的には自分自身なのだ。
 だから今日も、「姿勢、姿勢」とつぶやきながら、肩甲骨のロックを外すために、偉そうに歩いている。
 
 
 
 
 
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 勤めている会社の納会で、真っ昼間から酒を飲んでぽーっとしている。会社員が白昼堂々と飲酒できるのはこの日ぐらいだから、グイグイ飲んでしまった。だってエビスの琥珀のやつが美味いんだもん。

 さて、毎年思うのだが、あっという間に年末である。新年が明けるのもきっとあっという間だ。年齢が重なるにつれ、世間的な速度がどんどん加速していく気がする。自ずと焦ってくる。これはいいことだと思う。
 ちょっとぐらい焦った方が、自分で自分の尻を叩くことになるからだ。

 今年一年は、来年からの新しい自分のための準備期間だった。もちろん独立することがゴールであるわけがなく、独立してからも常に修行なんだろうけど。でも自分で「こうしよう」と決めて、自分で段取りを組んで準備するのは、ほぼ初めての経験だったので、新鮮で勉強になったいい一年だった。
 大学を出て入った会社は病気療養で辞めざるを得なくなったし、病気明けで勤めた書店員は店長と喧嘩して辞めさせられたし、その次のマイクロフィルム撮影技師は期間限定の採用だったし…。自らの意思で職を変えるのは、今回が初めてなのだ。
 恐らく最初で最後のこの経験を、大事にしたいと思う。

 …と、恐らく最後の会社員としての仕事納めの日に思った。
 来年はもっと自分の尻を叩く年になると思います。
 皆様もどうぞ、良いお年を。
 
 
 
 
 
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 アドルフ・ヒトラーに似た奴が二度目の総理大臣になって、「右傾化」「右傾化」と鳥か何かの鳴き声のように言われていたものが、ここに来て急加速し始めた。一度目の総理時代に盛んに口にしていた「戦後レジームからの脱却」は、そっくりそのまま「戦前帝国主義への回帰」へとこのまま突き進んでいきそうな気配だ。
 
 さあ、どうなっていくんだろう、日本は。
 
 明治~大正~昭和にかけて戦争国家ができあがっていった時代とは、いきさつも時代背景も全く違うので、必ずしも同じようなことにはならないのかもしれない。でも、70年近く一切戦争をしない国家で生きてきた日本人にとっては、過去の時代背景なんかどうでもいいことだ。「ひょっとしたら戦争がはじまってしまうかもしれない」という未来予想そのものが恐怖なのだから。「やだなあ」と思う人が日本中にうじゃうじゃいると思うんだけど…。
 
 そういう「やだなあ」と思う人たちがやってるデモに囲まれた国会議事堂の中で、テロに近い決め方で特定秘密保護法案を可決した国会議員の人らは、「やだなあ」って思わないんだろうか?…と本気で考えてしまった。
 まあ、そんなこともないだろう、と思う。法案に賛成した国会議員でも、平和国家に生きてきた人間である以上、みんながみんな戦争をやりたがっているとは思えない。上司が言うから賛成した、という人らが大半なのではないか?普段は戦争どころか、ゴキブリもよう殺さんのじゃあないか?人間なんだから。
 
 コンビニ(もしくは国会内の売店)でガム1個買うのに1万円札を出して「これですいません」って謝ったり、今日みたいな寒い日は静電気にビビったり、「ごちそうさん」を録画し忘れたのを思い出して落ち込んだり…。
 と、「国会議員だってそれぐらいはするだろう!」と勝手に「人間らしさ」を奴らに要求してしまう。だって人間だもの。
 
 ふと、「ヘルマン・ヘッセが『ユーモアのない人間が戦争を始める』と言っていた」と忌野清志郎さんが言っていたのを思い出した。「ユーモア」は「human」からの派生語だ。つまり、人間らしさがユーモアなのだ。
 清志郎さんの言っていたヘルマン・ヘッセの言葉から解釈するならば、もっと議員の人らにはユーモアを持って生きてもらいたいと思う。「いかに国民を笑わせるか」に命を懸ける議員がいてもいいと思う。
 
 
 
註):今までの議員でも「笑える議員」は何人かいるけど、そいつらは「嗤われた議員」だから、ここにはカウントいたしません。
 
 
 
 
 
↓国会でスネークマン・ショーを流せたら楽しいだろうなあ。
 
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