★本日、小説短編集新作の出版販売を開始しました。 | 《遠い昔、深夜放送が好きだった人たちへ贈る小説》間々田陽紀の世界

《遠い昔、深夜放送が好きだった人たちへ贈る小説》間々田陽紀の世界

■好きな音楽、好きな映画、好きなサッカー、好きなモータースポーツなどをちりばめながら、気ままに小説(255作品)・作詞(506作品)を創作しています。ブログも創作も《Evergreen》な風景を描ければと思っています。

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※唯人は暗くなった生徒会室に一人で残っていた。さっきまで生徒会のメンバーたちと一緒に議論していたが、全く盛り上がることなく終了していた。今学校側から生徒会に制服への希望の取りまとめを求められていた。生徒会のメンバーたちのほとんどが無関心で、何の意見もアイデアも出ない状況が続いていた。
 
 何故生徒会で生徒たちの制服に関する意識を取りまとめることとなったかと言うと、制服を巡る想定外の事実が発覚したからだった。それと言うのも永年PTA会長を務めていた人が、何と現在学校で採用している標準服の販売店から賄賂をもらっていたことが、学校への匿名の手紙を発端として判明したのだった。
 
 それからの展開は早かった。学校側が立ち上げた再発防止委員会が出した結論は、これを機会に制服そのもの存続、変更等を議論するということだった。そんな流れの中で学校側とPTA側、制服納入業者側それぞれに置いて意見の集約を求められたのだ。
 
 そんな中で生徒会にも生徒たちの制服に対する意見の取りまとめが、求められたのだった。正直3年生で生徒会長なんて引き受け手がいない中で、唯人は敢えて会長に立候補していたのだった。唯人は立候補の公約としてバイク通学の解禁を掲げていた。
 
 ところが唯人の公約など全く検討されることなく放置されていたのに、今回の制服への対応は途中経過の報告が求められるほど学校側の強い関心事となっていた。恐らく色々な利害関係者が存在している問題だったからだったのだろうと、唯人は考えていた。
 
 個人的に唯人は、高校入学時から指定された標準服を着用して通学していた。特別標準服を好んでいた訳ではなかったが、とにかく学校へ行く時に何を着て行くかなど考えるのが唯人は面倒だった。理由はそれだけだったし、そんな現状に不満を感じることもなかった・・・。


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