★【パティ・ケイク$】映画鑑賞備忘録 | 《遠い昔、深夜放送が好きだった人たちへ贈る小説》間々田陽紀の世界

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■好きな音楽、好きな映画、好きなサッカー、好きなモータースポーツなどをちりばめながら、気ままに小説(242作品)・作詞(506作品)を創作しています。ブログも創作も《Evergreen》な風景を描ければと思っています。

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★芸術表現としての映画は映像美がありセリフもあり音楽もあるという総合芸術だと思っていて、目で観て耳で聴いて感性を強く刺激してくれる素敵な表現ツールだと言えると思います。そこで自分が観た映画作品を順番に紹介していきたいと思います。

■『パティ・ケイク$』・・・・・この映画は久し振りにエンディングの素晴らしさが強く印象に残る映画となりました。舞台上のパティが舞台下の母親のバーブにマイクを差し出しデュエットするシーンは、感激以外の何ものでもありませんでした。そし丘の上から車を停めて遠く夢の拡がっているニューヨークの大都会を見下ろしながら、ふとカーラジオから自分帯たちのデモテープが流れてくるシーンと繋がっていくのですがこの演出がたまりませんでしたね。


【解説等】サンダンス映画祭のほか多数の映画祭で上映・受賞を果たした音楽映画。ニュージャージーで元ロック歌手の母、車椅子の祖母と暮らす23歳のパティは、金も職もなく、その見た目からダンボと嘲笑されている。そんな彼女は、ラップで成功することを夢見ていた。監督・脚本・オリジナル音楽は、本作が長編デビュー作となるジェレミー・ジャスパー。出演は、「シークレット・デイ」のダニエル・マクドナルド、「エイミー、エイミー、エイミー! こじらせシングルライフの抜け出し方」のブリジット・エヴァレット、「レイジング・ブル」のキャシー・モリアーティ。

【あらすじ】掃き溜めのようなニュージャージーで暮らす23歳のパティ(ダニエル・マクドナルド)は、呑んだくれの元ロック歌手の母(ブリジット・エヴァレット)と車椅子の祖母(キャシー・モリアーティ)との3人家族。ラップの神様O-Zに憧れ、音楽界での名声を手にして地元を出ることを夢見ている。金も職もなく、その見た目からダンボと嘲笑されるパティにとって、ヒップホップ音楽は秘密兵器だった。ある日、駐車場で繰り広げられていたフリースタイルラップ・バトルに参加し、バトル相手を渾身のライムで打ち負かしたパティは、諦めかけていた夢に再び挑戦する勇気を手に入れる。そんな彼女の元に、正式なオーディションに出場するチャンスが舞い込む……。

~出典:Movie Walker ~

★【お気にりのシーンなど・・・】

※パティの母親バーブが、家に尋ねてきた昔のバンド仲間だった警察官がギターを弾きながらクラプトンのクロスロードを演奏して歌っていたのがクラプトンファンとしては嬉しかったですね。

※基本的にヒップホップは得意ではなかったのですが、声の映画を見ている限りは素直に耳に心地よく入ってきましたね。でもメロディに乗せる歌詞に拘りを持つ自分としては、リズムと歌詞だけのヒップホップは今ひとつ感性を突き動かさないようです。

※途中まで単純なサクセスストーリーかと思ってみていましたが、パティの祖母ナナも絡んできて、しかも祖母、母親、そして子供のパティの3人がいずれも問題を抱えているのですが、みんな音楽を日常的に楽しんでいるように見えて、様々な葛藤を平然と受け流しているのが面白かったです。

※23歳のどこにでもいるようなパティが様々なハンデを乗り越えていくのですが、それこそ血みどろの努力とかでなく好きなことをやっている延長で夢に結びついていくのが何となくホッとさせられましたね。

※そう言えばエンディングでカーラジオからパティのでもCDの楽曲が流れてくる背景が、何となく夜明けの風景が拡がっていて。まさにこれからパティの夢が現実に近づいていくということを連想さえせるような演出だったのでしょうか・・・・?

※この映画の中でパティが表現する音楽としてラップが使われているのは、やはり様々なメッセージを映画の台詞以外で使いたいと思ったらラップが最適だったのでしょうね。

※パティが音楽仲間であるジェリの働いている薬局に来て、もう一度やり直したいと頼みに来た時のジェリの真剣さが良かったですね。それまでどちらと言えば調子のいいことばかり言っていたのに、あのシーンでの台詞には重みがあって《よくぞ言った!》とエールを送りたくなりましたね。

※最初に言いましたが、エンディングまでの鬱屈されたパティや仲間や家族のみんながずっと抱き続けていた思いがあったからこそ、この映画のエンディングの素敵なさが観客に伝わって来るのでしょう。うまい演出だったと思います。


渋谷



《2024年度:鑑賞済作品リスト》
■『僕らの世界が交わるまで』2024年1月31日
■『カラーパープル』2024年2月22日
■『アーガイル』2024年3月28日
■『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』2024年4月26日
■『猿の惑星/キングダム』2024年5月24日

《2023年度:鑑賞済作品リスト》
■『エンパイア・オブ・ライト』2023年3月2日
■『フェイブルマンズ』2023年3月30日
■『生きる LIVING』2023年4月20日
■『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』2023年5月18日
■『aftersun/アフターサン』2023年6月15日
■『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』2023年7月28日
■『コンサート・フォー・ジョージ』2023年8月18日
■『ロスト・キング 500年越しの運命』2023年9月22日
■『キリエのうた』2023年10月19日
■『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』2023年11月16日
■『ティル』2023年12月21日

《2022年度:鑑賞済作品リスト》
■『コーダ あいのうた』2022年3月29日
■『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』2022年5月12日
■『リコリス・ピザ』2022年7月5日
■『エルヴィス』2022年7月15日
■『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路』2022年8月16日
■『ビリー・ジョエル:ライヴ・アット・ヤンキー・スタジアム』2022年10月6日
■『恋人はアンバー』2022年11月10日

《2021年度:鑑賞済作品リスト》
■『スターダスト』2021年10月21日
■『リスペクト』2021年11月5日
■『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』2021年11月19日
■『ディア・エヴァン・ハンセン』2021年12月2日
■『ラストナイト・イン・ソーホー』2021年12月16日

《2020年:鑑賞済作品リスト》
■『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』2020年1月17日
■『ジョジョ・ラビット』2020年1月22日

《2019年:鑑賞済作品リスト》
■『ボヘミアン・ラプソディ』2019年1月9日
■『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』2019年1月24日
■『天才作家の妻 40年目の真実』2019年2月7日
■『ノーザン・ソウル』2019年2月22日
■『グリーンブック』2019年3月6日
■『メリー・ポピンズ リターンズ』2019年3月19日
■『運び屋』2019年4月4日
■『ビューティフル・ボーイ』2019年4月17日
■『ドント・ウォーリー』2019年5月9日
■『山下達郎 シアター・ライヴ PERFORMANCE 1984-2012』2019年5月23日
■『ベン・イズ・バック』2019年6月7日
■『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』2019年6月20日
■『アマンダと僕』2019年7月5日
■『さらば愛しきアウトロー』2019年7月18日
■『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』2019年8月22日
■『ロケットマン』2019年8月29日
■『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』2019年9月12日
■『アルツハイマーと僕 グレン・キャンベル 音楽の奇跡』2019年9月27日
■『イエスタデイ』2019年10月17日
■『マイ・ビューティフル・デイズ』2019年11月7日
■『ラスト・クリスマス』2019年12月12日

《2018年:鑑賞済作品リスト》
■『はじまりのボーイミーツガール』2018年1月11日
■『ベロニカとの記憶』2018年1月25日
■『ロング,ロングバケーション』2018年2月14日
■『パーティで女の子に話しかけるには』2018年2月22日
■『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』2018年3月8日
■『フェリーニに恋して』2018年3月29日
■『ワンダーストラック』2018年4月9日
■『さよなら、僕のマンハッタン』2018年4月23日
■『パティ・ケイク$』2018年5月10日
■『ミッドナイト・サン タイヨウのうた』2018年5月24日
■『男と女、モントーク岬で』2018年6月7日
■『レディ・バード』2018年6月28日
■『女と男の観覧車』2018年7月12日
■『悲しみに、こんにちは』2018年7月26日
■『タリーと私の秘密の時間』2018年8月23日
■『輝ける人生』2018年9月6日
■『500ページの夢の束』2018年9月21日
■『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』2018年10月4日
■『エンジェル、見えない恋人』2018年10月18日
■『マイ・プレシャス・リスト』2018年11月2日
■『モダンライフ・イズ・ラビッシュ ロンドンの泣き虫ギタリスト』2018年11月15日
■『souvenir the movie~MARIYA TAKEUCHI Theater Live~』2018年11月30日
■『おとなの恋は、まわり道』2018年12月14日
■『アリー/ スター誕生』2018年12月27日

《2017年:鑑賞済作品リスト》
■『ミス・シェパードをお手本に』2017年1月12日
■『天使にショパンの歌声を』2017年1月26日
■『たかが世界の終わり』2017年2月16日
■『素晴らしきかな、人生 』2017年3月2日
■『わたしは、ダニエル・ブレイク』2017年3月23日
■『未来よ、こんにちは』2017年3月30日
■『はじまりへの旅』2017年4月13日
■『僕とカミンスキーの旅』2017年5月1日
■『マンチェスター・バイ・ザ・シー』2017年5月15日
■『カフェ・ソサエティ』2017年5月29日
■『20センチュリー・ウーマン』2017年6月12日
■『ラ・ラ・ランド』2017年6月26日
■『歓びのトスカーナ』2017年7月31日
■『エブリシング』2017年8月18日
■『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』2017年8月28日
■『あしたは最高のはじまり』2017年9月11日
■『プラネタリウム』2017年9月25日
■『ブルーム・オブ・イエスタディ』2017年10月11日
■『愛を綴る女』2017年10月23日
■『gifted/ギフテッド』2017年12月11日
■『彼女が目覚めるその日まで』2017年12月25日

《2016年:鑑賞済作品リスト》
■『きみといた2日間』2016年1月25日
■『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』2016年2月8日
■『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』2016年3月10日
■『幸せをつかむ歌』2016年3月29日
■『マンチェスター・バイ・ザ・シー』2016年5月15日
■『グランドフィナーレ』2016年4月18日
■『最高の花婿』2016年5月2日
■『すれ違いのダイアリーズ』2016年5月16日
■『君がくれたグッドライフ』2016年5月30日
■『教授のおかしな妄想殺人』2016年6月17日
■『ブルックリン』2016年7月1日
■『シング・ストリート 未来へのうた』2016年7月15日
■『ヤング・アダルト・ニューヨーク』2016年7月28日
■『きみがくれた物語』2016年8月19日
■『ハートビート』2016年9月2日
■『アスファルト』2016年9月16日
■『ある天文学者の恋文』2016年9月30日
■『世界一キライなあなたに』2016年10月13日
■『アイ・ソー・ザ・ライト』2016年1027月日
■『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』2016年11月10日
■『誰のせいでもない』2016年11月25日
■『幸せなひとりぼっち』2016年12月26日

《2015年:鑑賞済作品リスト》
■『ラブ&マーシー 終わらないメロディー 』2015年8月11日
■『ミッション インポッシブル』2015年8月21日
■『ヴィンセントが教えてくれたこと』2015年9月4日
■『Dearダニー 君へのうた』2015年9月18日
■『わたしに会うまでの1600キロ』2015年10月2日
■『パパが遺した物語』2015年10月16日
■『アクトレス~女たちの舞台~』2015年10月29日
■『サヨナラの代わりに』2015年11月13日
■『Re:LIFE~リライフ~』2015年12月3日
■『ディーン、君がいた瞬間(とき)』2015年12月28日