★【ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー】映画鑑賞備忘録 | 《遠い昔、深夜放送が好きだった人たちへ贈る小説》間々田陽紀の世界

《遠い昔、深夜放送が好きだった人たちへ贈る小説》間々田陽紀の世界

■好きな音楽、好きな映画、好きなサッカー、好きなモータースポーツなどをちりばめながら、気ままに小説(244作品)・作詞(506作品)を創作しています。ブログも創作も《Evergreen》な風景を描ければと思っています。

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★芸術表現としての映画は映像美がありセリフもあり音楽もあるという総合芸術だと思っていて、目で観て耳で聴いて感性を強く刺激してくれる素敵な表現ツールだと言えると思います。そこで自分が観た映画作品を順番に紹介していきたいと思います。

■『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』・・・・・自分の観る映画の観客は概ね男性と女性が半々のことが多いのですが、この映画はほとんどが男性ばかりで、改めてサリンジャーの男性ファンが多いのに納得させられました。

映像美としては時代背景をリアルでかつきめ細かく描いており良質な内容となっていて、とても素敵でした。ストーリー展開も、本の文章を本人が語るシーンを数多く挿入したりして、サリンジャーの自伝的表現を補足する意味でも有効だったと思います。最終的には単なるサリンジャーの伝記ものとなっておらず、サリンジャーを離れても1人の書く事に執着した作家の生き様としても実によく表現できた映画だとおもいました。


【解説等】世界的ベストセラーとなった「ライ麦畑でつかまえて」の作者、J.D.サリンジャーの知られざる半生に迫る人間ドラマ。作家を目指す青年が、戦争での地獄のような体験を経て、初長編小説を完成させるまでが描かれる。『X-MEN』シリーズのビースト役で知られるニコラス・ホルトがサリンジャーに扮し、内に強烈な個性と孤独を抱えた青年を体現する

【あらすじ】1939年、ニューヨーク。20歳のジェリーことジェローム・デイヴィッド・サリンジャー(ニコラス・ホルト)は、大学中退を繰り返していた。父は家業の食品輸入業を継がせようとするが、ジュリーは反発し、コロンビア大学の創作文芸コースを受講。そこでは文芸誌『ストーリー』の編集長でもあるウィット・バーネット教授(ケヴィン・スペイシー)が己の“声”を物語にすることの重要さを説いており、ジェリーは生涯をかけて物語を語る覚悟を問われる。そして完成させた短編『若者たち』が『ストーリー』に採用され、作家としての踏み出していったのだが・・・。

~出典:Movie Walker ~

★【お気にりのシーンなど・・・】

※映画の中でサリンジャーが《僕は腹が立つから小説を書く》と語っていましたが、まさにそこにサリンジャーのすべてがあるように思われました。

※エンディングのシーンで長年本を出版することなく隠遁生活を続けていたサリンジャーが《自分に語り続けるためにだけ書き続けた》と語っていましたが、まさに世界的なベストセラー作品を創作した作家が何故このような生き様を示したかが分かるように思われましたね。

※恐らくこの映画は若い頃サリンジャーの本を手にした人たちが多く観に来ていると思いますが、この映画はサリンジャーに拘らずに一人の小説家の生き様を描いた映画として観たとしても傑作だと思われます。それだけ上質な映画となっていると思います。

※サリンジャーが《ライ麦畑でつかまえて》そのものの映画化は許可しなかったので、こんな形で映画製作にチャレンジすることは大いに評価されてもいいと思いました。


※大好きな《ライ麦畑でつかまえて》をリスペクトしてオリジナス創作した作詞があるのでご紹介します。

《今更、ライ麦畑でつかまえて》

(1)学生時代から 使い込んだ机
   ようやく捨て去る 時がきたよ
   様々な汗や涙 机のシミとして残る
   怒りにまかせ 傷つけ角削られた机
   引き出しの中 ガラクタばかり捨て去る
   最後に出てきた 懐かしい文庫本
   今更、ライ麦畑でつかまえて

(2)何故か読みたいのに 図書館には無く
   古本屋街で 手に入れたよ
   高校時代の景色 ページ捲ると蘇る
   あの頃のただ 背伸びしたいだけの俺がいた
   自分の声が 聞こえない夜が続く
   周りを変えると 聞く耳もたない俺
   今更、ライ麦畑でつかまえて

(3)出来の悪さなどは ホールデンと同じ
   大学などには 行きたくない
   行方見失う俺が 現実の壁にぶつかる
   俺にあるから 見い出せずに彷徨い続けた
   弱い俺でも 生きがい求めていたよ
   俺にも聴こえた 小さな子供の唄
   今更、ライ麦畑でつかまえて

(4)俺には問い掛ける フィービーがいない
   何をしたいのか 分からないさ
   あの頃周りのすべて 気に入らないことばかりさ
   良いこと悪い すべての価値が変わり果てたよ
   答え探して 何度も手にした本さ
   話など忘れ ただ想い出に浸る
   今更、ライ麦畑でつかまえて


ライ麦



《2024年度:鑑賞済作品リスト》
■『僕らの世界が交わるまで』2024年1月31日
■『カラーパープル』2024年2月22日
■『アーガイル』2024年3月28日
■『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』2024年4月26日
■『猿の惑星/キングダム』2024年5月24日

《2023年度:鑑賞済作品リスト》
■『エンパイア・オブ・ライト』2023年3月2日
■『フェイブルマンズ』2023年3月30日
■『生きる LIVING』2023年4月20日
■『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』2023年5月18日
■『aftersun/アフターサン』2023年6月15日
■『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』2023年7月28日
■『コンサート・フォー・ジョージ』2023年8月18日
■『ロスト・キング 500年越しの運命』2023年9月22日
■『キリエのうた』2023年10月19日
■『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』2023年11月16日
■『ティル』2023年12月21日

《2022年度:鑑賞済作品リスト》
■『コーダ あいのうた』2022年3月29日
■『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』2022年5月12日
■『リコリス・ピザ』2022年7月5日
■『エルヴィス』2022年7月15日
■『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路』2022年8月16日
■『ビリー・ジョエル:ライヴ・アット・ヤンキー・スタジアム』2022年10月6日
■『恋人はアンバー』2022年11月10日

《2021年度:鑑賞済作品リスト》
■『スターダスト』2021年10月21日
■『リスペクト』2021年11月5日
■『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』2021年11月19日
■『ディア・エヴァン・ハンセン』2021年12月2日
■『ラストナイト・イン・ソーホー』2021年12月16日

《2020年:鑑賞済作品リスト》
■『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』2020年1月17日
■『ジョジョ・ラビット』2020年1月22日

《2019年:鑑賞済作品リスト》
■『ボヘミアン・ラプソディ』2019年1月9日
■『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』2019年1月24日
■『天才作家の妻 40年目の真実』2019年2月7日
■『ノーザン・ソウル』2019年2月22日
■『グリーンブック』2019年3月6日
■『メリー・ポピンズ リターンズ』2019年3月19日
■『運び屋』2019年4月4日
■『ビューティフル・ボーイ』2019年4月17日
■『ドント・ウォーリー』2019年5月9日
■『山下達郎 シアター・ライヴ PERFORMANCE 1984-2012』2019年5月23日
■『ベン・イズ・バック』2019年6月7日
■『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』2019年6月20日
■『アマンダと僕』2019年7月5日
■『さらば愛しきアウトロー』2019年7月18日
■『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』2019年8月22日
■『ロケットマン』2019年8月29日
■『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』2019年9月12日
■『アルツハイマーと僕 グレン・キャンベル 音楽の奇跡』2019年9月27日
■『イエスタデイ』2019年10月17日
■『マイ・ビューティフル・デイズ』2019年11月7日
■『ラスト・クリスマス』2019年12月12日

《2018年:鑑賞済作品リスト》
■『はじまりのボーイミーツガール』2018年1月11日
■『ベロニカとの記憶』2018年1月25日
■『ロング,ロングバケーション』2018年2月14日
■『パーティで女の子に話しかけるには』2018年2月22日
■『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』2018年3月8日
■『フェリーニに恋して』2018年3月29日
■『ワンダーストラック』2018年4月9日
■『さよなら、僕のマンハッタン』2018年4月23日
■『パティ・ケイク$』2018年5月10日
■『ミッドナイト・サン タイヨウのうた』2018年5月24日
■『男と女、モントーク岬で』2018年6月7日
■『レディ・バード』2018年6月28日
■『女と男の観覧車』2018年7月12日
■『悲しみに、こんにちは』2018年7月26日
■『タリーと私の秘密の時間』2018年8月23日
■『輝ける人生』2018年9月6日
■『500ページの夢の束』2018年9月21日
■『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』2018年10月4日
■『エンジェル、見えない恋人』2018年10月18日
■『マイ・プレシャス・リスト』2018年11月2日
■『モダンライフ・イズ・ラビッシュ ロンドンの泣き虫ギタリスト』2018年11月15日
■『souvenir the movie~MARIYA TAKEUCHI Theater Live~』2018年11月30日
■『おとなの恋は、まわり道』2018年12月14日
■『アリー/ スター誕生』2018年12月27日

《2017年:鑑賞済作品リスト》
■『ミス・シェパードをお手本に』2017年1月12日
■『天使にショパンの歌声を』2017年1月26日
■『たかが世界の終わり』2017年2月16日
■『素晴らしきかな、人生 』2017年3月2日
■『わたしは、ダニエル・ブレイク』2017年3月23日
■『未来よ、こんにちは』2017年3月30日
■『はじまりへの旅』2017年4月13日
■『僕とカミンスキーの旅』2017年5月1日
■『マンチェスター・バイ・ザ・シー』2017年5月15日
■『カフェ・ソサエティ』2017年5月29日
■『20センチュリー・ウーマン』2017年6月12日
■『ラ・ラ・ランド』2017年6月26日
■『歓びのトスカーナ』2017年7月31日
■『エブリシング』2017年8月18日
■『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』2017年8月28日
■『あしたは最高のはじまり』2017年9月11日
■『プラネタリウム』2017年9月25日
■『ブルーム・オブ・イエスタディ』2017年10月11日
■『愛を綴る女』2017年10月23日
■『gifted/ギフテッド』2017年12月11日
■『彼女が目覚めるその日まで』2017年12月25日

《2016年:鑑賞済作品リスト》
■『きみといた2日間』2016年1月25日
■『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』2016年2月8日
■『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』2016年3月10日
■『幸せをつかむ歌』2016年3月29日
■『マンチェスター・バイ・ザ・シー』2016年5月15日
■『グランドフィナーレ』2016年4月18日
■『最高の花婿』2016年5月2日
■『すれ違いのダイアリーズ』2016年5月16日
■『君がくれたグッドライフ』2016年5月30日
■『教授のおかしな妄想殺人』2016年6月17日
■『ブルックリン』2016年7月1日
■『シング・ストリート 未来へのうた』2016年7月15日
■『ヤング・アダルト・ニューヨーク』2016年7月28日
■『きみがくれた物語』2016年8月19日
■『ハートビート』2016年9月2日
■『アスファルト』2016年9月16日
■『ある天文学者の恋文』2016年9月30日
■『世界一キライなあなたに』2016年10月13日
■『アイ・ソー・ザ・ライト』2016年1027月日
■『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』2016年11月10日
■『誰のせいでもない』2016年11月25日
■『幸せなひとりぼっち』2016年12月26日

《2015年:鑑賞済作品リスト》
■『ラブ&マーシー 終わらないメロディー 』2015年8月11日
■『ミッション インポッシブル』2015年8月21日
■『ヴィンセントが教えてくれたこと』2015年9月4日
■『Dearダニー 君へのうた』2015年9月18日
■『わたしに会うまでの1600キロ』2015年10月2日
■『パパが遺した物語』2015年10月16日
■『アクトレス~女たちの舞台~』2015年10月29日
■『サヨナラの代わりに』2015年11月13日
■『Re:LIFE~リライフ~』2015年12月3日
■『ディーン、君がいた瞬間(とき)』2015年12月28日