★【ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた】映画鑑賞備忘録 | 《遠い昔、深夜放送が好きだった人たちへ贈る小説》間々田陽紀の世界

《遠い昔、深夜放送が好きだった人たちへ贈る小説》間々田陽紀の世界

■好きな音楽、好きな映画、好きなサッカー、好きなモータースポーツなどをちりばめながら、気ままに小説(237作品)・作詞(506作品)を創作しています。ブログも創作も《Evergreen》な風景を描ければと思っています。

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★芸術表現としての映画は映像美がありセリフもあり音楽もあるという総合芸術だと思っていて、目で観て耳で聴いて感性を強く刺激してくれる素敵な表現ツールだと言えると思います。そこで自分が観た映画作品を順番に紹介していきたいと思います。

■『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』・・・・・『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』の全体的なイメージは物語の背景、ストーリーなどにおいて適度な曖昧さで展開いるのですが、それが気にならないように演出されており好感がもてました。父と娘の関係、歳を重ねた父の夢との向き合い方、娘の自分の将来、娘の恋愛模様、妻に先立たれた男の歳を重ねてからの恋愛模様、年老いた母親との向き合い方など、テーマとして掘り下げてもいい内容がてんこ盛り状態で出てきます。しかしそれらを適度にコントロールしている演出は、映画鑑賞後の清々しさに結びついているように思われました。


【解説等】サンダンス映画祭やサウス・バイ・サウスウエストで上映された音楽ドラマ。元バンドマンで今はレコードショップを営むフランクは妻を事故で失って以来、一人で娘サムを育ててきた。ある日、二人で作った曲をフランクがネットにアップすると思わぬ反響がある。出演は、「SING シング」のニック・オファーマン、「さよなら、僕のマンハッタン」のカーシー・クレモンズ、「プライベート・ライアン」のテッド・ダンソン、「ミート・ザ・ペアレンツ」シリーズのブライス・ダナー、「ミュリエルの結婚」のトニ・コレット、「ヘルボーイ」のサッシャ・レイン。監督は、「ザ・ヒーロー」のブレット・ヘイリー。

【あらすじ】ニューヨーク、ブルックリンの海辺の小さな街、レッドフックで、元バンドマンのフランク・フィッシャー(ニック・オファーマン)はレコードショップを17年に渡り営んでいる。妻の事故死によりシングルファーザーとなったフランクは、娘サム(カーシー・クレモンズ)を一人で育ててきた。そのサムはLAの医大へ通うことが決まっている。娘の進学後の生計を立てるにはレコードショップは赤字続きのため、フランクは店の貸主で友人のレスリー(トニ・コレット)に、夏の終わりに閉店することを告げる。旧友デイヴ(テッド・ダンソン)が経営するバーに行ったり、年老いて痴呆症の母親マリアンヌ(ブライス・ダナー)の面倒を見たりするだけで、フランクの人生は明るいものではなかった。ある夜、フランクは勉強中のサムをセッションに誘う。サムは書きかけの歌詞を引っ張り出し、二人で夜通し曲をレコーディングするのだったが・・・・・。

~出典:Movie Walker ~

★【お気にりのシーンなど・・・】

※フランクとサムの2人が作詞作曲する過程で最近のマシンを使用している反面フランクがバンドとしての将来図をノートに手書きしていたりサムも作詞はノートでやっていたりと、メカニカルとハンドメイドが適度に交錯していたのに現実感がありましたね。

※フランクが弾き語りで自作の歌を歌うのを聴きながら、サムが《その曲は亡くなった母親のために作ったのでしょう》と語り、更にサムが歌う曲をフランクが聴きながら《誰かに恋しているのか》と話しかけたシーンは結構好きなシーンの一つとなりました。

※フランクがサムに《人生に悩んでいる時に、芸術は生まれる》つぶやいたシーンも良かったですね。それとサムが大切にしている言葉を紹介するシーンで《コミックで読んだ言葉》と紹介していたのですが、若い子達にとって小説でなくコミックが寄り添う現実が描かれていて妙に納得させられましたね。

CSI 科学捜査班に出ている D・B・ラッセルが、バーのマスター役で出てきていてウッドストックに行くシーンがありましたが、あの世代にとってウッドストックは特別だったのだろうと思いながら見ていました

サムが自転車事故で亡くなった母親のせいで自転車に乗らなかったのに、恋人のローズの勧められて自転車に乗るようになるのは《大人への階段》なのかと思いながら見ていました。

フランクとサムが閉店のレコードショップでミニライブをやるのとフラックが投稿したサムの歌声が知らぬ間に拡散されていくギャップが、今を物語っているようでしたね。

エンディングで医師を目指して大学進んだサムが歌手だった祖母と母親から引き継がれた血筋で、歌のオーディションに出ていた演出も素敵でしたね。


渋谷



《2024年度:鑑賞済作品リスト》
■『僕らの世界が交わるまで』2024年1月31日
■『カラーパープル』2024年2月22日
■『アーガイル』2024年3月28日
■『ゴーストバスターズ/フローズン・サマー』2024年4月26日

《2023年度:鑑賞済作品リスト》
■『エンパイア・オブ・ライト』2023年3月2日
■『フェイブルマンズ』2023年3月30日
■『生きる LIVING』2023年4月20日
■『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』2023年5月18日
■『aftersun/アフターサン』2023年6月15日
■『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』2023年7月28日
■『コンサート・フォー・ジョージ』2023年8月18日
■『ロスト・キング 500年越しの運命』2023年9月22日
■『キリエのうた』2023年10月19日
■『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』2023年11月16日
■『ティル』2023年12月21日

《2022年度:鑑賞済作品リスト》
■『コーダ あいのうた』2022年3月29日
■『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』2022年5月12日
■『リコリス・ピザ』2022年7月5日
■『エルヴィス』2022年7月15日
■『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路』2022年8月16日
■『ビリー・ジョエル:ライヴ・アット・ヤンキー・スタジアム』2022年10月6日
■『恋人はアンバー』2022年11月10日

《2021年度:鑑賞済作品リスト》
■『スターダスト』2021年10月21日
■『リスペクト』2021年11月5日
■『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』2021年11月19日
■『ディア・エヴァン・ハンセン』2021年12月2日
■『ラストナイト・イン・ソーホー』2021年12月16日

《2020年:鑑賞済作品リスト》
■『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』2020年1月17日
■『ジョジョ・ラビット』2020年1月22日

《2019年:鑑賞済作品リスト》
■『ボヘミアン・ラプソディ』2019年1月9日
■『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』2019年1月24日
■『天才作家の妻 40年目の真実』2019年2月7日
■『ノーザン・ソウル』2019年2月22日
■『グリーンブック』2019年3月6日
■『メリー・ポピンズ リターンズ』2019年3月19日
■『運び屋』2019年4月4日
■『ビューティフル・ボーイ』2019年4月17日
■『ドント・ウォーリー』2019年5月9日
■『山下達郎 シアター・ライヴ PERFORMANCE 1984-2012』2019年5月23日
■『ベン・イズ・バック』2019年6月7日
■『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』2019年6月20日
■『アマンダと僕』2019年7月5日
■『さらば愛しきアウトロー』2019年7月18日
■『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』2019年8月22日
■『ロケットマン』2019年8月29日
■『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』2019年9月12日
■『アルツハイマーと僕 グレン・キャンベル 音楽の奇跡』2019年9月27日
■『イエスタデイ』2019年10月17日
■『マイ・ビューティフル・デイズ』2019年11月7日
■『ラスト・クリスマス』2019年12月12日

《2018年:鑑賞済作品リスト》
■『はじまりのボーイミーツガール』2018年1月11日
■『ベロニカとの記憶』2018年1月25日
■『ロング,ロングバケーション』2018年2月14日
■『パーティで女の子に話しかけるには』2018年2月22日
■『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』2018年3月8日
■『フェリーニに恋して』2018年3月29日
■『ワンダーストラック』2018年4月9日
■『さよなら、僕のマンハッタン』2018年4月23日
■『パティ・ケイク$』2018年5月10日
■『ミッドナイト・サン タイヨウのうた』2018年5月24日
■『男と女、モントーク岬で』2018年6月7日
■『レディ・バード』2018年6月28日
■『女と男の観覧車』2018年7月12日
■『悲しみに、こんにちは』2018年7月26日
■『タリーと私の秘密の時間』2018年8月23日
■『輝ける人生』2018年9月6日
■『500ページの夢の束』2018年9月21日
■『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』2018年10月4日
■『エンジェル、見えない恋人』2018年10月18日
■『マイ・プレシャス・リスト』2018年11月2日
■『モダンライフ・イズ・ラビッシュ ロンドンの泣き虫ギタリスト』2018年11月15日
■『souvenir the movie~MARIYA TAKEUCHI Theater Live~』2018年11月30日
■『おとなの恋は、まわり道』2018年12月14日
■『アリー/ スター誕生』2018年12月27日

《2017年:鑑賞済作品リスト》
■『ミス・シェパードをお手本に』2017年1月12日
■『天使にショパンの歌声を』2017年1月26日
■『たかが世界の終わり』2017年2月16日
■『素晴らしきかな、人生 』2017年3月2日
■『わたしは、ダニエル・ブレイク』2017年3月23日
■『未来よ、こんにちは』2017年3月30日
■『はじまりへの旅』2017年4月13日
■『僕とカミンスキーの旅』2017年5月1日
■『マンチェスター・バイ・ザ・シー』2017年5月15日
■『カフェ・ソサエティ』2017年5月29日
■『20センチュリー・ウーマン』2017年6月12日
■『ラ・ラ・ランド』2017年6月26日
■『歓びのトスカーナ』2017年7月31日
■『エブリシング』2017年8月18日
■『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』2017年8月28日
■『あしたは最高のはじまり』2017年9月11日
■『プラネタリウム』2017年9月25日
■『ブルーム・オブ・イエスタディ』2017年10月11日
■『愛を綴る女』2017年10月23日
■『gifted/ギフテッド』2017年12月11日
■『彼女が目覚めるその日まで』2017年12月25日

《2016年:鑑賞済作品リスト》
■『きみといた2日間』2016年1月25日
■『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』2016年2月8日
■『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』2016年3月10日
■『幸せをつかむ歌』2016年3月29日
■『マンチェスター・バイ・ザ・シー』2016年5月15日
■『グランドフィナーレ』2016年4月18日
■『最高の花婿』2016年5月2日
■『すれ違いのダイアリーズ』2016年5月16日
■『君がくれたグッドライフ』2016年5月30日
■『教授のおかしな妄想殺人』2016年6月17日
■『ブルックリン』2016年7月1日
■『シング・ストリート 未来へのうた』2016年7月15日
■『ヤング・アダルト・ニューヨーク』2016年7月28日
■『きみがくれた物語』2016年8月19日
■『ハートビート』2016年9月2日
■『アスファルト』2016年9月16日
■『ある天文学者の恋文』2016年9月30日
■『世界一キライなあなたに』2016年10月13日
■『アイ・ソー・ザ・ライト』2016年1027月日
■『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』2016年11月10日
■『誰のせいでもない』2016年11月25日
■『幸せなひとりぼっち』2016年12月26日

《2015年:鑑賞済作品リスト》
■『ラブ&マーシー 終わらないメロディー 』2015年8月11日
■『ミッション インポッシブル』2015年8月21日
■『ヴィンセントが教えてくれたこと』2015年9月4日
■『Dearダニー 君へのうた』2015年9月18日
■『わたしに会うまでの1600キロ』2015年10月2日
■『パパが遺した物語』2015年10月16日
■『アクトレス~女たちの舞台~』2015年10月29日
■『サヨナラの代わりに』2015年11月13日
■『Re:LIFE~リライフ~』2015年12月3日
■『ディーン、君がいた瞬間(とき)』2015年12月28日