★本日、小説短編集新作の出版販売を開始しました。 | 《遠い昔、深夜放送が好きだった人たちへ贈る小説》間々田陽紀の世界

《遠い昔、深夜放送が好きだった人たちへ贈る小説》間々田陽紀の世界

■好きな音楽、好きな映画、好きなサッカー、好きなモータースポーツなどをちりばめながら、気ままに小説(246作品)・作詞(506作品)を創作しています。ブログも創作も《Evergreen》な風景を描ければと思っています。

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★本日、小説短編集 【61】フォークソングが流れていた季節(原稿用紙30枚) の出版販売を開始しました。

2月24(土)と25日(日)の2日間、無料で読めるので、よかったら読んでみてください。

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※成生は竹芝桟橋のベンチに腰掛け海風に身を任せていた。豊美との待ち合わせ時間までには、まだ小一時間もあった。豊美とこの場所で落ち合うようになってから早いもので2年になろうとしていた。豊美は成生の通う大学の同級生だった。
 
 豊美とは大学1年生の時の学園祭で出逢った。成生はフォークソング部のステージで初めての演奏に臨み、そのステージの進行案内をしていたのが放送部に所属していた豊美だった。今から思えば2人とも所属している部員の中では、浮いていたように成生には思えていた。
 
 正確に言えば、2人とも部員たちの輪に上手に入れないでいた。そう言うことだった。何となく居場所がなくなっていた成生が豊美にステージ終了後に、お茶でも飲もうと声を掛けたのだった。余計な詮索かも知れなかったが、きっと豊美も自分と同じように他の部員たちから一線をかされていると成生は一瞬で思い込んでいたのだった。
 
 それから早いもので、大学へ入学してから2度目の学園祭が始まろうとしていた。今年はフォークソング部として学園祭のメインステージでの演奏だけでなく、部室でフォークソングに関する何らかの展示をすることとなっていた。
 
 そんな中で成生が担当したのが、フォークソングの成り立ちに対しての簡単な掲示物を創ることだった。部室の一番奥の壁に貼り出す予定だったので、スペース的にも大きな模造紙2枚ものだった。当初パソコンの文書をプリンターのポスター印刷でプリントアウトして、模造紙に貼ろうと成生は考えた。
 
 確かにネット上で検索した資料を、パソコン上で資料にコピペして資料はすぐに出来上がった。だがいざその資料をポスター印刷しようとした時に、成生は何処か違うような気がしてならなかった。はっきり言って資料を作成することで、成生自身が新たな気づきがそこにあったかと言えば何も無かったのだ・・・。


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