★【グリーンブック】映画鑑賞備忘録 | 《遠い昔、深夜放送が好きだった人たちへ贈る小説》間々田陽紀の世界

《遠い昔、深夜放送が好きだった人たちへ贈る小説》間々田陽紀の世界

■好きな音楽、好きな映画、好きなサッカー、好きなモータースポーツなどをちりばめながら、気ままに小説(242作品)・作詞(506作品)を創作しています。ブログも創作も《Evergreen》な風景を描ければと思っています。

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★芸術表現としての映画は映像美がありセリフもあり音楽もあるという総合芸術だと思っていて、目で観て耳で聴いて感性を強く刺激してくれる素敵な表現ツールだと言えると思います。そこで自分が観た映画作品を順番に紹介していきたいと思います。

■『グリーンブック』・・・・・第91回アカデミー賞で作品賞を受賞した作品でしたが、正当な評価だと思われるほど素敵な映画でした。個人的には大好きなオールディーズが全編で流れて、映し出される映像も当時の時代風景を丁寧に映し出しており大満足の映画となりました。

人種差別を取り上げた映画は数多くあったと思いますが、この映画のようにそのテーマを離れたところでは映画そのものの楽しみを思う存分表現して尚且つその両方のバランスが見事に取れている作品であるところが秀逸なところだと思います。文句なしにアカデミー賞受賞作品として評価されて当たり前の作品だと思いました。


【解説等】第76回ゴールデン・グローブ賞で作品賞など最多の3部門に輝いた、実話を基にした人間ドラマ。人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人の天才ピアニストと、彼に雇われたイタリア系の用心棒兼運転手との旅を描く。『メリーに首ったけ』などコメディを得意とするファレリー兄弟の兄ピーターが監督を務める。トニー役に「イースタン・プロミス」のビゴ・モーテンセン、ドクター・シャーリー役に「ムーンライト」のマハーシャラ・アリ。トニー・リップ(本名トニー・バレロンガ)の実の息子であるニック・バレロンガが製作・脚本を手がけ、父とドクター・シャーリーの友情の物語を映画化した。監督は、「メリーに首ったけ」などコメディ映画を得意としてきたファレリー兄弟の兄ピーター・ファレリー。アカデミー賞では全5部門でノミネートされ、作品賞のほか脚本賞、助演男優賞を受賞した。

【あらすじ】人種差別が色濃く残る1960年代のアメリカ南部を舞台に、黒人ジャズピアニストとイタリア系白人運転手の2人が旅を続けるなかで友情を深めていく姿を、実話をもとに描き、第91回アカデミー作品賞を受賞したドラマ。1962年、ニューヨークの高級クラブで用心棒として働くトニー・リップは、粗野で無教養だが口が達者で、何かと周囲から頼りにされていた。クラブが改装のため閉鎖になり、しばらくの間、無職になってしまったトニーは、南部でコンサートツアーを計画する黒人ジャズピアニストのドクター・シャーリーに運転手として雇われる。黒人差別が色濃い南部へ、あえてツアーにでかけようとするドクター・シャーリーと、黒人用旅行ガイド「グリーンブック」を頼りに、その旅に同行することになったトニー。出自も性格も全く異なる2人は、当初は衝突を繰り返すものの、次第に友情を築いていく。

~出典:Movie Walker ~

★【お気にりのシーンなど・・・】

幸運の石を巡るいくつかのシーンが物語の展開の中で、何箇所が出てきていて素敵に演出されていて気に入りましたね。

※シャリーがトニーにハンドルは10時と14時で握るように更には文法にこだわってたり、ケンタッキーチキンを不器用に食べていたりと、シャーリーの人物像の表現の仕方がひと工夫されていた面白かったです。

※黒人の修繕工にドロレスが冷たい飲み物を出してあげたコップを、トニーはゴミ箱にそのまま捨てました。そのトニーが家族が多く集まる席で、差別的な発言を慎むように注意する場面はトニーの中で人種差別に関する想いが変わりつつあることを上手に演出されていましたね。

※シャリーの台詞の中で《自分は白人でもない、黒人でもない、はぐれ黒人だ》とぽつりと呟いたシーンが素敵でした。シャリーみたいな生き様の人間にとって、当時の黒人差別への向き合い方は尚更大変だったことがよく表現されていました

※ドロレスへの手紙の文章をトニーにアドバイスしてくれていたシャリーに対して、トニーが《お前も兄さんに手紙を書けよ》と言葉を投げ掛けたシーンも気に入りました

※ナットキングコールが演奏したコンサートホールでシャリーがとった態度とそれをサポートするトニーの行動が、恐らく歴史的な意味合いのある場所で描かれていた演出も良かったです。

シャリーが酒場でアドリブでピアノを弾くシーンも、このシーンがいつ出てくるのか待ちわびていたので、焦らされた分だけ感動的でしたね。

※ラストのクリスマスの夜、トニーの家にシャリーが寄ると思っていたのに、最初はそのまま姿を消して、その後にシャリーがシャンパンを持って戻ってきて、差別発言の多かったトニーの家族がシャリーを温かく迎えるシーンは、監督が一番描きたかったシーンだったのではないでしょうか。


《Green Book Soundtrack》
1. That Old Black Magic / ザット・オールド・ブラック・マジック
2. 881 7th Ave / 881 セヴンス・アヴェニュー
3. So Long Lovers Island / ソー・ロング・ラヴァ-ズ・アイランド
4. Dr. Shirley's Luggage / ドクター・シャーリーズ・ランゲージ
5. I Feel Fine / アイ・フィール・ファイン
6. A Letter From My Baby / ア・レター・フロム・ボビー
7. You Took Advantage Of Me / ユー・トゥック・アドヴァンテージ・オブ・ミー
8. Blue Skies / ブルー・・スカイズ
9. Dear Dolores / ディアー・ドロレス
10. Vacation Without Aggravaton / ヴァケイション・ウィズアウト・アグラヴェイション
11. Cookin' / クッキン
12. What'cha Gonna Do / ホワッチャ・ゴナ・ドゥー
13. Water Boy / ウォーター・ボーイ
14. Dearest One / ディアレスト・ワン
15. Field Workers / フィールド・ワーカーズ
16. I Got A Call / The Exception / アイ・ガット・ア・コール/ジ・エクセプション
17. Makeup For Wounds / It's A Complicated World / メイキャップ・フォー・ウーンズ/イッツ・ア・コンプリケイテッド・ワールド
18. Happy Talk / ハッピー・トーク
19. I Love My Baby / アイ・ラヴ・マイ・ベイビー
20. Governor On The Line / ガヴァナー・オン・ザ・ライン
21. Need Some Sleep / ニード・サム・スリープス
22. Make The First Move / メイク・ザ・ファ-スト・ムーヴ
23. Lullaby Of Birdland / ララバイ・オブ・バードランド
24. Let's Roll / レッツ・ロール
25. Backwood Blues / ブラックウッド・ブルース
26. The Lonesome Road / ザ・ロンサム・ロード
27. Mmm Love / ウーム・ラヴ
28. Thanks Officer / サンクス・オフィサー
29. If You Want Me To / イフ・ユー・ウォント・ミー・トゥー
30. Thank You For The Letters / サンキュー・フォー・ザ・レターズ
31. The Lonesome Road / ザ・ロンサム・ロード

~出典:タワーレコード~


日比谷



《2023年度:鑑賞済作品リスト》
■『エンパイア・オブ・ライト』2023年3月2日
■『フェイブルマンズ』2023年3月30日
■『生きる LIVING』2023年4月20日
■『アルマゲドン・タイム ある日々の肖像』2023年5月18日
■『aftersun/アフターサン』2023年6月15日
■『ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE』2023年7月28日
■『コンサート・フォー・ジョージ』2023年8月18日
■『ロスト・キング 500年越しの運命』2023年9月22日
■『キリエのうた』2023年10月19日
■『キラーズ・オブ・ザ・フラワームーン』2023年11月16日
■『ティル』2023年12月21日

《2022年度:鑑賞済作品リスト》
■『コーダ あいのうた』2022年3月29日
■『マイ・ニューヨーク・ダイアリー』2022年5月12日
■『リコリス・ピザ』2022年7月5日
■『エルヴィス』2022年7月15日
■『ブライアン・ウィルソン/約束の旅路』2022年8月16日
■『ビリー・ジョエル:ライヴ・アット・ヤンキー・スタジアム』2022年10月6日
■『恋人はアンバー』2022年11月10日

《2021年:鑑賞済作品リスト》
■『スターダスト』2021年10月21日
■『リスペクト』2021年11月5日
■『tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!』2021年11月19日
■『ディア・エヴァン・ハンセン』2021年12月2日
■『ラストナイト・イン・ソーホー』2021年12月16日

《2020年度:鑑賞済作品リスト》
■『フィッシャーマンズ・ソング コーンウォールから愛をこめて』2020年1月17日
■『ジョジョ・ラビット』2020年1月22日

《2019年度:鑑賞済作品リスト》
■『ボヘミアン・ラプソディ』2019年1月9日
■『ライ麦畑の反逆児 ひとりぼっちのサリンジャー』2019年1月24日
■『天才作家の妻 40年目の真実』2019年2月7日
■『ノーザン・ソウル』2019年2月22日
■『グリーンブック』2019年3月6日
■『メリー・ポピンズ リターンズ』2019年3月19日
■『運び屋』2019年4月4日
■『ビューティフル・ボーイ』2019年4月17日
■『ドント・ウォーリー』2019年5月9日
■『山下達郎 シアター・ライヴ PERFORMANCE 1984-2012』2019年5月23日
■『ベン・イズ・バック』2019年6月7日
■『ハーツ・ビート・ラウド たびだちのうた』2019年6月20日
■『アマンダと僕』2019年7月5日
■『さらば愛しきアウトロー』2019年7月18日
■『HOT SUMMER NIGHTS/ホット・サマー・ナイツ』2019年8月22日
■『ロケットマン』2019年8月29日
■『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』2019年9月12日
■『アルツハイマーと僕 グレン・キャンベル 音楽の奇跡』2019年9月27日
■『イエスタデイ』2019年10月17日
■『マイ・ビューティフル・デイズ』2019年11月7日
■『ラスト・クリスマス』2019年12月12日

《2018年度:鑑賞済作品リスト》
■『はじまりのボーイミーツガール』2018年1月11日
■『ベロニカとの記憶』2018年1月25日
■『ロング,ロングバケーション』2018年2月14日
■『パーティで女の子に話しかけるには』2018年2月22日
■『ビッグ・シック ぼくたちの大いなる目ざめ』2018年3月8日
■『フェリーニに恋して』2018年3月29日
■『ワンダーストラック』2018年4月9日
■『さよなら、僕のマンハッタン』2018年4月23日
■『パティ・ケイク$』2018年5月10日
■『ミッドナイト・サン タイヨウのうた』2018年5月24日
■『男と女、モントーク岬で』2018年6月7日
■『レディ・バード』2018年6月28日
■『女と男の観覧車』2018年7月12日
■『悲しみに、こんにちは』2018年7月26日
■『タリーと私の秘密の時間』2018年8月23日
■『輝ける人生』2018年9月6日
■『500ページの夢の束』2018年9月21日
■『マンマ・ミーア! ヒア・ウィー・ゴー』2018年10月4日
■『エンジェル、見えない恋人』2018年10月18日
■『マイ・プレシャス・リスト』2018年11月2日
■『モダンライフ・イズ・ラビッシュ ロンドンの泣き虫ギタリスト』2018年11月15日
■『souvenir the movie~MARIYA TAKEUCHI Theater Live~』2018年11月30日
■『おとなの恋は、まわり道』2018年12月14日
■『アリー/ スター誕生』2018年12月27日

《2017年度:鑑賞済作品リスト》
■『ミス・シェパードをお手本に』2017年1月12日
■『天使にショパンの歌声を』2017年1月26日
■『たかが世界の終わり』2017年2月16日
■『素晴らしきかな、人生 』2017年3月2日
■『わたしは、ダニエル・ブレイク』2017年3月23日
■『未来よ、こんにちは』2017年3月30日
■『はじまりへの旅』2017年4月13日
■『僕とカミンスキーの旅』2017年5月1日
■『マンチェスター・バイ・ザ・シー』2017年5月15日
■『カフェ・ソサエティ』2017年5月29日
■『20センチュリー・ウーマン』2017年6月12日
■『ラ・ラ・ランド』2017年6月26日
■『歓びのトスカーナ』2017年7月31日
■『エブリシング』2017年8月18日
■『ボブという名の猫 幸せのハイタッチ』2017年8月28日
■『あしたは最高のはじまり』2017年9月11日
■『プラネタリウム』2017年9月25日
■『ブルーム・オブ・イエスタディ』2017年10月11日
■『愛を綴る女』2017年10月23日
■『gifted/ギフテッド』2017年12月11日
■『彼女が目覚めるその日まで』2017年12月25日

《2016年度:鑑賞済作品リスト》
■『きみといた2日間』2016年1月25日
■『ニューヨーク 眺めのいい部屋売ります』2016年2月8日
■『マリーゴールド・ホテル 幸せへの第二章』2016年3月10日
■『幸せをつかむ歌』2016年3月29日
■『マンチェスター・バイ・ザ・シー』2016年5月15日
■『グランドフィナーレ』2016年4月18日
■『最高の花婿』2016年5月2日
■『すれ違いのダイアリーズ』2016年5月16日
■『君がくれたグッドライフ』2016年5月30日
■『教授のおかしな妄想殺人』2016年6月17日
■『ブルックリン』2016年7月1日
■『シング・ストリート 未来へのうた』2016年7月15日
■『ヤング・アダルト・ニューヨーク』2016年7月28日
■『きみがくれた物語』2016年8月19日
■『ハートビート』2016年9月2日
■『アスファルト』2016年9月16日
■『ある天文学者の恋文』2016年9月30日
■『世界一キライなあなたに』2016年10月13日
■『アイ・ソー・ザ・ライト』2016年1027月日
■『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』2016年11月10日
■『誰のせいでもない』2016年11月25日
■『幸せなひとりぼっち』2016年12月26日

《2015年度:鑑賞済作品リスト》
■『ラブ&マーシー 終わらないメロディー 』2015年8月11日
■『ミッション インポッシブル』2015年8月21日
■『ヴィンセントが教えてくれたこと』2015年9月4日
■『Dearダニー 君へのうた』2015年9月18日
■『わたしに会うまでの1600キロ』2015年10月2日
■『パパが遺した物語』2015年10月16日
■『アクトレス~女たちの舞台~』2015年10月29日
■『サヨナラの代わりに』2015年11月13日
■『Re:LIFE~リライフ~』2015年12月3日
■『ディーン、君がいた瞬間(とき)』2015年12月28日