大人のための絵本講座を月に2回開催しています。
毎回用意した5冊の絵本を読みます。
それぞれの絵本の感想や気づきなどを共有する。
大人は物語の内容に自分の経験体験を重ねることが多い。
気づかなかった自分の感情や
他の人の感じた部分の違いが面白くてたまらない。
安心安全な場所であることが基本です。
どのように感じたか思ったかは人それぞれ。
その違いを受け入れ合うことこそがこの講座の意味です。
先日、講座を終えた数日後に受講生からメールが届きました。
不用意な発言をしてしまった。
優しいはずの場の雰囲気を壊したのではないか。
情けなく落ち込んでいる。
という内容。
いやいや。何をおっしゃいますやら
そんなことは決してないのです。
この方は繊細なところもお有りです。
自分を責めていらっしゃるような。
人への気遣いが深い方なのです。
私の講座は決して誰かを責めたり排他することはない。
どんな発言も受け入れて一緒に考えたり自分の気持ちを伝えるし、
感想を避けることもOKなのです。
第一、この方の発言で場が変になってはいない。
むしろ話題の広がりさえ感じたよ。
大丈夫。
お仕事でも色々不運が続いているらしい。
なので返信の最後に
しんどい時は空をみて。
広いよー
風吹いてるよー
自分はちっちゃいよー
と。
★★★★★★★★
絵本を介して自分を知る。
「私」は未知数で発展途上だよね。
ふいに茨木のりこさんの詩を思い出す。
「汲む —Y・Yに— 」 一部抜粋
大人になってもどきまぎしたっていいんだな
ぎこちない挨拶 醜く赤くなる
失語症 なめらかでないしぐさ
子供の悪態にさえ傷ついてしまう
頼りない生牡蠣(なまがき)のような感受性
それらを鍛える必要は少しもなかったのだな
年老いても咲きたての薔薇 柔らかく
外にむかってひらかれるのこそ難しい
あらゆる仕事
すべてのいい仕事の核には
震える弱いアンテナが隠されている
きっと……
繊細で心柔らかな受講生がいることが幸せです。