6年生のクラスでの読み聞かせでした。
まもなく卒業する子どもたちです。
選んだ絵本は
「ぼくは川のように話す」
最初に表紙を見たとき、
その美しさにドキッとした。
水しぶきの上がる川の中の少年が背中に光を受けている。
どんなドラマなのだろう。興味津々に開きました。
読み進めて泣きそうになった。
少年は吃音に苦しんでいる。
思いはあふれるのに言葉はつっかえたまま。
ゆがんで震える少年の口元にもどかしさ、悲しみがにじむ。
友だちにも笑われている。
吃音の少年の行き場のない苦しさ。 |
そんな息子に父親は
「うまくしゃべれない日もあるさ。
どこかしずかなところへいこう」
と川辺に誘い出します。
カナダの美しい豊かな川の流れは
あわだち
うずをまき
なみをうち
くだけている
「おまえは、川のようにはなしているんだ」
父親の言葉、
川の流れを体で感じる少年。
このあたりのシーンは圧巻です。
少年の心情が絵に見事に表され
ページを進める毎に胸が震える。
「ぼくの口も、この川の流れとおなじ。
これがぼくの話し方。
川だってどもってる。
ぼくとおなじように」
悩む少年に父親が与えたものは光そのものなのかもしれない。
吃音に限らず、私たちは大なり小なりの受容しがたい内面の辛さを持っている。
絶対的に守ってくれる人の存在があれば乗り越えられることも多い。
作者ジョーダン・スコットの自伝的な物語です。
シドニー・スミスの絵が素晴らしい。
最初図書館で借りて読んだのですが、
これは手元に置いておきたい!
いや持つべきだと購入しました。
春から中学生になる彼らに心の中でエールを送りました。
守られているよ。