このブログに「読書」というカテゴリを作っているのを忘れてた
で、久しぶりに読書ネタ。
「せつないカモメたち」
高樹のぶ子作
タイトル通りに切ない読後。
女子中学生のアヤと、
4年前に離婚をした中年女性ウラさん。
奇妙な出会いから始まる。
アヤの自殺願望の背景は複雑な環境からなっている。
映画館の受付をしているウラは、希望も夢もなく
毎晩コンビニの弁当でチューハイを飲む。
「いじめ」「自殺」「ケータイ」
むなしいフレーズが多い。
アヤの悲痛な叫びは言葉ではなく
行動に出て、読んでいる私の身体も痛んでくる。
大人も子どももカモメのように
行き場が定まらず浮遊している。
家族の在り方
男と女
そこに愛はあるのか
愛に似た性もむなしい。
物語は時として緊張をはらむ。
一気に読み上げた。
決して爽快な小説ではないけれど
チクと胸に残る作品でした。
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